月補正なeye
夜が来るのも早くなった。
ぽっかりと浮かんだ満月が
コンビニの看板の向こう側で
明るく光っている。
まんまるに見えるから
あれは多分、満月。
思わず
カバンからスマホを取り出し、
この見事なまんまるのまんまを
写真に残せんものか
試みてみた。
カメラで天体の類を写すのは
いつだって難しい。
自分の目で見るより
はるかに小さくなってしまうからだ。
いやいや、
今宵の月はそんなんじゃねぇ。
どう見たって、もっとどーんと
でっかいでしょう?
???
だけどカメラは
自分が写しうる空の広がりに対しての
月の大きさをそのまま映し出す。
うん。だよね。
カメラのほうが多分正確だ。
人間の目は
見たいものだけをクローズアップして
こうも
どどんと補正して見てしまうのか。
月補正なeye。
月は
コンビニの看板に負けない程明るく
それでいて
ほんのりクリーム色を
にじませている。
ああ、まるであれは
ふっくら、ぽってりとした
萩の月のよう。
萩の月!!
萩の月。
たべたいなぁ。
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