簿記2級1ヶ月合格チャレンジ -簿っ記簿記にしてやんよ編
時は少しだけ遡る。社会人2年目の終わりである2021年3月中頃から始めた試験勉強を終え、いよいよ4月18日の応用技術者試験受験日。午後の選択問題を最低限の4分野しか勉強せず臨んだ。選んだ問題がまさかの例年より難化し、他の問題で挽回出来ずにあえなく撃沈。その半年前もDB試験に落ちてるため、合格癖の流れを作ろうと思い、そして兼ねてより、覚えては忘れを延々と繰り返した財務諸表を読めるようになりたく、今回は簿記2級にチャレンジした。
本記事は簿記2級の受験体験記を綴ったものである。
対象読者は、
1.簿記2級受けようとしている人全般(勿論、3級受験の人もウェルカム!)
2.簿記2級受験に3級の勉強が必要かどうか気になる人
3.自分の時間に融通が利く社会人
を想定している。
長めの記事なので、《目次》から気になるところだけピックアップするのもありです。
何回か更新したり、今後もさらに更新したりするかもしれません。
◇簿記2級ってどのくらいの期間で合格できる?
ということでまずはどのくらいの期間で合格できるかの調査から。
YouTubeの勉強ログ、vlogでは2ヶ月で合格してるのをよく見かける。会計士やTOEICなどの勉強、加えて動画編集と併行しておおよそ2ヶ月程度であった。さらにホームページの各種情報での参考書を進めるペースからは、1ヶ月で合格出来そうな気がしてきた。
そこで、今回の簿記2級1ヶ月合格チャレンジが始まったのである。
◇スタート時の簿記関連の知識
財務諸表の読み方についてはこれまでに『「1秒!」で財務諸表を読む方法―仕事に使える会計知識が身につく本』、『MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣』などの本を3冊くらいと先輩にもらったファイルを読んできた。しかし、読んでは忘れの繰り返しでいつまで経っても一向に覚えられない。また、大学時代の会計の授業では理解できずに丸暗記だけで乗り切るほどであった。用語に関しては、「減価償却」などは分かるが、「のれん」という用語が支配した会社への期待感と言われてもいまいちピンときてないという程度に、会計用語を詳しくは分かってない状況からのスタートである。
◇参考書選びについて(7/9-一文追記)
使用した参考書について紹介する。
これまたネットで受験体験記を調べたものであり、新出となる情報はない。やはりみんなが使って合格しているため、教材のクオリティは合格できるほどに担保されてるので安心であった。全部で5冊使用した。
1冊目:①『はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!』
まずはこの本から!
簿記のイメージ作りのための1冊目はこれ。他の方も言われてる通り、この本をやってよかったのは、「勘定科目表」と「仕分けのルール」をイメージすることでこの後の勉強の理解が大きく進むことであった。仕分けのルールはこの本だけでなくホームページにも記載されているが、それを探す手間や簿記の大枠を理解するためにもこの本を買った方が結果的に早いと思われる。
後ほど触れるが3級の参考書は飛ばしても、この1冊目は飛ばさない方がよいと言われているが本当にそうである。
(7/9追記)
今後、米国公認会計士(USCPA)取得を考えているなら、この本に書かれている概念が、BASEボックスと対応しているので、この本を欠かさない方がよろしいです。
(7/9追記.終)
◇シリーズもの参考書について
2冊目の紹介に入る前に、配慮した方がよい点について述べる。
この後は3級、2級商業篇、2級工業編、過去問類というように、参考書をシリーズもので勉強を進めていく受験者が大半であろう。
3級と2級の参考書選びだが、大きくは『スッキリ』と『パブロフ』のどちらかのシリーズがメジャーどころである。結論的には、本屋で読んでみてそれぞれ各自に合った方で決めれば問題ない。自分の場合は『スッキリ』シリーズにした。
理由は、
・1冊の全ページ数が他書より少ない
・1ページ当たりの記述量が少ないと感じたこと
・記述が少なくとも理解するには十分であること
といったことが挙げられる。ちなみに『スッキリ』シリーズと同じ著者の別参考書『簿記の教科書』『簿記の問題集』シリーズもあり、そちらの方が詳しく書かれてる感じであったが、先と同じ理由に加え、カラフルな色使いで逆に見づらかったことより『スッキリ』シリーズとした。
また、2級の参考書は3級のそれを読んだ前提で書かれてると言えなくもないのがシリーズ本の、読み続けてきたものにとっては良い面であり、3級と2級で別々の著者の本を使う者にとっては悪い面でもある。(簿記3級飛ばせるかでまた述べます。)
ちなみに本の匂いがよかったのも理由の一つである。
2冊目:②『スッキリわかる 日商簿記3級』
3冊目:③『スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記』
4冊目:④『スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記』
5冊目:⑤『スッキリうかる 日商簿記2級 本試験予想問題集 2021年度』
最後に過去問演習にはこれ。この後に別途、過去問演習を入れなかったのはこの5冊目が過去問からも掲載されていることや、試験範囲も各分野バランスよく配分してあると考えたためである。そして、1カ月で合格となるとみっちり過去問を解くというのは個人的には時間が厳しい。
おまけ:『ブックカバー(ジュンク堂)』
ジュンク堂で本を購入したときに無料で貰える紙のカバーをおすすめする。
理由は以下の通り
1.持ちやすさ
紙が分厚くて滑りづらい材質。背表紙を持った時にクシャッと広がらない、これ大事。
2.メモ用紙として有用
カバーのデザインがツーポイントのため、余白が多い。紙の色も明るいため、書いた文字が見づらいということがない。それゆえ、いざという時に計算などのためにメモ用紙となる。昔、新数学演習という大学受験用の問題集をやってた時に計算用紙がなくなり、本からカバーを剥がして使い出したのがきっかけ。
◇各参考書の使用期間とワンポイントメモ
4/19〜4/20 ①『はじめての人の簿記入門塾―まずはこの本から!』
応用技術者試験直後に筋トレ、その日の夜に使用参考書を調べて、翌日の仕事帰りに買って帰った。すぐに読み終わり、簿記の考え方の根幹を担ってくれる必読の1冊目。これはぜったいに読むべき。先に述べたがネットでも同様の知識は手に入るが、買った方が早いし、簿記の大枠を順序よく掴める。
4/21〜4/23 ②『スッキリわかる 日商簿記3級』
問題編はやらず、本編を一読するのみ。全て通勤時間帯を使って3日で読み終えた。この本の利用目的は、3級2級問わず簿記そのものに慣れる・未知のものに対する拒否感を取り除くこと、かつ、簿記の大枠を掴むことである。
4/24〜4/27 ③『スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記』
商業編から始める。工業簿記もちらっと読んだがイメージがつかみづらかったため、まずは3級からの接続で抵抗なく読めた商業簿記から始めた。問題編は飛ばして、全体感を把握するために本編を一読した。
4/28〜4/30 ④『スッキリわかる 日商簿記2級 工業簿記』
続いて工業簿記を一読。同じく問題編は飛ばす。ページ数的には商業簿記編と比べると一読のペースが遅くなり、熱く燃えていたやる気も鎮まってここからだらけ始める。
この時点で試験を受験して合格するかと言われたら私には無理である。知識も定着しておらず、問題がどのように出題されるかも知らないゆえ。人によってはここで一回受験してみるのもありといえばあり。
5/1〜5/6 ③の問題編1周目
いよいよ商業簿記の問題編。「問題を読む→該当箇所の本編を読む→問題を解く」という方法で進めた。実質的に本編の2周目も兼ねている。
GW真っ只中だが世間は5連休、自分は3連休のため時間をふんだんに使えるわけではないが、まとめて取り組むにはGood! 序盤の仕分けはさくさく進むが、中盤以降の精算表辺りからは1問が重くて時間がかかった。この段階でも内容は理解しているが、まだ覚えきれていないものが多い。
5/7〜5/10 ④の問題編1周目
商業編の問題数よりも少ないのに、商業編より1日少ないだけの使用期間であるため、また怠け始めていた。
5/11〜5/18 ④問題編2週目 & ⑤問題集の工業簿記編
この期間は筋トレの調子がよかったこともあり、いつもより重量を上げて取り組んでいた。そのため、疲労で勉強に身が入らないこともあった。試験を本来は週末で終えようとしたが、暗記も済んでないので試験日の変更を行った。メンタル的にも、一分野でも試験で得点できる状況に持っていきたかったのもあり、5/7〜5/10期間の工業簿記問題編1周目後に商業簿記でなく工業簿記2週目にすぐ取り掛かり、⑤の問題集の工業編に取り組んだ。
5/19〜5/25 ③商業簿記編問題編2周目 & ⑤問題集の商業簿記編
(ここの期間は試験直前でありながらもだらけてたので、きっちり期間を記録してなかった。読者のみんな、すまん。)
試験ラストスパートといえど、相変わらず問題を読んだらまずはスマホをいじるようなだらけた状況で取り組んでいた。そのため、商業簿記の最後に配置された章の問題である製造業とのコラボ問題は③⑤にそれぞれ1題とはいえ取り組まなかった。本来はやるべきであるが、だらけすぎていたのでまあ出題されんやろと思いほったらかす。とはいえ、それ以外のところは躓いた問題の復習も行ったため、仕分けの暗記は怪しかったが、⑤の問題集では分からなくて手が止まるという解法が思いつかないということはなかったので、ギリ70点に乗るかどうかの仕上がり具合で試験に臨んだ。
◇簿記3級は受けないけど、勉強はすべき?
webサイトとかで調べても、勉強した方がいいか?との疑問にはしたほうがいい、とよく見かけたがその理由はよく分からなかった。
自分で実際に勉強してよかった点は
・簿記の全体像・大枠を掴めたことで、2級の参考書を進める際に理解が及ばなくて躓くということがなかった
・3級を経由してもそこまで時間のロスにならない
である。
1点目としては、3級ではそもそも簿記ってなに?というところから勉強していくが、2級の場合だと、使用参考書③『スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記』では始めから株式会社に関する事項を学ぶこととなり、人によっては簿記の全体像が見えにくく、大枠を把握できていないストレスを抱えたまましばらくは勉強が続くいかもしれない。そのため簿記3級で簿記自体の全体像を理解することが、2級を勉強する上で実際は効率良くなるであろう。
2点目として、ホームページ上に参考書の使用ペースを載せてくれている方もおり、そこから簿記3級の勉強時間も数日で済むことや、簿記2級のテキストを自分で読んだ感じ的に3級の理解があるほうが、先ほど述べたように2級の勉強が捗りそうだったので、私の場合は3級から始めることにした。
3級を勉強するかどうかの判断基準の1つとして、2級の参考書選び次第ではしたほうがいい、ということも上記2点と併せて考えた方がよい。先にも述べたが、2級の参考書を読むにあたっては2級3級の参考書が同じ著者の場合には、2級3級の共通知識は2級参考書では省略されていることがある。
例としては、小切手の振替が当座預金で仕分けされるなど、3級の参考書では説明があるものが(とはいえそこまで詳しくはない)、2級の参考書では説明なく使われてる知識もあり、その部分でいちいち立ち止まることになりかねないので、ストレスフリーで2級が勉強できたのも3級を勉強したおかげである。記憶が不確かなのだが、確か商品有高帳も2級では説明なく使われていたような気がする。この辺りは理解して覚えるというよりも、そういうものだと割り切って覚えられるのであれば3級を飛ばして2級から始めるのもよい。
ちなみに簿記3級の合格までの勉強期間は、ネットや書店で話していたお客の会話からの情報だと1〜2週間のようである。後述するが、個人的に思う簿記2級の勉強期間は2ヶ月がおすすめのため、2級と3級どちらが必要なのか目標を定めないと、3級取得で十分なのに欲を出して2級の勉強をして無駄な時間を過ごしかねない。何級を取得するかは自分の目的に沿って決めてほしい。
◇実際に参考書を使った後の所感
1.基本的には読み進めていく分には、分からなくて詰まるところもなく、合格するための情報量も問題はなかった。
ただ、スッキリの使いにくい点は索引の用語数が少ないこと、宣伝部分が本誌の最後にあるので索引を見るには本の後ろから少し遡る手間があること、切り離し冊子もあるので分冊合わせた一冊まるごとの一番後ろが索引でないことが合わさって索引を使いづらくしていることがあげられる。
それゆえ索引に載ってなければ、索引より記載用語数が多い目次から探さなくてはならないので、個人的には宣伝部分をなくして本の後ろすぐに索引は置いてほしいものである。
2.やっぱり3級から勉強した方が2級の理解が捗った。
再三述べてきた通りである。例えば精算表について、1つの勘定科目の中でも複数欄に記入するときに出どころが同じものは同じ行に書く、などは細かく2級の参考書で説明されてるわけではないので慣れが必要である。そして3級の方では勘定科目まとめてではなく、各項目ごとに説明されてるため理解が捗り、3級から勉強する意義はあった。
◇簿記が勉強できるアプリ(6/7追記)
パブロフの仕分け練習ができるアプリについて。
無料と有料がある。無料版を少し使ってみた。
仕分けの問題について、「勘定科目」と「金額」を借方貸方に入力して正解を目指すアプリである。
難易度については、仕分けを全然覚えていないためほぼ不正解になり難しかった。当然覚えるべきものを覚えてないからである。答えを見た後はそこまで難易度は高くない内容であった。
入力操作については、勘定科目をプルダウンから選択して、金額をスマホのキーボードから入力する。
スマホさえあれば隙間時間を活用して勉強できるため、自身の勉強スタイルと合致して取り入れられるのであれば使うのもよいのではなかろうか。こちらも次章のYouTube同様に今後の合格体験記に期待である。
ちなみに自分はアプリを勉強に取り入れなかった。
1つ目の理由は、自分の勉強のスタイルに合わなかったからである。自分の場合、仕分けは頭の中だけでやるか、書く場合にも勘定科目は頭文字だけしか書かないことから、アプリへの入力がメモ用紙に書くよりも時間がかかることで勉強スピードが落ちることがストレスであった。
もう1つの理由としては、アプリの使い方が自分の場合、知識習得用にしか使い道がなかったからである。仕分けの知識を覚え切ってないので、このアプリの問題を解き、答えを見て仕分けを暗記することになるのだが、そうなると参考書とアプリの2つに取り組まなくてはならず、1ヶ月で合格するにはその2つに取り組む時間はなかったので、アプリを勉強に取り入れなかった。
使わないと決めたのでこちらはそれほど気にしてなかったが、試験範囲を網羅するのに有料課金をしなくてはいけないのか不明だったこと、そして、合格体験記にアプリの話題があまり見られず、アプリを必須教材にする必要はないと判断したこともこのアプリを使わなかった理由である。(応用技術者試験のアプリは有料のものを買いました。)
余談だが、勉強時間があってこう改良されたら使っていたであろうという仕分けアプリのUIとして、操作スピードを早くするためにプルダウンや数値入力ではなく、あらかじめ画面にいくつか勘定科目と金額を正解不正解の択を表示して、それをスライドさせて解答欄に載っけるのであればいいなとは思った。目的としては仕分けをしっかり覚えた後の問題演習用なのでサクサク終わらせたいのでスピードが命なのである。ただし、本番の試験形式の仕様ではなくなるため、試験慣れという面はなくなるが、そこまで形式に慣れる意義はないので勉強時間を優先させたいところ。
◇今後有益になるかもしれない勉強ツール⇒YouTube
詳しく見たことないので分からないが、使えるものがあれば使って見るのも手だなとは思った。ただし使えるかどうか、つまり合格するに足るクオリティを有するかどうかを判断できる情報は参考書に比べるとまだ少ないと思うので、試して使えなかったと時間を無駄にするのであれば、情報が溢れている参考書の方がいいだろう。今後の受験記に期待したいところである。
◇簿記試験の難しさはこの2点
簿記試験の難しさは次の2点である。
①一問あたりの得点配分が高く、一問落とすだけで致命傷につながりやすいこと ― 仕訳ダイジ、ゼッタイ
②先に答えた数値で次の答えが出せるため、始めのうちに間違えてしまうと雪崩式に得点を失いやすいこと(多少のケアはされてる)
まずは①について、100点満点の試験で得点配分が一問あたり非常に大きいことが厄介である。特に第1問の仕分けについて見ると、5問で20点分である。仮に仕分けで2問分しか正解しないとここで8点しか取れず、12点落とすことになる。残り80点の枠で最低でも62点取らなくてはいけないので62点/80点=77.5%の正解率を出さなくてはいけない。
仕分けが苦手な人もいるだろうがここをしっかりしておかないと試験で点を取れない、さらに言えば、そもそも簿記は仕分けから入るために試験全体への影響が大きいので、覚えることはしっかりと覚えるべきである。
では、なにをどこまで覚えるかが重要であるが、自分の場合は参考書に書かれていることのみを理解して覚えることにした。2級合格を確実にするに当たりどの程度まで覚えるべきかが見当が付かず、また、勉強時間が限られているため、参考書以外にも手を出すと際限がなくなるからである。
続いて、②の雪崩式で点を失うことについては、商業簿記の貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動書で数字を順に埋めていくときに前出の数字を使って算出されるために発生する。
なので、序盤で間違えるとその数字を使って算出したものはまちがえていることになる。ただし、それにより全滅しないように配点してくれるものもあるため少なからず情けはある。
ただ、この雪崩式の得点配分を与えている第2問、第3問では、試験戦略上◯◯点取るという目標を立ててもよいが、正直なところ解くごとにばらつきが多いのではないかと思っている。そのため、参考書にも頻出している売掛金の修正仕訳による計算漏れを注意するなど、ここは苦手でもしっかりと勉強しておくべきである。
◇試験本番の出題について
ここから試験本番について述べていく。
具体的な問題内容までは言わないが大枠の出題内容はこちらであった。
第1問 仕分け5問
第2問 株主資本等変動計算書
第3問 損益計算書
第4問 (1)仕分け3問
(2)総合原価計算
第5問 CVP分析
◇試験本番戦略
試験前に想定した大まかな解く順は以下の通り。
第1問→(第5問か第4問(1)→第4問(2))→第2問→第3問
解く順番の選定理由は、勉強してた時に時間のかからないものからこうしたこと、及び、やっぱ試験は第1問から解くっしょ!というマイルールによる。
◇いざ試験本番実況中継&合否結果!
いざ、運命の90分がスタート。まずは全体の出題確認から。なんだかんだで問題文の文字数と経験値的に制限時間は気にしなくてよさそうかなあと思う(というかこれまで時間を測った試験練習をしてない。理由はめんどくさかったから。なんなら⑤の参考書での過去問演習では大問ごとに解きながら解答を読んでいくスタイルだったので大問1題当たり1.5時間かかっていた)。
そして第1問の仕分けから始める。
んー、第1問1問目から分からん。という感じでうねりながら第1問が終わったのが残り78分ほどだったはず。
そして得点の稼ぎ頭である工業簿記へ。
第4問か第5問の選択では簡単そうな第5問から。
第5問は詰まるところもなくあっさり完答。
第4問(1)の仕分けは結局苦手のままで正解してるかがあやしい。最低限3問中2問は正解してほしいと思いつつ次へ。
第4問(2)についてはそのまま問題集通りだったが、解き方が確かこうだよなと思って計算し始めたが、何度やっても無限小数が出てきてしまう。完答したいところなのでめっちゃ焦る。しかし、ここを完答しないと合格はない!と思ったので時間をかけてでも完答を目指す。とはいえ、解決策のうち取れる選択肢は二つのうち残り一つなので、そちらで試したところ無限小数にならずしっかり割り切れた数字が出たのでこれで合ってるはずと思い一安心。
そして簿記2級のメインである商業簿記で最も厄介なところへ突入。
残り時間も確か35分切っていたので少し焦る。
想定通りならば第2問からだが、ちょっと問題文がややこしそう、かつ、第3問の方が見慣れた内容だったのでまずは第3問から。ここは計上忘れを毎回意識してきたので注意しながら解き進める。退職給付引当金と退職給付費用にも気をつけてなんとか解き切る。検算している時間はないため、計算ミスしていないかはお祈り状態。
そして残すは第2問。残り時間はギリギリで15分は切ってたはず。大問1題当たりにかけられる時間は平均18分(90分/5題)なので、出題内容の配点的に完答は目指さず刻み刻みで点を積み重ねるようにしていった。序盤1/3の所で躓き、雪崩式にごっそり点を落とす恐怖に駆られ出す。まじでここは焦った。焦りから時間を失ったが、とりあえず先に進もうという考えにようやく至った。その後は問題なかったが、やはりこの躓きが解消しないと点が入らないのではと思いまた焦りだす。時間が迫っていたため数値を埋めてかないとそもそも点は入らないので埋められるところは埋めていった。しかし、残り2分ほどで合計の部分を一部間違えていたことに気づき、大慌てで直していったがキーボード入力と暗算が苦手なので間に合わないところもありつつ試験終了。
採点を待ってる間はまあギリ行けたやろとは思いつつも緊張感が走っていた。
そして、「合格」が表示され、点数を確認すると80点であった。内訳は次の通り。
工業簿記の第4問第5問は40/40の満点でここで点数を稼げたおかげだった。商業簿記は案の定、仕分けがギリギリ及第点で、他の問題の出来次第ではかなりまずいところであった。
そして、やっと勉強が終わったという解放感の喜びもあるが、勉強が1ヶ月ちょいで済んだこと、さらに、落ちた時にまた1週間ほど追加で勉強しなくて済むことで余分な徒労感を味わわなくてよいことへの安堵感の方が大きかった。
◇試験後から見る、次受けるとすればの試験本番得点対策
後日談として今振り返ると、第1問は12/20点とやはり出来がよくなかった。第1問の目標点数は、配点が大きいので4/5問は正解しておきたいと個人的に思う。理由は「◇簿記試験の難しさは2点」で述べた通り。
第2問は10/20点と、解ききれてない、かつ、計算ミス(、かつ、題意把握ミスもあるかも)が影響したが、その割に点が入っていたので他の出来がよかったため及第点であった。
第3問は1つ間違えで済んだと思いつつも、この2点ロスが計算ミスならば、雪崩式の配点ではほんのわずかでも稼いでおかないといけないため、18点まで取れてるのに非常にもったいないものである。※1
※1.先に述べたが簿記の試験点数の特徴は一問あたりの配点が大きいこと、雪崩式に点を失いやすいこと(多少は配慮されてはいるが)である。そのため、各大問でそれぞれこれだけ得点していくといった戦略が、得点の取れ幅の大きさからあてに出来なかったので、特に第2問、第3問はとにかく正解を出せるかどうかが重要であると思う。特に第2問、第3問は◯◯点取ろう!とする戦略は、試験中に何点取れているかの把握が困難なため個人的にはお勧めしない。完答せずにここでは何点取れてるだろうから次の問題であと何点というのは難しいのではないだろうか(ただし試験対策に2か月以上かけてきたならできるかもしれない)。とにかく、第2問、第3問は解けるかどうかのうち、解けるようにしておかないと大幅な失点で合格が遠のくであろう。※1.終
第4問(1)は苦手の仕分けもラッキーなことに満点だった。2/3問が最低限ほしいところ。第1問の仕分けと合わせると、配点の大きさから6/8問が最低ラインではないだろうか。
第4問(2)と第5問は案の定、満点をであった。ここは日頃から満点、かつ、短時間(1題当たりの平均回答時間の18分を大きく切れるほど)で終えられるようにしておきたい。ただし注意事項としては、第142回の第4問の操業度差異のような、使用した参考書・問題集で対処できないもの(※2)が出題されても他の問題でカバーできるよう、日頃の勉強で試験範囲全分野に抜け漏れを出さないようしておきたい。
※2.この問題は⑤の問題集でも扱われており、試験本番で初見でも正解を出せなくはないが、時間をこの問題にかけるべきではないだろう。もし正解を目指してこの問題をの解答を推測するなら、まずは計上してない差異を①計上する②計上しないのどちらになるか。②ならそれで終わり。①ならどの差異で計上するか(といっても持ちうる知識からでなら3個あるうちの残り2つ。未知の知識ならば別の差異の計上)となるだろう。このように考えられなくもないが、試験中に根拠を持って正解と言えないものに時間をかけるより、他の問題にさっさと取り組んだ方がよいだろう。しかし困ったことに、そうしたほうがよいのではあるが、そうとも言い切れない面もある。この試験の合格基準は合格最低点を超えることが合格基準であり(しかも7割と高めで1問当たりの配点も大きい)、受験者の内上位何割かを合格とするという合格基準でない。そのため、みんな間違えれば事実上合格点はその分下がるので後者の合格基準では間違えてよくとも、前者の合格基準では間違えると合格から遠のくといったところが受験生泣かせである。※2終
◇1ヶ月チャレンジの結果を振り返って
結果は1ヶ月1週間であった。生来の怠け癖のせいで1週間余計にかかったが1回で合格したのでよし。
簿記2級は結局のところ、どのくらいの期間で合格するように期間設定するかであるが、家族サービスのための時間がほぼない、かつ、自分の時間に融通が効く、といった社会人にターゲットを絞って考えると2ヶ月とするのがよい。2ヶ月であれば趣味などの活動量を大きく減らさず、ストレスも溜めずに勉強していける程よい期間であると今回のチャレンジから感覚的に思った。
ちなみに最短では、あくまで個人的な意見なのだが、減価償却などの財務諸表の用語に関する知識がもともとあり、さらに有休や祝日を活用すれば最短で3週間を切ることも可能だろう。
逆に、最長でも2ヶ月を越す場合の期間設定はお勧めしない。というのも時間に融通が効くなら短期集中でやったほうが、暗記効率やモチベーションの低下を招かずに済むと考えられるからである(あくまで上記の社会人を想定しており、家事などで忙しい人は2ヶ月以上の期間設定で上手く取り組んで下さい。)
では1ヶ月はどうか、であるが自分の自由時間を全て勉強に当てられ、さらにモチベーションを維持し続けられれば割と合格は余裕である。ただ、こちらは自分の生活を削る可能性が高いため、最短合格記録を狙うなどの目標がない限りはおすすめしない。
自分の場合は筋トレ以外の時間を勉強に充てたつもりであった。前述の応用技術者試験直後は落ちた反動で簿記に取組はじめたときのモチベーションが高く、テキストの一週目は割と短期間で終わらせられた。しかしその後は、生来の怠惰さが顔を出して、問題を解くにも、問題文を読んだらスマホをいじる、そして問題を解き出すということを問題に当たる度にしていたので勉強効率はかなり悪かった。さらに試験が迫るにつれ、睡眠時間を削り、筋トレも試験直前は少しだけメニューを減らしたため、試験直後にした筋トレでは扱える重量もベンチプレスは5kg減っていた。一方で、筋トレ後の翌日などは疲労で勉強しない日もあったりして、怠惰さと相まってとにかく悪循環に陥り、試験日を1週間後ろ倒しにした。このようなことが1ヶ月1週間という「1週間分」余計に時間がかかった理由である。
とはいえいつもなら取り組み出すまでに時間がかかっていたので、それが今回は終盤に来ただけのこととも言える。
ここで合格のための戦略として、一旦勉強に目途が付いたら試験を受けてみるの手である。これは落ちてもすぐ受験し直せるというオンライン試験ならではの恩恵である。受験費用が5,000円弱とそこまで高額ではないため、予定よりも1週間早く合格できたとなればその勉強時間分が5,000円で浮くことは有意義ではなかろうか。落ちたらもちろん費用が嵩むので自分のお財布事情と相談してほしい。加えて、オンライン試験はリアル試験との都合で休止期間があるため、こちらも注意してほしい。
◇まとめ
最後に1ヶ月で簿記2級は受かるのか?であるが、
・時間があり、かつ、時間に融通が利く社会人で、とにかく時間を勉強に充てさえすれば可能である
・とはいうものの、趣味などの自分の時間と両立したいならば2ヶ月にするべし
・連休、祝日をうまく活用して効率を高めよう
とまとめることとする。
これから勉強しようという人は、7月の連休とお盆休みを活用するよう計画すれば、8月末までには合格できるものと思われる。(2021年6月上旬時点)
今回、勉強時間を日数単位で測ったが、時間単位でなかったため、合格まで○○時間と言えず、これを期待された読者には応えられず申し訳ない。
◇簿記1級の教材について&簿っ記簿記にされそう編(6/8追記)
この後簿記1級を目指す人もいるだろう。簿記1級は独学だとかなり情報が少なくなり、あっても情報が古かったりする。ネット情報だととにかく資格学校通った人の情報の方が多い感じであった。とはいえスクールに通うのはお金がない、かつ、めんどくさいのでいつも通り自分の場合は独学となる。
ということで、簿記1級の教材を見てきた。そもそも簿記1級を受けるのかどうかだが、一旦教材を進めてみてから決めることにした。進捗次第では11月の試験を受けることにする。
まず取り組むことにした教材は『スッキリ』シリーズの工業簿記の3巻である。理由はページ数が少なく、1番おもしろそうな内容だったから。そのほかの教材を見たが、本のサイズやレイアウトの中でスッキリシリーズが一番しっくり来た。まず長期間で取り組み続けることに飽きないようにするために見たい・読みたいと思う本にした。ただ内容については、スッキリシリーズは本の後ろを見ると2013年との記載で改定されてなさそうなため、試験範囲を網羅できているか、法律の改正などに対応しているかの不安はある。試験範囲を重視したい場合は他書の方が発行年は若いので、簿記1級の場合も自分に合ったものを選ぶとよいであろう。そして、パッと見た感じでしかないが、簿記1級の内容については、工業編は高校数学の線形計画法などもあるため、大学受験参考書で言えば「青チャート」の例題とされている問題レベルができないと数学面で多少時間がかかるだろう。なので、繰り返しになるが簿記1級は情報が少ない、かつ、勉強期間が長い、かつ、高校数学の知識がないと少し時間がかかるので、受験の目的ははっきりさせた方がよい。
ちなみに簿記1級のスッキリシリーズは商業、工業合わせて8冊あり、参考書内の問題数は合わせて300題。しかも1問辺りが2級の時よりもとにかく重い。商業簿記は本が分厚いので商業簿記から始めると遅々として勉強が進んでいる気がしなく、モチベーションが下がることも考えられるので、何ヶ月計画で合格するかも重要になってくる。
◇あとがき
YouTubeの勉強log、vlogと言われるものを自分も今回やってみようと思った。しかしながら動画の大半は自分の寝てる姿しか映らないので敢えなく断念した。というのも、勉強のスタイルは人それぞれだが、自分は寝転びながら勉強するスタイルで、机に向かう時は数式とか図を書く際にペンを持つ必要がある時だけである。本にもペンでマーキングはしない。読者も自分の勉強スタイルで勉強を効率化させてほしい。
仕事もpcを使う時は同じく寝転びながらやった方が効率がよいこともあるため、このような労働環境を作り上げるようにしていきたい。
今後、筋トレや勉強などの記事を書く予定ですので、よろしければTwitterのフォロー(@karasutotengu)をお願いします。
質問等ありましたら、Twitterの方から頂けましたら気が向いたときに返信するとかしないとか。
以上、お読みいただきありがとうございました。
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