振り返り　その③

　東日本大震災から9年たった。ちょうど来日して10年目のときだった。テレビでみる映像はまるで映画を見ているようなもので、本当におきているものとは思えないほどの恐ろしいものだった。

　原発事故のこともあり、親からは、しばらく帰ってきなさいとも言われた。たくさんの外国人はそのとき一時的に日本を離れた。日本が危ないと感じて、そのまま日本を離れた友達もいる。

　なぜか一度も、日本を離れようと思わなかった。まだ20代だった。被災地にいって、ボランティア活動したいと言った時、上司に怒られた。「お前は今ここでできることしっかりやりなさい」と言われた。その意味が今よくわかる。

9年あとに感じる同じような気持ち。日常がきっと戻ると信じて、今やるべきことをやる。たぶんこういう時じゃないと気づかない、大事なこともある。貴重な磨きの時間。