薔薇の思い出
花の好きな私は、猫の額ほどの庭に薔薇を何本か植えている。
ある事がきっかけで複数本植えることになった。
前職の会社に、親から譲り受けていた沢山の薔薇を上手く育てている女性がいた。毎年この季節になると、それらの薔薇を色とりどり沢山切り持ってくる。
みんな綺麗だねとその薔薇を褒めるが、彼女からその薔薇を分けてもらえるのは、自分のお気に入りの人や、上司だけであった。
花好きの私はどうにか貰えないかと頼んだ。
人をどういう基準で選んでいるのか、移動した最初の頃は彼女のお気に入りにはなれなかった。
数年してようやくややお気に入りに入れてもらい、もらった薔薇はなかなか美しいので、花瓶で根が出るまで育て、それらを地面に移植して育てることに成功した。
益々薔薇愛が強まって、他の品種も育てたくなって、ホームセンターで幾つか買って植えてみた。
(アイツのお気に入りにならなくても薔薇を鑑賞できるから)
薔薇を育てるのはなかなか難しい。
私のいい加減な性格では、すぐに黒星病などになってしまう。
ホームセンターのおじさんや、近くのガーデンの薔薇の育て方教室で色々教えてもらった。
ここ数年は結構上手く育てているが、まだまだ奥が深い。
(今年は多分お世話できないかもしれない😢)
一昨年、病み上がりなのに、会社の別部署に行けと言われ、諸事情でそこで全く違う仕事をすることになった。
元々の部署はワンフロアに、鬼の首を取ったかのように、自分の仕事の功績をアピールするような女が数人幅を利かせていたので、そこにいる事が非常にストレスだった。
だから、その居心地が良さそうな部署に行くことは嫌ではなかった。
ただ与えられた仕事の質と内容がめちゃくちゃだった。
私が移動になった頃から
前出の薔薇を育てているバラ子が、その部署に頻繁にやってくるようになった。
彼女は居心地が良いそこに来ている私が羨ましかったようだ。
今度のターゲットは私の上司だった。
私を無視して、その上司に自分の持ってる情報をヒソヒソと教えはじめたり、
暇なので仕事を手伝ったりし始めた。
不愉快極まりなかった。
それでもバラ子には、大人の対応をしていた。
周りの人も優しかったので、バラ子は益々つけ上がった。
だが優しかった人達にも色々な裏の顔があり、
内部がバラバラになった頃、
大きな体の部長が、心の病になって倒れた。
私にまたも辞令が下り、元のところで働けと言う。
しかも使えないおっさんが上司になるという。
実質私が面倒な仕事をしなくてはいけなくなるので、ブチ切れて辞めると言った。
慰留されたが、決心は固かった。
辞める際、27年も一応お世話になったので、
嫌だけど大人なので一人一人ご挨拶して辞めた。
私の仕事を知ってくれてる人はちゃんと丁寧に挨拶してくれたが、鬼の奴らは最後まで挨拶も出来なかった。
そしてバラ子は私にした態度を忘れて、連絡先をそっとよこし、今度薔薇が咲いたら観に来てねって言って来た。
その手にはのるか。
もう永久におさらばだよ👋
後日、通っていた眼科でばったりとバラ子にあった。
その時もまた薔薇を観に来てと言われたが、
「いやぁ、今孫の子守りが忙しくで‥。」
と丁寧にお断りした。
なんだか薔薇とは似つかわしくないお話で
ごめんなさい🙏
なんのはなしですか