今夜も夜が更けてきましたね。
刻は踊る
ひらひら、くるくる
月明かりのエスコート
星屑を観客に、自然の歓声が響く
滑稽に不規則で、いい加減に情熱的で
面白くて美しい
祈るように、叫ぶように、嘆くように
刻は舞う
取り留めのない自由な踊りは、いつしか瞳を集め
刻のように皆が踊る
その踊りはこうだろうか
いやいや、踊りはこうあるべきだ
古参は新参に講釈を垂れ、こうあるべきだと説教する
作法を、韻を、礼を、想いを
自由であることを自由なく
平等であれと
それが使命と信じてやまず
ある日、刻は踊らなくなった
窮屈、窮屈、次は詩でも詠もうかと
刻の踊らぬ刻の踊りは、毎夜続くがひとは減る
観客が消え、歓声が止み
全てが落ち着くころに、やがて誰もがいなくなる
そして誰もがこう言った
その詩はこうだろうか
いやいや、詩はこうあるべきだ
踊り踊って、歌い歌う
明日もいい日になりますように。
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