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親友の姪っ子の話


私には高校の時からの付き合いの親友がいる。
名前はもんこ(仮名)。

もんこ繋がりで一度も同級生になってないメル(仮名)とシーさん(仮名)とも学生の時に仲良くなり、卒業後も年に2回くらい定期的に会っていた。

会いたいね〜と持ち掛けるのは、
いつも私かもんこで、
場所のセッティングも私かもんこがして、
喋りまくるのは、ほぼ私ともんこで、
メルとシーさんはいつもニコニコして話を聞いてくれた。

私の出演する、
年末のバレエ教室の発表会にも、
彼女たちは毎回来てくれた。

コロナが始まり、
私が二度目の病に伏せって、
年2回の集まりができなくなった。

今度はメルが食物アレルギーになり、
決まった食材しか食べられなくなった。

シーさんの両親が亡くなったり、
もんこの義母が亡くなったりして、
なかなか会うことが出来なくなった。

だかこの前、どうしても私のモヤモヤを聞いて欲しくて、もんこにLINEした。

そしたら、2人でランチしましょうってことになった。

場所はもんこの気になっていたお店になった。


美味しかったのですが‥


私は普段食べなれないチーズドリアを頼み、もんこはエビのペペロンチーノを頼んだ。
とっても美味しかった。

が‥この選択のせいか、
この夜気持ち悪くなるのでした。
(これが腸閉塞の前兆だった!)



お店の方すみません。


なんのはなしですか


話は戻り、私はもんこに自分のモヤモヤを聞いてもらって少しスッキリした。
(その話はいつかできたら‥)

一通り話して、もんこに
「例の姪っ子ちゃんどうしてる?」
と話を振ってみた。

もんこの義妹の子供のことだ。


旦那さんの妹さんは、若くして病で亡くなった。
そこで妹さんの旦那さんが、男手一つで小さな娘さんを育てていた。





はずだった‥



ところがある日

もんこの元に児童相談所から電話が来た。

もんこの姪っ子(R子ちゃん、仮名)が、中学に通学できてなくて、どうもお家に問題があるようだと言われたらしい。


小さい頃のR子ちゃんしか知らなかったもんこだが、すぐ迎えに行った。

お家に帰りたくない。
おばあちゃんの家に行きたい。

とのこと。

もんこと同居している義母、R子ちゃんにとってはおばあちゃん。

そのおばあちゃんの家が、居心地良かったのを記憶していた。


R子ちゃんと実の父とは関係が悪く、

と言うか、

父親にネグレクトされてきたらしい。

ご飯を3食ちゃんと食べさせてもらってなかったり、
お風呂に長い間入らせてもらってなかったり、
おうちの家事をさせられたり‥。

そんな生活をしていて、とうとう学校にも通えなくなってしまった。

そこで学校から児童相談所に連絡がいったらしい。




R子ちゃんは、小さい頃遊びに行っていたおばあちゃんの家が居心地良かったことは覚えていた。


ちょうど夏休みの時期だったので、もんこがおばあちゃんに代わり、R子ちゃんのお世話をした。


それは彼女には穏やかで落ち着いた生活だったと思う。

1月余り暮らしていたが、中学校に通わせるという問題が出てきた。

中学校に通いたいとR子ちゃん。


せっかく慣れてきた頃、家に戻らなくてはいけなくなった。
もんこの家からR子ちゃんの家までは、かなりあって通うことは難しい。


それにプライドだけが高い父親が、R子ちゃんとの同居を望んだので、


彼女にご飯をきちんと食べさせること、

学校にちゃんと通わせることを条件に、

一端、R子ちゃんを家に帰すことになった。

その後、もんこは時々様子を見に行っていたらしい。
血の繋がりが全く無いR子ちゃんだけど、もんこは人情が厚かった。
荒れ果てたうちのお世話をしたりして、しばらく面倒を見ていたらしい。



だが‥




高校に入った頃か、

R子ちゃんは家出した。


私達はここまでの話を、何回かにわたってもんこから聞いていたので、

もう親戚のおばちゃんみたいな気分だった。


え‥


それでどうしたの?


R子ちゃんは、県内の家から遠く離れたところに住む父方の伯母の家に身を寄せていた。


父親から遠く離れたかったのだろうか‥。

そして、もんこにこれ以上迷惑かけられないと思ったのか‥。


R子ちゃんは、その後その伯母さんの家から高校に通い、

卒業後は伯母さんの家の近くの看護学校に進学した。



それを聞いて私達も安心した。


自分一人で生きる道を選んだんだね。





話は戻り、


もんことのランチの後、

家に帰って彼女にお礼のLINEをした。


もんこは私と別れた後、

人と会う約束をしていた。



R子ちゃんだった。



彼女は今年、看護学校を卒業し、

国家試験に合格し、

看護師になり、

生まれ育った街に戻ってきた。

近くの病院に就職が決まった。


保証人にもんこ夫妻からなってもらうため、

待ち合わせをした。



その話を聞いた時、

すでに

親戚のおばちゃん化していた私は、

本当に嬉しかった。

涙が出るくらい嬉しかった。


早速、LINEに


「おめでとう!
知らないおばさんも応援してるよ♪
ってR子ちゃんに伝えてねー!」


とメッセージをおくった。


その伝言を聞いて、R子ちゃんは喜んでくれた。


その夜は、もんこ宅に泊まるとのこと。



天国のお母さんとおばあちゃんも、喜んでいるでしょう。


きっと‥。




あとがき

退院後、職場復帰したりで、なかなか更新できなくてようやく1月以上かかり公開できました。

その後もんこからR子ちゃん情報は聞いていませんが、きっと看護師として頑張っていることと思います。

ニセ親戚のおばちゃんも、彼女の成長を見守っていこうと思います。












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