アムテルダム発フュージョン『kotokid』にJフュージョンの香りを感じる
2記事目はジャズフュージョンのアルバムを。
アムステルダムのベーシスト、プロデューサーのFreek Mulderによるプロジェクトkotokidが2024年春にリリースしたデビューアルバム『Fridge』が大変素晴らしかったので紹介する。
1曲目の出だしの80sフュージョン感満載のシンセ音にまず持っていかれる。
40代の筆者にとっては古くささすら感じるが、これが今、流行りの音でもあるのだ。
全体的には静謐なジャズフュージョンアルバムなのだが、3曲目から鳴り始めるギターソロなどは、再評価され始めた高中正義の80年代アルバムなどを感じさせる。
ジャケットに描かれているトキや、メロディなどにも、どこか日本を感じさせるところも特徴だろう。
しかし全体ビート構成は、生ドラムとエレクトロニカなビートが混じり合った構成になっており、これもまさにダンスミュージック的なアプローチがされているといえる。80sJフュージョンと現代的なサウンドが非常に良くマッチしているアルバムだ。
シティポップや、Jフュージョン再評価の波のなかで、オランダからこういったサウンドが出てくるのが面白い。残念ながらインタビュー記事を発見することができず、彼のパーソナルを探ることはできなかったが、要注目アーティストだろう。古いフュージョンLPをディグりまくっている人にも聴いて欲しいと思う。
ところでオランダといえば『ノースシー・ジャズフェスティバル』など、国際的にもジャズで有名な国だが、個人的に『Super-Sonic jazz』という若き現代ジャズアーティストが集まるレーベルを最近良く聴いている。
このレーベルのコンピレーションが素晴らしく、こちらも非常にオススメだ。ダンスミュージックとの融合されたジャズサウンドは、サウスロンドンの『Rhythm Section International』にも通じているといえるだろう。
ロンドンジャズシーンだけでなく、オランダも面白い。
ヨーロッパのジャズシーンから今目が離せない。