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千の欠片

冷たい風が吹く冬の街,
凍えた手で拾い上げたのは,
小さなガラスの欠片だった。

割れた窓ガラスの破片が光を浴びて煌めいている。

「千もの欠片になっても,輝くことをやめないんだね」

彼はそう呟きながら,欠片をポケットにしまう。

失くしてしまった夢,失くした人たち。

それでも,
千もの破片の中にひとつでも輝くものがあるのなら

彼はその欠片を探し続けるだろう。

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