舞台 TXT vol.2「IDアイディー」を観劇したけど意味不明だと嘆く人が多すぎるので分かる範囲で解説してみる。
1.TXT vol.2「IDアイディー」とは
本文で取り上げる.TXT vol.2「IDアイディー」とは、『仮面ライダー』シリーズの脚本家高橋悠也氏と「東映」が手を組んて上演された舞台である。
公式サイト https://www.txt-theater.jp/
筆者は最近崎山つばささんのファンになったので彼に釣られて配信を観劇した。しかし観劇した人間の感想を読むとわからん、のオンパレードである。確かにわかりにくい。筆者も公式サイトのイントロダクションを読んでも何もわからなかった。加えて若手イケメン俳優が中心の舞台ゆえ解説する人も少ない。ならば私が理解できた限りで「ID」の設定と必要な知識を書いておこうと思った。これを読んで少しでも理解できる人が増えれば幸いである。
2.「ID」の設定
■「ID」とは何か
本作で取り上げるIDの意味は以下の通りである
Identification
個体識別、利用者識別、およびそのための符号。アカウント。
Intelligent Design
ある知性によって生命や宇宙のシステムが設計されたとする思想。
(公式サイトより引用)
このIntelligent Designのでシステム設計をする「知性」が本作を理解する上で大変重要になるので覚えておいてほしい。
■プルチックの感情の輪
事前予習としてプルチックの感情の輪が必須。公式サイトで何も説明ないけど絶対にいる。この8つの感情と色で委員会メンバーとアバターが構成されているからだ。ちなみに作中では「感情の輪」としか表現されない。「プルチック」は銃の名前として登場する。
プルチックの感情の輪|人間の感情は色で分類すると関連性がわかる? - Web活用術。
https://swingroot.com/plutchik-emotion/
■登場人物
生徒会長/ジョー役 崎山つばさ 黄 喜び
学級委員/アンジ役 松田 凌 赤 怒り
広報委員/テラ役 井上小百合 緑 恐怖
図書委員/サッド役 萩谷慧悟 青 悲しみ
保健委員/ビリー役 小野塚勇人 黄緑 信頼
美化委員/ホープ役 砂川脩弥 橙 期待
風紀委員/ワンダ役 黒川一樹/勝亦利恵 水色 驚き
教授/ヘイト役 鈴木蘭々 紫 嫌悪
本作では全員が一人二役を演じている。役名の前者が委員会での役割(というか呼び名)、後者がアバター名である。そして各メンバーには前述のプルチックの輪に基づいた色が設定されている。全員同じ制服を着ているが腕章などのカラーリングが違うのは公式サイトや下記の記事を見てもらえればわかるのでは。
【舞台写真10枚追加】崎山つばさ主演、TXT vol.2「ID」が本日開幕!高橋悠也作の実験的な“サイエンス・ノンフィクション”、松田凌・井上小百合・萩谷慧悟(7ORDER)・小野塚勇人・砂川脩弥・鈴木蘭々も登場の囲み会見をレポート | スマートボーイズ https://sumabo.jp/128734
そしてラストの「喜び」「怒り」はアバターでの役割である。多分ここが理解できていないとさっぱりわからないと思う。筆者は事前に登場人物メモを用意していたのでそこに書き足す形で対応したけど、それがなかったらパニック起こしてたかも。
■委員会、アバターとは
委員会とは「知性」である。序盤では委員会メンバーは「知性」としか表現されない。彼らの正体は物語の核心になってしまうのでここでは書かないことにする。
アバターとは、仮想空間を生きる人間(のようなもの)で、8つの感情を入れる入れ物のようなものである。性別や見た目は自由に設定できて、本編では美形男性のトップレベルのデザインにされた。アバターの正体も物語の核心なので言えない。
3.筆者の感想
筆者は特撮に一切興味はないがアニメ好きであるため、人体改造や仮想空間の話に馴染みがあったので面白く鑑賞できた。表立っては言えないが配信とアーカイブで2回見て「そういうことかあああああ」というシーンが何度もあったのでできれば2回見てほしい。そして役者さんの演じ分けにも注目してほしい。崎山つばささんは生徒会長の傲慢マッドサイエンティストぶりと、ジョーの常に笑顔でいる落差、鈴木蘭々さんのキュートでコミカルな教授とヘイトのクールでバッドな雰囲気の差はさすがとしか言いようがなかった。