木暮正夫先生の思い出と、私の学び
20代の僕は、児童文学やファンタジーが好きで、でも公募ガイドで応募しても結果出せない、そんな若者でした。
僕は視覚的な描写が苦手で、抽象的な思考がデフォルトです。それは、結果でない。
その頃、たまたま公募ガイドで、木暮正夫先生がコーナーをお持ちになっていたから、そこに応募したことがきっかけで、一年間、通信添削を受けました。筆まめな方で、一筆箋のさりげない手書きのお便りが、何より嬉しかったです。
「童話は定年してからも執筆できるから働いておいで」と背中を押されて、EC黎明期のコールーセンターへ行きました。
夢破れて挫折しました。けど、師匠の知恵は深かった。例えばマニュアル化が追いつかない現場に配属されて、帰納法的にパターンで整理することを提案するなど、同じ「書く」こと「読む」ことでも、別の業界が向いていました。
また、先生の教えを一言にするなら「子どもはお説教を嫌う」だと思います。ここを師匠に叩き込まれているから、そうしたニュアンスでの発言は、自戒して生きてきました。
私は何者でもないけれど、仮に私の表現に良い点が1mmでもあるなら、それは師に恵まれた幸運です。
努力は結果に繋がらないかもしれない。それでも努力してみると先生や環境に恵まれることもあります。それに、何もせずに人生を過ごすのは、個人的な自分との約束の観点で苦しいから、出来る時に出来ることを行なっています。
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