意志・激つよ時代
読みもの「意志・激つよ時代」
あれはたしか。
娘がまだ未就園児だから
3歳の頃か。
*
近所のコンビニまで歩いて
果汁グミ(みかん味)
を買いに行った。
西松屋で買った
一番小さいサイズのカッパも
まだまだ大きくて
両そでを意味不明なくらい
ぐるんぐるん折り曲げていた。
今じゃ
ダークカラー一択の
夏のクロックスも
当時はラブリーなデザインを欲しがって
お店をはしごして探したりしたっけな。
*
君はその頃
意志が猛烈に強くって
それは猛烈に強くって
「こうと決めたらこう」を
愉快なほど貫いていた。
お母さんに丸め込まれる
なんてことは
幼児どころか
赤ちゃんの頃から嫌がった。
そして
柴崎コウみたいなでっかい目で
じっと見つめてくるので
凄みすらあった。
*
その日
果汁グミを握りしめた君は
自宅にはまだ戻らず
雨の中の散歩を続行すると
顔で表現していた。
何も言わず
黙々と歩く君の後ろを
私はついていった。
*
あれから数年(※綾小路きみまろ調で)
集団生活の影響か
そして心境の変化か
君は
大半の場面で
大いに空気を読みまくり
無駄な冒険をしない子になった。
はるか遠い、娘の
「意志・激つよ時代」
まるで何かの幻だったかのよう。
*
時々
親にだけは
くそ生意気なことを言い
同時に甘えたりゴネたり
まるで
仕事中のキーボードの上に
敢えて乗る猫のような
状態になったりする。
*
それでいいんだよ。
それでいいんだよ。
p.s
もう少ししたら
思春期が来たりして
もういっちょ暴れっか、みたいに
なるのかしら。
どんどん来なさい
ho-ho-ho。(※サンタさん調で)
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