2025年2月18日(火)

玄関を開けると生温い空気が流れ込んできた。家を飛び出してからざっと10時間ほどの時が流れているけどまさか…うわあああ。頬を伝う涙が床にポロリとこぼれ落ちたその瞬間、悪魔が部屋に現れた。
｢お主、外で何してたんや…！｣
暖房が擬人化していることはすぐに分かった、お怒り気味の彼の口癖が｢ボオォオ｣だったからだ。
｢ワシを働かせすぎや。さぞかし貴様もちゃんと働いてきたんやろな。素敵な1日を過ごしてきたならワシに今日のこと聞かせてみ。もう少し働いたるからさっさ日記に書きなはれ、ボオォオ｣
電気代がチラつくが、悪魔に優しくされるのはこわいので僕は急いで日記を書き始めることにした。

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2月18日(火)
天気：くもり 気持ち：はれ

バイト帰り、乗り換えのホームにて｢遅れ40分｣と書かれた電光掲示板を見たときはゾッとしたが、次の瞬間、電車が到着した。ついてるわ。これはきっと｢中野行か三鷹行か｣の賭けに6連敗している僕にもたらされたラッキー物語の幕開けだ。ついてなくてもついてるわ、と普段から言っているような奴に運は尽きないだろう。明日からきっとずっと三鷹行、もしくは出世街道まっしぐら。

おそらく百均で購入したであろう弁当袋を抱えるサラリーマンを街で見かけた。大抵そういった袋には｢Have a nice day!｣と書いてある。中にはきっと妻や恋人の手作り弁当が入っていたに違いない。知らない誰かのよい1日を想い、僕はコンビニで缶ビールと唐揚げを買って帰った。そしたら暖房つけっぱなしだったなんて、ほんまについてるとしか言いようがない。

明日の僕等に捧ぐ、Have a nice day!

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あと数時間で消える優しい悪魔と夢の世界へ

2025.02.18

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【2025.02 Playlist】
中村一義『ERA』ばっかり聴いてた。
気持ちがバレてしまう、ワクワクしてる気持ちが…！