「測定初心者を3ヶ月で育てる手順」
今回は眼鏡業界に初めて入って、
知識ゼロの人を想定とした測定マスターまで3ヶ月のカリキュラムを解説します。
この動画を最後まで見ることで、最短で測定初心者を測定マスターに成長させることができます。
測定マスターへの手順として
項目は大きく分けて6つあります。
・眼鏡についての基本知識を伝える
・明視域の概念を伝える
・近視、遠視、乱視、老視の法則を伝える
・聞き取る力と質問する力を伝える
・眼鏡の「慣れ」と「測定データ」のバランスを伝える
・クロージング を伝える
前半の3つは主に座学で
後半の3つはコミュニケーションに関して解説します。
他にも測定機の使い方などあるでしょうが、そちらはそれぞれの違いがあると思いますので割愛します。
・眼鏡についての基本知識を伝える
まずは眼鏡について近視、遠視、乱視、老視についてそれぞれの特性などを知ってもらいます。
詳しくは僕が書いた他のnoteを読んでいただければ、ある程度の知識を得ることができるのでそちらを見ていただければと思います。
ひとまずこれで一般の人以上の知識が得られるので、質問をされた時に答えることができます。
・明視域の概念を伝える
いきなりですけど、まず明視域から教えてください。
眼鏡はどこからどこまでを見やすいように度数設定をし、それ以外の範囲は「目の調節力を使って見る」という概念を知ってもらいましょう。
細かい数値の出し方などはひとまず置いておいて、ざっくりとした明視域の計算方法を知り、会話の受け答えに使えるくらいでOKです。
最低限知っておいてほしい公式などはこちらの表を覚えてもらいましょう。
・近視、遠視、乱視、老視の法則を伝える
処方にはそれぞれの特性に合わせて「どのくらい数値を入れればいいのか?」という目安があります。
例えば乱視の数値は軸度に合わせてどのくらい入れるのが良いのか?を知ってもらいましょう。
乱視の法則についてはこちらの動画を参考にしてください。
また老視についても年齢別加入度数の目安がありますので、そちらも別動画での解説を見てもらってください。
・聞き取る力と質問する力を伝える
ここからは仮枠装用で実際にどのくらいの度数が適切なのか?についてです。
一般的には最高矯正値を装用しますが、お客さんにはそれぞれ「何が見えにくいのか?」という「主訴」が存在します。
ここをきちんと深掘りし、明確な「主訴」とお客さん本人ですら気づいていない「副訴」を見つけるための「聞く力」と「質問する力」が大切となります。
「問診」について、どのように聞けばいいのか?そのための質問の仕方などは別動画で解説していますので、そちらを参考にしてください。
・眼鏡の「慣れ」と「測定データ」のバランスを伝える
眼鏡処方は、今まで使用してきた「慣れ」があることと「測定した最新データ」のバランスを取ることを考えなければ必ず失敗します。
最新データが必ずしも「今の主訴」を全て解決できるものではないからです。
例えば主訴に対して「最新のデータ」を入れることでほとんどの悩みは解決すると思います。
しかし、果たしてそれが「かけることが出来る眼鏡か?」とは別の話だからです。
眼鏡には長年使用してきた「慣れ」に依存するので、最新データと主訴が正しくマッチしても「つらくてかけることができない」という現象が起こります。
例えるならダイエットなどで「こうなりたい」という理想に対して
「ではこのトレーニングをこなしてください」と実際にこなすことが出来ないメニューを強いるようなものだからですね。
このお客さんの主訴に対して「本当に望んでいるのか?」
「実際その希望を叶えるには、このような変化が起きますが、がんばれますか?」
という説明と実際に体験してもらう必要があります。
ここでもう一度お客さんと「主訴」について再確認をし、本当の「主訴」を擦り合わせていきます。
・クロージング を伝える
お客さん本人ですら気づいていない「副訴」を見つけ出し、主訴に沿って眼鏡の使い分けなどを提案していきます。
眼鏡には見える範囲の限界、設計の限界があることをわかりやすく伝えなければいけません。
例えばこの表のように明視域をお客さんにもわかるようにジェスチャーなどで説明し
「なるほど、じゃあ今回はここを見やすくする眼鏡を作りたい」とお客さん自身で眼鏡の使い方を理解してもらうことが理想です。
そのためにどのようなクロージング をすれば良いのか?
どんなセリフでまとめれば伝わりやすいのか?を別動画にまとめていますので、
そちらも参考にしてもらえれば伝わりやすく時間もスムーズな測定力が身についてきます。
ベテランでも測定に時間がかかりすぎることがありますが、ほとんどはムダに長い説明や、わかりにくいクロージング が原因です。
なるべく専門用語は使わず、お客さんがわかりそうな言葉を選びジェスチャーなどを交えて伝える方法が効果的な伝え方です。
今回の動画をまとめると、
最短、最速で高精度な測定を行うには、眼鏡の最低限必要な知識を知り、
お客さんの主訴を明確にする「聞く力」「質問する力」
測定データをどのくらい入れれば良いのかを判断する法則の知識、
「慣れ」を考慮しながら「測定データ」とのバランスを取って「主訴」の再確認することが大切です。
僕のYouTubeにある「再生リスト」順に動画を見てもらうだけでもある程度測定は出来るようになると思いますが、
「なぜそうなるのか?」という細かなニュアンスは実際にお客さんの声を体験し失敗しなければわからないと思います。
失敗してしまった後にもう一度それぞれの動画を見直すことで、知識は定着し次は失敗しにくくなっていくでしょう。
測定初心者からマスターまで3ヶ月は決して難しいとは思いません。
しかし、教える側の細かなフィードバックは必ず必要ですので、ベテランさんは細かなケアを大切にしてあげてくださいね。
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