Squareと公演チケット販売は相性がよい(オンライン販売)
ここは、小~中劇場規模の舞台公演(主に演劇)で制作やチケット管理業務をしてきた私が培ってきた事を綴るnoteです。気づいたら1年以上以上も更新していませんでした。
常々どうにかならないかと思っていた受付業務のこの2点、
・直前の予約は当日精算
・受付では現金のみ
受付業務をされる方は、頷いていただけるのではないでしょうか?
色々試してみて、この2点の問題を解消できたのがsquareでした。

今回は便利に使用している決済サイトSquareの事を2回にわけて綴ります。
1:チケット販売方法
公演規模にもよると思いますが、チケット販売の時期や方法は主に4種あるかと思います。
1・・先行販売(一般発売前)
2・・一般発売(公演約1~3か月前~公演数日前)
3・・当日引取予約(一般発売以降~公演前日/開演数時間前)
4・・当日券(公演当日)
1,2は事前に入金・発券、
4は予約をせず、チケット窓口で残席があれば購入できる方法です(抽選券の発券が事前に必要な公演もあります)。
即日完売したり、お断りするほど当日券を求める方が並ぶような人気公演でしたら必要ありませんが、1枚でも多く売りたい時に大事なのが、
3の当日引取予約ではないでしょうか。販売方法は下記が考えられます。
●プレイガイド(PG)
PGでの一般販売は通常公演日の大体2,3日前まで。
一般販売終了後、公演日直前まで当日引換予約(引換券を販売し当日受付にて座席指定券と交換)をするなどして対応します。
しかしPGだと在庫枚数の増減に時間がかかるのと、チケット販売手数料が主催にもお客様にも双方かかるのがデメリットかと思います。
●予約サイトアプリ
また最近ではpeatixなどイベントチケットを独自に販売できる便利なアプリがありますが、会員登録をしないといけないのがお客様の心理的に負担になる場合があります(私自身がそうです)。
●予約フォーム
無料で提供されている各種予約フォームは決済機能がないので、当日受付での手間が増えてしまいます。
上記当日引取予約を受ける方法はそれぞれメリットデメリットありますが、一番使い勝手がよいと思ったのがsquareでのオンラインチケット販売。
2:オンライン販売
squareではイベントチケットを商品登録できます。

バリエーションで公演日時を設定すれば複数ステージ設定でき、それぞれ在庫管理が可能です。
サイト制作や商品登録、はじめは悩むかもしれませんが感覚的に作成できると思います。
お客様にとっては、
公演サイトから希望の日時枚数を選択
↓
名前・メアド・電話番号といった最低限の個人情報を入力&カード決済
↓
当日受付で名前を伝える
--というシンプルな手順で入場が可能です。
3:使いづらい点
※追記(2024/5/17)※
この記事執筆時(2023年6月21日 17:22)から、変更になり文字化けせず、またデータの行もわかりやすくなりました。備忘として下記残しておきます!
ただ一点とても使いづらいのが、ダウンロードする注文データ(csv)が大変使いづらい・・・。
1)文字化けしてる

ダウンロードしたデータを普通に開くと文字化けしてます・・(Windowsの場合。macはわかりません)保存し直す必要があります。
[メモ帳を開く]→[アイコンをメモ帳にドラッグ&ドロップ]→
[上書き保存]→[エンコードをutf-8(BOM付き)にする]→[保存」

2)1件の申し込みデータが数行にわたる
しかしそうやって開いたデータもお客様情報と商品情報の行が分かれていて、これだけでは使用できません。

ダウンロードされたデータは
1行目、お客様情報&決済金額
2行目、購入された商品情報
が表示されます。
予約管理をするには、この情報を1行にまとめたい。
なので、ここで関数を使用します!
4:Unique&Xlookup関数
1件の申し込みはA列の注文番号で紐づけされているので、別シートに注文番号と必要情報を抽出していけば、予約リストが作れます。
二つの関数を使用します。xlookupは既に説明済なので省略します。
・unique・・一覧または範囲内の一意の値の一覧を返す関数です。
・xlookup(e)/vlookup・・検索条件に合致したデータの別のセルを取得する
=UNIQUE(範囲, 検索方向, 回数)
A列の注文番号を一つずつ取り出していきます。
=unique(a:a,false,false)
検索方向・・行の場合はtrue、列の場合はfalse
回数・・重複していない(1つしか記載のない)値だけを取り出す場合はtrue、重複を除いて値を取り出す場合はfalse

A2に数式を入れると、スピル機能があれば自動的にすべてのデータが反映されます。(ない場合はコピペでOK)
このあと、1行目に必要な項目を入力し、xlookupでデータを抽出していけば予約リストの完成です!
このデータを元に伝票など作成できます。
5:その他、使用して思ったいくつかのこと。
今後ないといいですが、コロナ禍で助かったのが公演中止の際のキャンセル処理。
PGは販売手数料に加えキャンセル処理手数料がかかります。
振込入金&チケット発送は、お客様に返金先の口座を伺い振り込む手間が本当に大変。
squareはキャンセル手数料がかからないどころか販売手数料も戻ってきます。プラマイゼロ。返金処理も数クリックで済むので僅かな手間で終わります。ただでさえ心の折れる公演中止の事後処理にsquareのスムーズさには助けられました。
また、公式へのメールでの問合せに対してもレスポンスが遅くないのも高評価です。
そして最後に店舗登録が複数出来、各店舗ごとに振込先が設定できます。
つまり、もしあなたが様々な団体から票券業務を請け負う仕事をしていたら、一つアカウントを持っていれば団体を店舗として登録し、別々に運用し分ける事ができます。(もちろんそれぞれの団体でアカウントを作ってもよいかと思います。)
手数料は3.6%です。高いと思うかどうかは人それぞれかと思いますが、当日引取予約をすべて当日精算でしていた時代にはあまり戻りたくありません・・。そう言いたくなるほど、受付はスムーズになります。
登録は無料で(個人でも作れます)、維持費もかかりません。
気になった方は一度登録して使い勝手を試すこともできると思います。
(一度使用したアドレスは、他で使えないようなので再度登録し直す場合はご注意ください)
次回は劇場受付でのキャッシュレス決済について!