トライガン及びトライガン・マキシマム時系列に沿ったあらすじ

ネタバレ前提につき注意。ヴァッシュとナイブズを中心として書いてます。








遠い未来の地球から旅立った移民船団の中で彼らは生まれた。
作られたフラスコの中で、万物を生産しながら
意思を持たぬまま生涯を終えるとされた生体ユニット『プラント』。
無数に並んだそれらの一つに、双子の赤ん坊がある時産み落とされた。
二人はナイブズとヴァッシュと名付けられ、自分たちが人類ではない事を知らされながら
レムという女性に育てられ、人間たちの良き隣人になれるか期待と不安を抱いていた。

だが、封印されていた自分たちより以前の人型自律プラント・テスラの存在と、
彼女を実験体として扱った人類の記録とその顛末。
……検体として保管されたその遺体を見つけた時、彼らの歩む道は分かたれた。

人類という種族を見限ったナイブズは、移民先の惑星に降り立つ直前に
船団のプログラムを書き換え、二千万人を墜落死させる『大墜落』を引き起こした。

憎しみと葛藤の末に、レムからの愛情を受け取ったヴァッシュは、
1人でも大勢の人類を生かそうと最後まで抗った彼女の姿を心に刻み、
ナイブズの手を振り払って、生き残った人類と寄り添いながら生きる事を決めた。

150年の時間の中で二人は何度も交錯した。
「ヤツらに救う価値など無い」プラントに縋りながら生き延びる、愚かしい人類を時に鏖殺しながら翻意を促すナイブズ。
「人は変われる、ラブ&ピースだ」そう呟きながら、幾度も傷つき寿命を減らしながらも、人に救われながら人を救うヴァッシュ。

ヴァッシュの持つプラントの力を暴走させる事で、ジュライという街を滅ぼしても、
同じようにまた街一つを消させようとしてヴァッシュが抗い、月に大きな穴が空いても、
二人の立場は変わらなかった。

ナイブズは弟の心を折る為に、愚か者共の中から集めた12の銃弾を差し向けながら、
惑星中の同胞=プラントを結集し、全ての人類を滅ぼす為に動き出す。

ヴァッシュは人々が生きるこの惑星を守り、兄を止める為に
12の銃弾と向き合いながら、今日も変わらず荒野を歩む。

これは、人類に相反する感情を抱いた人ではない兄弟と、
彼らが愛し憎んだ、荒野の惑星で生きる人々の物語である。

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