イメージボード☆マッチ売りの少女
この記事は、前回キャラクターデザインの続きで
CMアニメーションの制作過程を紹介しています。
これがイメージボードというにはお粗末なのですが、
なにせ最初は絵コンテとキャラのラフをプレゼン用に頼まれましたので、
本制作に入る確率は低いだろうし(CMっていっぱいの案をプレゼンするみたいで。2、3度経験済み)
というわけでさささっと描きました。
このときはマッチは「束」で書いていますね。
当時はおそらく「黄燐マッチ」で発火しやすいマッチだったとか。
何の映画だったか(チャップリン?)靴底でマッチ擦っていたじゃないですか。あれは黄燐マッチなのかな。
安全な赤燐マッチになってマッチ箱でするようになったのはアンデルセン童話が出版されたのよりもう少し後らしいです。
で、前回も書きましたが絵本なら止まっているのでいいけど、
アニメだとマッチを擦るシーンを描かないといけないわけで。
そのときに束のマッチだと、少女はどうやってマッチをすったらいいのでしょう?
という問題が生じます。
靴底とか壁とかでシュッとやったら、珍しすぎて視聴者はそこに目が行っちゃう。
30秒CMでそんな解説の要りそうなことできないよね?
というわけで、マッチ箱で売らせてください。。。ということになりました。
ところでこれを描いたのは去年の夏頃。
制作を受注することは8割方ないと思っていました〜
イメージボードというのは
キャラクターだけじゃなくて世界観とか印象とか?
BG含め作風みたいなのをスタッフと共有するための最初の素材でしょうか。
スタジオによって違うのかもだけど、
わたしのイメージは作画監督が描くと思っています。
絵の描ける監督さんならその方が描くかも。
(日本のセルアニメにおいてのお話しです)
CM後半で少女を助けるアクセル社員さん。
ここからギャグっぽくなってはどうかと、このように提案しました。
わたしは「忍たま乱太郎」みたいにシュタッと漫画っぽく登場、がいいと思ったんです(作画も楽だし←重要)
昔話アニメみたいに文学的に始まって、後半急にCMになるっていう、メリハリで印象をつけるとか、どうかなあと。
でもクライアントさんは全てリアルめにやりたいとのことで却下となりました。
ええ〜?!と思いましたが、結果的にCMのパターンにハマるより珍しくていいのかなと思いました。作画は大変ですけど。
これはボツになった、最初に描いたギャグバージョンキャラです。
配色はB案が活かされています。
北欧の人ぽい髪の毛の色を探してみるとこんな感じ?
ムーミンに出てくる、姿の消える女の子「ニンニ」みたいなイメージ。
(デンマークじゃないけど北欧だし)
北欧の歴史を少し調べてみると、やはり陸続きの国々は
分裂したり占領されたり、いろんな文化民族混ざり合っているみたいですね。
そういう知識も持っておいた方が
リアリティのあるキャラを描けるんだろうなあと思いました。
勉強しよう・・・
服の色はもっと貧しく地味にしたいけれど、ブルーのユニフォームのアクセル社員と後半ツーショットになるので、暖色系にしないと画面が映えないかなあとこんな色にしました。
もういっぺん、決定稿を貼っておきます。
足は裸足にした方がいいのか?と思ったけれど
雪道で裸足、あまりにかわいそうで?視聴者がそこに目がいってしまって本編に意識がいかないのではという懸念と、
それに足元がアップになるカットはないので、ふつうに靴を履かせることに。
もっとボロボロの靴にして穴があいて指が見えるようにして、という要望をいただきましたが、
アップになるカットがないので!(足元が見えるカットは2カット)
ロングなのにその描写をこまごま描いてアニメーターに中割りさせるとか、
その労力に意味ない!他に力を注ごう!
ということで気にならなければこれでgoにしてと
ゴリ押し・・・一枚の絵だったらいいんですけどね。
また、イメージボードのご紹介として
以前制作中断になりました別作品のも参考に貼っておきます。
水彩画調でいきます!とか
牧歌的な雰囲気で、というイメージでした。
前の工程の記事はこちら
第一回☆キャラクターデザイン
さて、絵コンテは次回に紹介したいと思います、
あと2Dアニメの制作工程も、今回けっこう説明するの大変だったので
画像と合わせてまとめてみたいと思っています。
アニメ業界では説明いらないかと思いますが、広告業界では未知の世界らしくて。
何度も説明することになりました。
ペライチで資料作っておくと今後便利そうです。
大体、アニメ現場って忙しくてあまり情報発信してないですよね・・・