文庫の行数と行内文字数
文庫を作るにあたって行数、行内文字数は悩ましい問題だ。あまり詰まっていると読みにくいし、逆に文字が大きく行間も広いと幼稚な印象を与えかねない。昨今、以前よりはフォントサイズも大きく、ゆったりした文字組みがトレンドだと言われているが(実際、新潮文庫は9.25ptを採用している)、実際行数や行内文字数、文庫自体のサイズも「およそA6」というかんじで各社ばらばら。
本来であれば余白やQ数も記載できればよいのだが、正確な数値を出すのがむずかしいので割愛する。手元にあるものをざっと計測してみたがサンプルに古いものがあるので随時アップデートしたい。
朝日文庫
17行 39文字
105mmx148mm
ファニー・クラドック『シャーロック・ホームズ家の料理読本』2024年3月30日第1刷発行
朝日文庫
16行 39文字
105mmx148mm
中村祥二『調香師の手帖』2008年12月30日第1刷発行
岩波現代文庫
16行 39文字
105mmx148mm
井波律子『中国名詩集』2018年3月16日第1刷発行
角川文庫
16行 38文字
105mmx149mm
松岡圭祐『ecriture 新人作家・杉浦李奈の推論』令和3年10月25日初版発行
角川文庫
18行 40文字
106mmx149mm
いとうせいこう・みうらじゅん『見仏記』平成13年10月30日再版発行
河出文庫
18行 39文字
104mmx149mm
保坂和志『カフカ式練習帳』2015年6月20日初版発行
河出文庫 BUNGEI Collection
15行 39文字
105mmx149mm
蓮實重彦『陥没地帯』1995年2月3日初版発行
幻冬舎文庫
15行 41文字
100mmx150mm
三谷幸喜『オンリー・ミー 私だけを』平成9年5月16日4刷発行
講談社文庫
16行 38文字
104mmx148mm
保坂和志『未明の闘争(上)』2016年2月13日第1刷発行
光文社文庫
16行 40文字
105mmx153mm
三浦しをん『舟を編む』2015年3月20日第1刷発行
集英社文庫 1
18行 40文字
105mmx152mm
恩田陸『ねじの回転』2006年6月6日第4刷
集英社文庫 2
17行 39文字
105mmx152mm
池澤夏樹『パレオマニア』2008年8月25日第1刷
新潮文庫
16行 38文字
106mmx151mm
恩田陸『小説以外』平成20年6月1日第1刷発行
星海社文庫
17行 40文字
105mmx148mm
坂本真綾『from everywhere.』2013年7月10日第1刷発行
創元SF文庫
15行 40文字
105mmx148mm
J. G. バラード『殺す』2011年8月26日初版
創元推理文庫
18行 42文字
105mmx148mm
G. K. チェスタトン『ブラウン神父の不信』新版 2017年5月26日 初版
知恵の森文庫
16行 40文字
105mmx152mm
小林路子『きのこの迷宮』2006年9月15日初版1刷発行
ちくま文庫
17行 41文字
104mmx148mm
ミシェル・ウエルベック『素粒子』2006年1月10日第1刷発行
ちくま学芸文庫
17行 39文字
104mmx147mm
柳宗民『柳宗民の雑草ノオト 2』2009年3月10日第1刷発行
中公文庫
16行 40文字
105mmx151mm
小川洋子『人質の朗読会』2014年2月25日初版発行
ハヤカワ文庫
18行 41文字
105mmx157mm
皆川博子『開かせていただき光栄です』2013年9月15日発行
ハヤカワepi文庫
17行 40文字
105mmx157mm
ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』2007年10月15日5刷
文春文庫
18行 39文字
106mmx152mm
三浦しをん『まほろ駅前多田便利軒』2014年9月5日第28刷
参考
X/Twitterのみなさんの文庫本設定
https://togetter.com/li/725256