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第二回座談会①安瀬雅俊(絵画)「うまくやるつまらなさ、ピナ・バウシュ、アイスコーヒーがこぼれる」
かれら:前回は、僕が書いたテクストについてみなさんと話し合いました。今回は、テクストに対する応答としてみなさんが創作したものについて話し合います。まず、自分の創作物についてコメントしてもらい、その後、メンバーで話し合うという流れです。
森:勘違いしてた。そうなんだ。
かれら:え、分かってなかったですか?連絡したと思うんですが。ロビンとか、みなさん、大丈夫ですか?
ロビン:大丈夫。分かってた。
かれら:ロビンが分かってたなら、それはもう……森健が悪い(笑)
かれら:じゃ、やりましょうか。まず、安瀬さんからはじめたいと思います。安瀬さんは今回、6枚の絵を描いてきてくれました。そのほとんどが具象画ですが、安瀬さんは絵を描くとき、あらかじめコンセプトのようなものがあって描きはじめるんでしょうか、それともプランなく描きはじめるんでしょうか。
安瀬:描くときは、何にも考えてない、だからどんなものができるのか自分でも分からないまま描きはじめる。「うまく描いてやろう」とか「下手に描こう」とかっていうふうに思うと、手が止まっちゃうんだよ。だからこれもあんまり何も考えずに……。
かれら:この絵は一見意味ありげなモチーフがたくさん散らばっているように見えますけど、特に「これをここに配置しよう」というようなプランはなかったんですか?
安瀬:ないない。全部即興で出てくる。そうじゃないと、楽しくなくなっちゃんだよね。これはまず、猫耳のひとを描いて、そのあと、右のほうに内蔵だか岩だか分からないものを描きたくなって、だから描いた。ひとつ描くと、「次はこれ描こう」というのが出てくるから、それをただ描いていく。
かれら:これは水彩画ですよね。
安瀬:いや、クレパス。クレパスだと、描いた後に手でグリグリ伸ばせるから水彩っぽくなるんだよね。
かれら:もうひとつ、抽象的な曲線や色が配置された絵があります。安瀬さんのTwitterを見てると、ポートレイトや具象画が多い印象があったんですが、さっき話題に上がった絵とこの絵の二枚はすこし質感が違いますよね。
安瀬:最初は、有名人を描いてたんだよ。有名人の顔は、目にする機会が多いじゃん。でも途中で面白くなくなっちゃって。最初っから面白くなかったのかもしれないけど(笑)それで今日初めて、街のひとを描いてみたんだよ。これも最初はどういうものになるか全く分からないまま、この辺に黄色が見えたから、「じゃあ黄色置くか」みたいな感じで、描いていった。ちょっと休憩している時とかは、頭の中でずっと喋ってるんだけど、でも喋ることって大体、山下(澄人)さんとか保坂(和志)さんの言葉とか、ふたりと喋った時の言葉なんだよね。全体像を把握して、神の視点で書いたものはおもしろくない、というような話とかは、すごく共感していて。そういうことが自分の絵に反映されてると思う。
かれら:なるほど。じゃあ、他の4枚も、そういう感じで描かれたんですかね。
安瀬:あ、そうそう。ピナ・バウシュの本をたまたま買って読んでたら、写真が載ってたから描いてみたら、ほかの(モチーフ)よりも、より何にも考えないで描ける、眼と手にお任せみたいな感じで。どの絵もそうなんだけど、これは特にそういうふうに描けた。茶色っぽい絵は、全部ピナ・バウシュ。
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