カエルの子って、ホンマにカエルなん?
「あの人は賢いからきっと親御さんも賢いに違いない。」
「あの大スターが妊娠した!きっと子供も大スターになるだろう!これからの成長が楽しみだ!!」
「あなたは親御さんが歌がうまいからあなたも歌がうまいのよね!本当に親御さんすごいわね!」
…よく耳にする台詞だけど本当にそうだろうか?
私はこの答えを知ってる。その答えは
バツだ。
もっと正確に言えば私が知ってる答えは血のつながりはあまりあてにならない。
私の両親は割と楽観的だけど私は同じことを何度も何度もぐるぐると考え込む。考えすぎて一日中何も手につかないことだってよくある話だ。
私の兄は頭がいい。とても。だけど両親がずば抜けて頭がいいかと言われたら多分だけどそうでもない。それどころか私なんて算数の計算は二桁目でダウンだ。無理。むりすぎる。あんなのわかるわけないじゃん!!
でも兄貴は理数系が得意。
私と血のつながりのある彼奴、めちゃくちゃスポーツできるやつなんだよね。あの有名な野球場までいってメダルとってきたほどに。
なのに、私はスポーツなんてできっこない。走りながらのドリブルもできない。走るのも遅い。泳ぐのだって下手くそだ。体育ではいつも何してもビリだった。それどころかスポーツなんて大嫌いだ。
母親も、父親も人当たりが良くて意外と顔が広いし大体の事はすんなりやってのける。だけど私は引っ込み思案で友達なんて片手に収まるほどしかいない。話も上手くない。何やっても大概のことはうまくいかない。
私の両親はぱっちり二重で大抵の人が顔を見たら綺麗な顔してるねって言ってくれると思う。
だけど私は重たい一重で鼻ぺちゃで大抵の人がブスだね笑笑って思う顔してると思う。
お姉ちゃんはびっくりするくらい可愛いのに…
血の繋がりって、なんだ…?カエルの子はカエルって、なんだ…?
私は遺伝って言葉が大嫌いだ。
だって私の家族は大抵みんな得意なことがあるのに私はいくら探しても見つからない。それどころか苦手なことばかりが目に行く。
遺伝ってなんだ…?
「卑屈になりすぎだよ。あなたもきっと優秀だよ!」
私のことをよく知らない君ならきっとそうやって励ましてくれるに違いない。
だけどね、私とあって私を見たらきっとそんな言葉は一言も出てきやしないよ。
だってわたしはカエルにすらなれていないんだもん。
わたしだってせめてカエルになりたいのに。