唯一の考え
夜の暗闇に瞳を閉じれば、
後に残るのは意識だけ。
瞳の暗闇に意識を閉じれば、
後に残るのは思考だけ。
常に私を包む多くの情報が閉ざされ、
闇が全てを塗りつぶし、
小さな頭の中を、全てを空白にする。
空っぽの場所でひとつだけ、
残った思いを思考する。
全ての場所を、
そのひとつだけで埋め尽くし、
小さな頭の容量で、
大きなことを考える。
小さな部屋に思考を散らかして、
思う存分、思考する。
深く、深く追求し、
大きく、大きく広げては、
小さく、小さくまとめてく。
どこまでも続く暗闇に、
どこまでもなお沈んでく。
その中で持った唯一を、
大切に。
たった一つに対しても、
結論が出ることは無いけれど、
暗闇に極めた唯一が、
あとに僅かに残りますように、と。