「細かいことは僕気にしないので、トラガラも気にしなくていいよ」ベローン。
「血統書をつけられるけどどうする?」と私の母の友人の獣医さんに尋ねられ、私も家族も「いやいらないけど」と断ったことがあります。
あれは、最初の猫が亡くなった後のことでした。
次に迎えた子は、母の友人に何も注文つけておらず、ブリーダーさんのところで売れ残っていた子とご縁がありました。
生まれつき涙線がちょっとだけ細めだから、片目が涙目になることがあり、商品にならないらしいのです。
事情を聞いて、是非その子をとお願いしました。
これが、世界最小の猫シンガプーラとの出会いです。
🐾
先代の猫は、小さい種族では無かったから、今度の子はどんな子かなと思ったら、めっちゃ筋肉質の子でした。感触がお餅で、しなやかというより、ニュルン、つるんという感じです。人であるなら、ストレッチやヨガが向いてそう。
スピードも瞬発力も素晴らしいし、顎も丈夫で噛まれると万力のように痛いのです。
だから「遊ぼうよ」と甘噛みされると、ものすごく痛いため、乱暴な遊びは私が担当になりました。
「トラガラは、元気な遊びも大丈夫! えい!」と頭突きする感じです。
検索していただくと、アーモンドアイで似た感じの子たちが出てきます。
「世界最小じゃなかったの?」という点もあります。お腹に少しだけお肉がつき、小型の猫としては大きく成長したので、十分存在感あります。
🐾
前の猫はアビシニアンのお父さんとスコティッシュフォールドのお母さんの子どもなので、アビシニアンの血を引いてるから遊ぶの好きですが、性格が複雑な子なので一人の時間も必要でした。生後45日で我が家に来たから、母猫と一緒にいた時間も短いですね。
「今は一人でいたいから放っておいて」
「放っておいて欲しいけど家族の気配は欲しい」
複雑なのです。機嫌悪くしたりもします。
今度の2番目の猫は、そして私にとって最後の猫は、行動が犬と似ています。呼ぶと来るんです。
猫なのに呼んだら来るよと驚いて呼ぶと、「なになになに遊ぶ?」と軽やかに飛んで来るわけです。
呼ばなくても「何して遊ぼうか」「今目が合ったよね」と来ます。
人間大好きなのです。「遊ぶとね、楽しいんだよ!」みたいな感じで。
🐾
やがて、僕は別世帯で一人暮らしを始めたから、この子は実家で家族と暮らしました。
帰省すると、「最近見なかったねー、どこ行ってたの?」と、猫なりにお帰りと歓迎してくれます。
僕が体調悪かったりするので、「何して遊ぼうか?」攻撃に、「ごめん挨拶に来たんだよ」と伝えると、「そうなの?」と、「元気ないんだったらね、鼻の頭舐めてあげる! さっきお尻舐めたベロだけど、鼻の頭を舐めると元気になるんだよ」
ベロンザリザリ。
気持ちは嬉しいけど、お尻舐めたベロは許して。
ザリザリ。
別に元気になりはしませんが、猫の愛情表現なので、ありがたく受け取りました。
猫と人間とは、顔の構造が異なりますが、「鼻の頭」を識別するのが不思議です。
そんな、あんまり色んなことを気にしない猫、でも、賢い子だから多くのことは理解できるものの、その出力は眩しいほど真っ直ぐな子でした。
涙腺の関係でお母さん猫と一緒にいた時間が長いのが関係するのか、自己肯定感が揺るぎなくて、とにかくまっすぐ。かつ気にしない。
シンガプーラ自体の個性や傾向もありそうですね。