EDH《街角の料理人、ロッコ》100枚解説(~ブルームバロウ)
はじめに
レベル6帯を想定した《街角の料理人、ロッコ》デッキを解説します。既に同統率者でいくつかのデッキリストがnoteに公開されていますが、EDHに参入するときに作った思い入れのあるデッキなのでブルームバロウ時点でのデッキリストを備忘録を兼ねてここで公開します。これを読んだ方がロッコを使うようになったり、すでに使っている方でも参考になれば嬉しいです。
統率者紹介
『機械兵団の進軍:決戦の後に』で登場したナヤカラー3マナのジェネラルで、自分の終了ステップに各プレイヤーは衝動ドローできます。ただし食事代として、プレイヤーが追放領域から土地をセットしたり呪文を唱えると食物・トークンと+1カウンターをもらえるのでこれらを活用して勝利を目指します。ジョダーなどのジェネラルの能力や待機、続唱、発見、秘匿etc他プレイヤーの行動でも意外と誘発するので誘発忘れがないよう注意しましょう。+1カウンターやアーティファクトシナジーなどデッキの方向性が多様で、パーティー感ある能力が魅力的なジェネラルだと使っていて思います。
衝動ドローしたカードが使えるのは次のあなたの終了ステップまでなので他プレイヤーのコンボパーツが序盤早々落ちることもあります、そういう時は手柄をアピールできます。また、ロッコが戦場を離れても追放されたカードは使えるのでタダ飯されることもあります。悲しいですね。
食物・トークンを得るのは自分な一方、+1カウンターを乗せるのは他プレイヤーのクリーチャーでも良いので共闘をもちかけたり厄介なクリーチャーになった《幻影の像》を粉砕することもできます。除去の的になりにくいのでゲーム終盤に自身の能力でエルドラージ並みにムキムキになったロッコが爆誕することもままあります。
勝ち筋
いくらジェネラルが育つといっても回避手段を持たないので基本的には横並べと併用した圧殺か無限コンボでの勝利を目指します。EDHをはじめたてのころはBattle帯(レベル5~6程度)に無限コンボを持ち込んでいいのか悩みましたが実際対戦してみるとコンボでも使わないと(自分の周りの環境だと)全く勝てそうになかったので無限コンボは積極的に狙っていきます。具体的な手段は採用カード解説時に紹介します。
デッキリスト
クリーチャー
《歩行バリスタ》
無限マナの注ぎ口。先置きしてロッコで弾を補充できるのも強み。
《エスパーの歩哨》
1, 2ターン目においてロッコで強化できるとずっと仕事できて最高。アーティファクトであることもこのデッキだとなにかとありがたい。
《アヴァシンの巡礼者》
白マナの出るラノエルの亜種。これに限らず2ターン目ロッコを狙える1マナのマナクリは初手に欲しい。
《極楽鳥》
《喜ぶハーフリング》と並んで初手に欲しいカード。+1カウンターを乗せて殴ることもたまにはある。
《喜ぶハーフリング》
コンボパーツに何かと伝説が多いので打ち消されないの一文が沁みる。
《金のガチョウ》
終盤に引いても腐りにくいマナクリ。《アカデミーの整備士》や《森の友、ジャヘイラ》がいると実質0マナな上に1つ目の起動型能力も強化される。
《ラノワールのエルフ》
1マナのマナクリ最後の枠。緑マナしか出ないマナクリをあまり評価していないのでこの系統は1枚だけ。
《サムワイズ・ギャムジー》
《アカデミーの整備士》がいると途端に壊れるクリーチャー。下の能力も回収できる範囲が広いので《毒の濁流》とかで流された後に助かる。
《ヨーティアの造反者》
ロッコが2倍の速度で育つが99枚目枠なので将来入れ替わってるかも。
《凶兆艦隊の向こう見ず》
抜けてたけど最近また試しに入れた枠。相手のチューターをパクったりコンボを仕掛けるターンに《激情の後見》や《偏向はたき》を追放したい。
《宴の打破者》
毎ターンちょっと質のいいルーティングができるトカゲ。追放領域から唱える非生物呪文に召集がつくのもえらい。
《日を浴びる繁殖鱗》
《南小路のロージー・コトン》と2枚コンボで無限に+1カウンターが乗って落とし子・トークンが出てくる。《小走り樫》とは一長一短で、こちらのメリットは軽いことと即座に無色マナが出る点。
《培養ドルイド》
ロッコでカウンターが乗れば3マナ出せるマナクリ。コントロールしている土地の出せるマナしか出ないので注意。
《高閣這い》
《統率の塔》を探せる蛇。到達と接死を持っていて戦場に出た後も仕事してくれる。
《エイヴンの阻むもの》
呪文を計画された状態で追放するエイヴン。計画された呪文はそのターン唱えられず後のターンにソーサリーとして唱えられるので実質的な打消しになる。常在型能力で墓地や追放領域から唱える呪文が2マナ重くなるので《死の国からの脱出》や《食物連鎖》への対策になったりする。
《刈り手、ベイレン》
『ブルームバロウ』でもらった強化パーツ。ばらまいたトークンをこれ1枚でマナとドローに変換できるのでマナコストの割にやってることがすごい。単体でも強いがこれのおかげで無限にトークンを出すコンボから即勝てるようになったのも嬉しい点。
《舞台座一家の料理人、ロッコ》
ニューカペナで出た元祖ロッコ。赤緑白+Xマナでライブラリーの好きな生物を持ってこれる。だいたいX=3で唱えてコンボパーツを持ってくる。
《南小路のロージー・コトン》
トークンが出るたびに他のクリーチャーに+1カウンターを乗せられる。これ+《日を浴びる繁殖鱗》or《小走り樫》で無限コンボ。一応コンボパーツの片割れより後に出した方がスマートだがあんまり気にしない。
《スカイクレイブの亡霊》
万能除去枠。《ドラニスの判事》などのヘイトカードは大体4マナ以下なのでそういったものに触りたいときに《召喚の調べ》などで持ってくる。
《帝国の徴募兵》
パワー2以下のクリーチャーを持ってこれる。サーチできる範囲がこっちの方が優秀なので《護衛募集員》より優先的に入る。
《ブリキ通りの男爵、クレンコ》
上の起動型能力はおまけ。少しややこしいが生成された宝物・トークンから赤マナを出すことで、これ+《ペレグリン・トゥック》+《アカデミーの整備士》で速攻を持った1/1のゴブリンと食物と手掛かり・トークンが無限に出てくる。ほぼこのコンボ専用だが愛着があるのでずっと使っている。
《顔壊しのプロ》
戦闘ダメージを与えたプレイヤー1人につき宝物・トークンを生み出せる。下の能力もロッコとかみ合っているアドバンテージ源。
《不死身、スクイー》
《食物連鎖》コンボのパーツ。《重複の閃光》や《宴の打破者》のコストとしても便利。
《永遠の証人》
《進化の証人》もロッコと相性が良いがすぐに仕事ができてなんでも拾えるこちらを採用。マナが余っているときは《呼応した呼集》でこれを持ってきて2回唱えたり。
《森の友、ジャヘイラ》
《菓子の復讐の夜》、《鼓舞する彫像》と合わせたマナ加速3種の神器の1枚。その中ではこれが最強で出すと一気に10マナくらい増えたりする。トークンの管理がめんどくさいことだけが欠点。
《ペレグリン・トゥック》
《ヌカコーラ自動販売機》との無限コンボで一気に強化された1枚。食物をおまけで出す能力もいろいろなシナジーがあって便利。
《小走り樫》
《南小路のロージー・コトン》との2枚コンボ。《日を浴びる繫殖鱗》と比較すると、出したトークンで殴って勝てる点と《召喚の調べ》との相性がいい点で優っている。特に後者は召喚酔いの欠点を《刈り手、ベイレン》で克服したため意外と無視できない。
《アカデミーの整備士》
このデッキ最強の生物。ロッコとの相性はもちろん《森の友、ジャヘイラ》がいれば3マナ加速だし《サムワイズ・ギャムジー》がいればどんな生物にも豪華なおまけがついてくる。めちゃくちゃ除去が飛んでくるのと《波止場の恐喝者》が弱点。一度《がめつい市長、カンバール》を出されて悶絶したことがある。
《Apothecary White》
『Ravnica: Clue Edition』で登場したロッコのオタクカード。4マナ3/4の警戒持ちで、攻撃したプレイヤー1人につき食物・トークンを出す能力と、白、Tと追加コストでX個の食物・トークンをタップすることで1/1の人間・トークンをX体出す能力を持っている。《ペレグリン・トゥック》とのかみ合いがすさまじく、攻撃のたびに最大6個(ロッコだけに)の食物を出す上に下の能力で倍々ゲームがはじまる。
《動物学者、ベニー・ブラックス》
各終了ステップにそのターントークンを出しているとドローできる。召集を持っていて実質2マナくらいなのでとても優秀。
《水晶の這行器》
同じロッコを使っている方が採用していてあまりに強かったので急いで買った1枚。ロッコの能力が誘発するたびに1マナ増やせるのでインスタントを構えやすくなる。唱えるときの4色目は《風変わりな果樹園》や《真鍮の都》などでがんばって捻出する。
《原初の征服者、エターリ》
全員のライブラリーからガチャする恐竜。《召し上げ》とかをパクりたいがたいていめくれるのはラノエルだったりする。これが出るときは《森の友、ジャヘイラ》とかでマナがあり余っている状況なので裏面での毒殺も積極的に狙いに行く。ロッコが4回も誘発するので他人から出されてもまあまあ嬉しいっちゃ嬉しい。
インスタント
《流刑への道》
ソープロと合わせて入れておきたい万能除去。特に語ることもない強さ。
《剣を鍬に》
ブルームバロウの統率者デッキで出た新規イラストがとってもかわいいけど在庫がない……
《赤霊破》
非青の殴りジェネラルしかいない卓だったりロッコで早々にめくれたりして悶々することも多々あるものの構えるためのマナが少なくて済むので入れておきたい。手札で腐る問題は《宴の打破者》のおかげで多少改善された。
《自然の要求》
厄介な置物に触るために1枚は欲しい枠。《活性の力》と迷っている。
《俗世の教示者》
よく《アカデミーの整備士》を持ってくるために使う。むしろチューターはロッコの能力にスタックで他プレイヤーに撃たれがち。一番つらかったのは《ディレイド・ブラスト・ファイアーボール》を積まれたとき。
《エラダムリーの呼び声》
損しないチューター。本当にただつよ。
《ティボルトの計略》
2マナの打消しにロッコの誘発がついてくる(かもしれない)。重いデッキ相手には内心ヒヤヒヤで撃っている。
《過大な贈り物》
白い《内にいる獣》。象がかわいいのでこっちを使う。
《重複の閃光》
自分のカードだと《僻境への脱出》とかをコピーできると楽しい。ピッチで撃つにはロッコをサクらないといけないことも多々あってちょっと癖がある。かなり読まれにくいので打消し合戦に貢献しやすい。
《召喚の調べ》
緑3マナがやや重いもののインスタントタイミングで戦場に出せるのはこれだけ。落とし子・トークンを召集でタップした後にサクってマナを出すのはできないので注意。
《呼応した呼集》
《南小路のロージー・コトン》+《日を浴びる繫殖鱗》を持ってきがち。素で5マナは重いので《森の友、ジャヘイラ》などでサポートしてやりたい。
ソーサリー
《遥か見》
森以外の基本土地タイプを持つ土地をサーチする。タップインなので諜報ランドを持ってくるために使う。とはいえ将来的に抜けるかも。
《自然の知識》
森・カードをサーチできる。これのために諜報ランドは緑がらみだけ採用。
《三顧の礼》
《自然の知識》の同型。
《緊急時》
コンボパーツが大体伝説なのでこのデッキだと強く使える。困るのは《アカデミーの整備士》がほしいときくらい。
《セヴィンの再利用》
コンボパーツがほとんど3マナなのでコスト制限で困ったことがほぼない。諜報ランドで墓地に落とせると美味しいがそんなことは滅多にない。
《バーラ・ゲドの復活》
2枚目の《永遠の証人》。便利だけどちょっと重いと感じるときもある。
《僻境への脱出》
5枚衝動ドローと土地の追加セット権が得られる。ロッコと《アカデミーの整備士》がいる状況で使うとけっこうこれから勝てたりする。
《歯と爪》
通れば勝つって書いてある。そしてだいたい打ち消される。
エンチャント
《食物連鎖》
これと《不死身、スクイー》で生物限定の無限マナ。ロッコが横にいれば無限に食物と+1カウンターがもらえるので《刈り手、ベイレン》や《ペレグリン・トゥック》、《アカデミーの整備士》とかがいれば勝てる。コンボパーツがそろってないときにロッコで追放されると勝たないのにヘイトが上がって困る。
《アニーの加入》
伝説のクリーチャーの誘発型能力が追加で誘発するようになる。ロッコが毎ターン2枚追放して2個の食物と+1カウンターをばらまくようになる。《南小路のロージー・コトン》との相性も良いが極めつけは《舞台座一家の料理人、ロッコ》との組み合わせ、2枚もサーチできるので可能性は無限大。
《息詰まる徴税》
妨害系の置物は影響を受けない人が走り出すのであんまり好きではないがこれは他プレイヤーの行動を阻害するわけではないので採用。《アカデミーの整備士》がいるとありえんほど嫌われる。
《菓子の復讐の夜》
マナ加速3種の神器の一つ。これは食物・トークンを《Mox Emerald》に変える。食物が並べばフィニッシャーにもなるのが他との差別点。
《似通った生命》
全てのトークンが2倍出る《倍増の季節》の亜種。《アカデミーの整備士》で悪いことするためにある。ただ最近オーバーキル気味なことに気づいたので変更するかもしれない。
アーティファクト
《太陽の指輪》
みんな知ってるド定番カード。ジェネラルが3色3マナなので1マナのマナクリを優先することもある。
《秘儀の印鑑》
3色デッキだし当然入る。
《友なる石》
定番のマナファクト。たまーに合う色が1色しか出ないこともあるがそれでも強い。ここらへん定番カードばかりであまり言うことがない。
《忘却の偶像》
トークンを出すとタップで1枚引けるプチ《動物学者、ベニー・ブラックス》。2ターン目に置いておきたい。
《鼓舞する彫像》
マナ加速3種の神器最後の一つ、非アーティファクト呪文に即席を与える。色マナが出ない点が他2つに劣るが《溜め込み屋のアウフ》や《無のロッド》を出されても仕事ができる。
《イラクサ嚢胞》
装備するとアーティファクトとエンチャントの数だけ修正を得る。《極楽鳥》や《金のガチョウ》につけよう。
《ヌカコーラ自動販売機》
これと《ペレグリン・トゥック》で無限ドローができる。ほぼ《ペレグリン・トゥック》専用だけど《アカデミーの整備士》も2つの能力とかみ合っている。
《千の月の鍛冶場》/《千の兵舎》
戦場に出たときにアーティファクトとクリーチャーの総数のサイズのノームを生成する暴力的な鍛冶場。戦闘前メインフェイズの開始時にアーティファクトとクリーチャーを5つタップすると裏面の土地に変身する。裏面の土地から出たマナでアーティファクトかクリーチャーを唱えると同じノームが出てくるのでこれで殴り勝ったことも。
《内なる太陽、チミル》
自分の呪文が打ち消されなくなる常在型能力を持った終了ステップに発見5をする置物。続唱と違って唱えないなら手札に加わるので損がないのが嬉しい。これ自身は打ち消されるので《喜ぶハーフリング》で安全に出したい。
バトル
《カルドハイムへの侵攻》
手札を追放してその枚数分ドローするバトル。裏面も土地を捨てるたびに衝動ドローすると非常にロッコと相性がいいことが書いてある。裏返したことほとんどないけど。
土地
全部解説するのはめんどくさすぎるので一部だけ。《ジェトミアの庭》と《フォモーリの宝物庫》がないのは買うのを忘れてだらだらと先延ばしにしているだけです。
《記念碑的列石》
モダホラ3の土地サイクルの1枚。4マナとタップでライブラリーの上5枚の中から歴史的なカードを探せる。起動がめちゃくちゃ重いので1回しか使ったことがない。
《苔汁の橋》
緑の秘匿土地。場のパワーの合計が10以上で秘匿達成なのでかなり簡単に条件を満たせる。《原初の征服者、エターリ》を秘匿したい。
抜けていったカードたち
枠の都合やデッキの方向性の変更などによって抜けたカードの一部を紹介。どれも決して弱いわけじゃない。
《復興の領事、ピア・ナラー》
自分が追放領域から土地をプレイするか呪文を唱えると飛行機械が出てくる。また入れるなら衝動ドローするカードをもっと増やしたい。
《異端の法務官、ウラブラスク》
自分はアップキープに衝動ドローを、対戦相手の最初のドローはそのターンまでの衝動ドローに変えてしまう。けっこう強いことが書いてあるがあんまり出したことなかった気がする。もう一度試してみたい。
《プラーグとナサーリ》
アップキープに全員のライブラリーから呪文を追放して、他プレイヤーが選んだ1枚以外の中から2枚を唱えられる。本当に唱えたいものは選ばせてくれない。
《原初の嵐、エターリ》
攻撃するたびに各プレイヤーのライブラリートップを追放して唱えられるエターリ。土地がめくれる分最低保証がついていないのが玉に瑕。この手の能力を持っている中で一番強いエターリだけが今のデッキに残った。
《姥の仮面》
全員のドローがそのターンしか使えない衝動ドローに置換される。青からゴリゴリに打消しが飛んできて絶対に置かせてくれない。《ドラニスの判事》との友情コンボで死んだこともある。
《戦利品の山分け》
全員のライブラリーのトップを山分けするヤバエンチャント。さすがにロッコで恩恵を受けるどころじゃなかった。
《吹き荒れる潜在能力》
手札から唱えた呪文がライブラリーの同じタイプの呪文に変わってしまうカオスな置物。出ると全員が必死に自分のデッキリストを思い出そうとする。
《ならず者の道》
ロッコで殴り勝つために入れてみた土地。出すと除去を吸うという新たな課題が生まれてしまった。
おわりに
以上がブルームバロウまでの《街角の料理人、ロッコ》のデッキリストでした。この記事を書き終わるころにはもう『ダスクモーン:戦慄の館』のプレリがはじまってしまっていたので既に入れ替わったカードがちらほら…… エンチャントや墓地がテーマのセットなのでロッコ的にはあまり収穫がありませんでしたが《間の悪い故障》なんかは試してみたいですね。
最後にここまで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。