短歌25首「少女戦士としての春」(U25短歌選手権 予選通過作品)
精霊がつよく額に降ってきて悪を倒せとわめく昼なか
ハイウェイに立ち尽くしたる怪人が花冷えに目を閉じている 今
選ばれてビルの向こうをたゆたえば少女戦士としての春来る
単語帳カフェテラスにてひらくとき数値化できないこもれびを受く
ミスのない簡単な語で書くべきで英作文は主張を見ない(らしい)
うたかたの終点として合格はあって分厚い制服を着る
特別は虹の速度で当然に溶け込んでゆき鳩が飛び立つ
戦いはワンクールでは閉じなくてフリルの裾の焦げあとに凪
草木はなべて受動態