消えた時間

3時間。
たった3時間…消えてしまった。
どうして?何が起きたんだ…?

6時には確かに仕事が終わっていた。
オフィスを出て,いつものように家に帰ったはずだ。
でも,時計を見たら…10時だった。
ありえない。
私が家に着くのに3時間もかかるはずがない…。
その間,私は一体どこにいたんだ?

おかしいのはそれだけじゃない。
カバンの中を確認しても,何も変わったものはない。
鍵もあるし,財布もちゃんと入っている。
だから,外にいたわけじゃないんだ…。
この部屋の中にいたんだろう。
でも、何も思い出せない…

これは…?
手帳に書かれているメモ…
『レッドルーム』…?
こんなもの,いつ書いたんだ?
こんな言葉,聞いたこともない…

レッドルーム…。
もしかして…夢を見ていたのか?
でも,こんなリアルなメモを夢で書くなんてありえない…。
何かが私の記憶を奪った…?
いや,そんな馬鹿げたこと…

待て…冷静になれ。
きっと,何か手がかりがあるはずだ。
この部屋のどこかに…
私が失った時間を取り戻すための…。
そうだ,カメラだ。
セキュリティカメラを見れば何か分かるかもしれない

これだ。再生…再生…

…誰かがいる…。
私じゃない…この部屋の中に誰かが…!

この部屋に…誰が…?
どうして…どうしてこんなことに…

思い出さなければ…。
この記憶の断片をつなげて,
真実を…明らかにしなければ…!

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