疲れてしまった。
恋愛をしようとここ2年ほどかなり頑張った。
学生以来、彼氏が出来なかったからだ。
片思いはそれなりにあった。
告白もした。
一番印象に残ってるのは、3年前の北千住だ。
片思いの人と1日デートする機会を奇跡的にいただき、その日に告白すると決めて挑んだ。
自分でもなぜそうなったのか分からないが、
帰り際に言い逃げのように告白して逃走した。
万が一、追いかけてきてくれた場合も考慮して
ある程度はゆっくり走った。
が、案の定追いかけてくれる訳もなく。
追いかけてきてくれない=そういうことだ。
電車の中で涙を堪えて片道1時間かけて帰った。
イヤホンを付けていたが、いま何かを聴いたら
涙が流れるのが分かったから何も流せなかった。
片道1時間、ノイズキャンセリングだけが機能していた。給付金で買ったAirPodsには心から感謝している。
そして次の日しっかりLINEでフラれた。
よく片思いソングにあるような「1%の可能性があるなら諦めない」的なやつに背中を押されるも、諦めざるを得なくなった。
自分と相手の気持ちが重ならないと知らされたとき、行き場がなくなったこの「好き」をどうやって処分すればいいのか私は習っていない。
投げる相手がいないボールを持ったまま、
ただその場に立ちすくむ自分が俯瞰で見えたとき
ようやく私の片思いは終わったのだと理解した。
それ以来まだ自分から誰かを好きになっていない。
いつか誰かが私を好きになってくれる。
そしていつかきっと彼氏ができる。
そう思って過ごしていた。
なにも起きなかった。
見かねた友達が誘ってくれた街コンで事件は起きた。
年下の青年とマッチしたのだ。
とても優しそうで真面目そうな彼ともっと話してみたいと思った。
LINEや電話で話す日々。
しばらくして街コン以来の初デート。
告白された。
正直この時点で私はまだ恋愛感情はなく、まだ育んでいる状態だった。
だが、彼氏を作らなきゃという焦りで承諾。
お付き合いがスタートしたのだった。
自分が単純でチョロい人間だと分かっていたから、相手に「好きだ」と言われたら、自分もその人を好きになっていくと思っていた。
でも、デートを重ねる度に受ける愛情に、
私の心が追いつかなくなった。
追いつこう追いつこうと走って、
たまに背中が見えてもすぐに距離ができる。
それでもしばらく走り続けた。
全速力で走って、ふと嫌気がさした。
時間の無駄を感じてしまったのだ。
彼とは1ヶ月でお別れした。
恋愛は楽園のようなものだと思っていた。
自分に彼氏ができたら、仕事も集中できないほど浮き足だって、次会えるのが楽しみでしかたない!そんな自分を想像していた。
実際の私は違った。とてもつらかった。
そのとき気づいた。
北千住の彼があのときフッてくれたおかげで
私は彼を苦しめなくて済んだのだ、と。
もし彼が同情で付き合ってくれていたとしたら
私との気持ちの差に苦しむことになっていたはず。
自分の「好き」が受け取ってくれずに泣いていた
過去の私がようやく成仏した瞬間だった。
きっとみんなはこれを学生時代に学ぶのだろう。
私は恋愛経験が乏しいために26歳で学んだ。
それからは、恋愛を休止している。
休止という感覚ではないが、無理矢理探すのをやめた。
無理にする必要はないと思ったからだ。
幸い私には「推し」がいる。
こんな人間にも今日も生きる活力をくれる、
素晴らしい存在だ。
ストレスフリーで心穏やかに好きな人を追いかける。
それがどんなに幸せなことか。
推しは偉大だ。
結論、今日も推しが尊い。