姉妹であり、親友であり、相棒である〜NINIROOMのひと vol.1〜
シリーズ「NINIROOMのひと」、はじめます
わたしにとってnoteは、「相手と築いた関係性の証」みたいな意味もある。その人と対話した証。どんなことを話して、自分が何を感じたのか、忘れたくない気持ちをのせながら、noteを書いている。
2月のあいだNINIROOMでヘルパーとして滞在し、京都ぐらしを終えた今。ふりかえると、たくさんの発見と、心あたたまる日常に満ち満ちた時間だった。そして、その発見は、NINIROOMで出会った人たちと対話して得られたものばかりだった。
ということで、わたしがNINIROOMと築いた関係性の証を、「NINIROOMのひと」と題して記録することにした。
最初に投稿するのは、NINIROOMを立ち上げた西濱姉妹、モネさんとアイノさんとのインタビュー。優しさとユーモアあふれるふたりの雰囲気をなんとか文章上に残したくて、あえて標準語に直さないことにした。関西弁のイントネーションで読んでみると、より温度感が伝わるかも(笑)。
それでは、おちゃめな写真をはさみまして、しれっとはじめます。
コンセプト「友達の部屋」の裏話
ーーーモネさんとアイノさんが考える、「旅」のあり方にすごく共感しました!わたしも、観光地ではなく、その土地に暮らす人の「日常」に触れる旅や、出会った人、会いにいく人の日常に触れる旅がしたいな、と、いつも思います。
私たちとっての「旅」とは、
友達に会いに行き、その友達のなんでもない日常を一緒に楽しむこと。
そこで出会った人、食べた味、見た景色は、いつのまにか"特別"になる。
友達がいるから、あの部屋があるから、ただそれだけで行き先を決める旅。
NINIROOMは、そんな “京都に住む友達の部屋” のように在りたいと思ってます。
(引用:READYFOR クラウドファンディングHP)
モネ:ほんま!よかった。わたしが豊田市で働いていた時は、沖永良部島の友達の実家に行ったこともあるよ。地元の夏祭りに参加したりね。友達の日常って全然知らへん世界やったし、こういう旅が好き。
観光地をめぐる旅は結構やってきたから、日常の小さいことに感動したいなって、今は思う。
それこそコンセプトに落とし込む時、初めは、「先輩の部屋」ってアイディアから始まってん。先輩の部屋って、みんながたむろしてるやん。本棚には先輩が読んでる本があって、それを眺めてみたり。そんなイメージで考えてたんやけど、「先輩の」っていうのは尖りすぎてるから(笑)、「友達の部屋」に落ち着いたんよね。
NINIROOM3周年の時は、部屋ごとにコンセプトを変えた企画もやったよ。近所にある本屋「誠光社」さんに選書してもらった本を置く、「本の部屋」も作ったり。
NINIROOMを始める前のことと、今の繋がり
ーーー本の部屋!面白そうですね。クラウドファンディングのHPに「大きな会社の中で働くことは、やりがいもある一方で、自分自身の役立ちや社会への貢献が見えにくくなる」と書いてあったんですが、働いていた会社でどんなことがあったんですか?
モネ:パナソニックで、住宅設備部門の宣伝企画として働いてた。翌年リリースされる新しいキッチンのプロモーション企画とかね。マスコミに宣伝して、カタログ何百万部も刷って、ショールームつくって。水まわり部門のプロモーション予算2億をどう配分するか考えたり。
もちろん楽しいし、大きいこともできるけど、自分がやってきたことがどう成果になったかが、実感としてわかりにくかった。自分以外の人も大勢関わっているし。
自分がやりたいと言って走り出した大きい企画は、結局丸くなっていくねん。だから、自分が本当にやりたいことじゃないけど、まあいいかって思いながら続けていく感じやったな。
ーーー規模が大きくなっていくからこそ、自分の仕事に対する反応や返ってくるものが見えにくくなったんですかね。
「自分の好きな人と一緒に、好きなことを仕事にし、自分のリズムで社会とつながり続ける、そんな働き方・生き方への挑戦ができるチャンスなのではと思い、会社を辞めることを決意しました。」
(引用:READYFOR クラウドファンディングHP)
ーーーこの言葉も印象的でした。
こんなチャンスがあったら、わたしも掴みたいんです。待ってるだけじゃなくて、自分で動いておけることもあるんだろうなと思いつつ、でも、それが何なのかは、よく分からなくって。
アイノ:今となって思うのは、「点と点は繋がる」ということ。スティーブ・ジョブズが言ってたこと、今になってめちゃくちゃ共感する。
あの時フィンランドにいたこと、あの時設計事務所にいたこと。
チャンスが来ると、点と点が繋がりだすなって思う。
モネ:これだ!って時に掴むかどうかやんね。
アイノ:まずは、その場所で一生懸命やってるうちに、いろんなことが身についたと思う。あれもこれもやったことあるから、怖くないって思えるねん。あの時のおっきい版やなって考えられる。
ーーーなるほど。以前の仕事が今の NINIでの活動に活きていると感じることはありますか?
モネ:前の仕事がなかったら、今の仕事はできなかったと思う!マーケティングのことも、PRやデザインも、つくっていくうちに学ぶことが多かったから。そこで学んだことの一部を、NINIの発信で活かしたりしてる。
アイノ:NINIROOMも、メンバーがもっているスキルベースで動いているよ。
ーーーってことは、その時いるメンバーによって、やることも変わっていくんですか?
アイノ:そう!2020年度は、スタッフができることを集めてプロジェクトをつくっていった。地域活性に関わるPR動画、宿のコンサル、伝統産業のブランディングとか。
今はできることをどんどんやって、将来的にはもっとメタなブランディングとかもできたらいいなと思ってる。
「京都わかくさねっと(少女の居場所づくりに取り組むNPO団体)」さんとの関わりも、NINIROOMのカフェスペースを使ってもらうことからスタートして、今は機関紙を一緒につくったり。NINIROOMという自分たちのことを知ってもらう足がかりがあったことで、将来的なゴールに近づいているかなと思う。
モネ:他の企業の案件もそうだよね。保養所のブランディングの相談を受けたことが始まりで、今は社内のいろんなプロジェクトに関わってる。
チームの持ち味いかしまくりな、NINI
ーーー宿がお休みだった期間も、じつは大忙しだったんですね!
ヘルパーとしてNINIROOMを見てきて、NINIROOMがここまで続けてこられた要因は、宿泊業単体ではなく、他の事業も並行していたからなのかな、と考えていました。モネさんとアイノさんはどうお考えですか?
アイノ:うーん、事業というより気持ち的なところが大きいかも。今いるスタッフと一緒に働いていたいっていう強い気持ちがあったから、プロジェクトを進めていたと思う。宿を閉めてしまってみんなが離れれるよりは、このメンバーで生き残りたい気持ちで動いてたなあ。
モネ:あと、NINIROOMのスタートが、もともと宿を立ち上げたくて始めたんじゃなくて、「2人のスキルを活かして、自分たちの場所をもって、何か面白いことをやろう」っていうモチベーションやから。その時のベストなあり方が宿だったから宿をやっているに過ぎなくて、宿に固執しているわけではないねんな。
アイノ:リアルな話、ここは賃貸やし、最初にお金をかけて改修工事をしてるから、やめられへんのもある(笑)。やめられへんから、宿以外の切り口も考える。そう考えると、チームのみんなはそんなこと関係なく付き合ってくれるから、ありがたいなあ。
ーーーアイノさんが言う「チーム」、つまりNINIのスタッフさんのことなんですけど、みなさんはすごく楽しそうに働いている印象があるんです。しかも、ただ楽しんでるんじゃなくて、自分の持ち味を無理なく発揮しているように見える。本が好きなゆうさんがNINI文庫やシークレットブックをつくったり、包容力ばつぐんのるみさんが受験生応援朝食をつくったり。
こういう組織をつくっていく時に、大切にしていることはありますか?
アイノ:発揮できるようにすることは大切にしていると思う。最初に入ってきてくれた時に、そのことメインで相談したりね。チームに来てくれる人は、「NINIを拠点に、自分のやりたいことをやって欲しい」って言ってる。
ここに入ろうとしてくれる人が、もともとNINIROOMのお客さんやったり、NINIROOMの考えに共感してくれてる人やったりすることも要因やろうね。こうなったのは、クラウドファンディングのHPとかSNSを通じた発信を積み重ねて、自分たちの想いや情報がweb上で蓄積されてきたことが背景にあると思う。
社会に出る人たちへ
ーーー最後に、社会人になる人に向けて、メッセージをいただきたいです!
モネ:ほんまに思ってたことなんやけど、「土日しかほんまに休めへんねや」とか、「毎日、時間に間に合うように行かなあかんねや」ってびっくりしてん!でも働いてみて思ったのは、お金をもらいながら、すごい広い世界を見せてもらえたなってこと。わたしの場合は社会人としてのマナーとかから始まって、ビジネススキルが自分でもわかるくらいぐんぐん身についていったから、めっちゃラッキーって思ってた。大変なこともあるけど、糧になるものをたくさん得られる、飛躍する時期。
ーーー「会社っていう船に乗っていろんな場所に行ける」って考えられますしね!あんまりビビらず!(笑)
モネ:そう、たぶん30歳くらいになった時振り返ってみて、「あの時よかったな」って思えると思う。
アイノ:わたしは、「働かされてる」って気持ちじゃなくて、「自分ごと」にできたら楽しいやろなって思う。今はNINIをやってるから当たり前に「自分ごと」になってるし、チームもそういう人が多いけど、会社に入ると、「与えられた仕事をやらされている」とか、「ほんまにやりたいことなんかな」って考えになりがちやと思う。でも、自分で考え方を工夫して、目の前の作業が誰に役立ってるのか、これをすることで何が変わっていくのかって考えられるようになると、自分の存在感も増すし、仕事に対する想いも変わっていくと思う。
あと、やりたいことがあったら周りの人に日々話すのも大事。そうしたら「あの子、◯◯に興味あるって言ってたよ」って話が広がってくし。
モネ:そうやって、自分がやりたいことに近いプロジェクトが仕事になっていけたらいいね!
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NINIROOMをもっと知りたい方はこちらから
公式Instagram
https://www.instagram.com/hostel_niniroom/
シリーズ「NINIROOMのひと」
https://note.com/karen_r51d/m/mae0ee23580a9
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