2018ベネルクス鉄道の旅 #4 ベルギー国鉄(SNCB)で、大移動
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https://note.mu/karanda_videos/n/n01e4cf58ffab
マーストリヒトからリエージュに戻ってきて、ここから今度はインターシティで、北西部の街、ブルージュ(ブルッヘ)を目指します。
カッコ内はオランダ語、ブルージュはもうオランダ語地域に入るので、併記してみました。
リエージュからブルージュまでは約2時間。ベルギー王国の国土は、日本の九州ぐらいとのことですが、それでも九州の端から端まで2時間で行けてしまうのは、なかなか凄いです。
リエージュ駅。明るくなってからのリエージュ駅は本当に美しいですね。
リエージュ~ブルージュ間はSNCB(ベルギー国鉄)の本線ともいえる路線で、約30分に1本のインターシティが結んでおり、ヨーロッパ鉄道時刻表でも最初のページに掲載されている、重要路線となります。
この線の始発は東のユーペン(Eupen)駅、この駅はフランス語でもオランダ語でもなく、ドイツ語地域に属するそうなのですが、そこからフランス語地域のリエージュを通り、ブリュッセルは二か国語地域(すなわち、駅での案内から街の看板まで、すべて二か国語で記載されているのです)
ブリュージュはオランダ語地域と、様々な言語圏をぶち抜いて走るのが、このインターシティなのです。
そのため、車内放送や社内の案内も、フランス語、オランダ語と様々に変化していき、かつ各言語圏で車掌さんも入れ替わっているようで、国内列車ながら国際列車のような雰囲気をもっている。
そんな列車なのでした。
↑1日目の夜に乗った時の車内案内。たぶん、ドイツ語ですね
【Liège-Guillemins】13:04 →【Brugge】15:10(IC 535列車 Oostende行)
ユーレイルパス利用なので、当然に1等車乗車。12両編成?の長大編成に、1等車が3両で、食堂車こそないものの、貫禄十分です。
↑客車列車ながら、結構なスピードで、飛ばす飛ばす。意外と騒々しいです。
車掌さんが検察に来ましたので、ユーレイルパスを見せて、チェックをしてもらいます。
ここで、ユーレイルパスの使い方。ユーレイスパス(フレキシータープ)は、まず券の本体に、利用日を手書きで記入します。
次に、パスカバーと呼ばれる写真の紙に、利用区間を記載。
券の本体とパスカバーはホチキス止めされていますが、絶対に切り離してはいけません。車掌さんは検札時に、まず本体の利用日を確認、次にパスカバーの利用区間を確認し、問題なければ、パスカバーのほうに検印を押してくれます。写真の右端にある数字の羅列が、検印。
(その日の最初の利用時には、本体のほうの利用日にも検印)
仮に利用日の記入を忘れていり、パスカバーの記載を忘れていたら、無賃乗車になるようです。
パスカバーの駅名欄は圧倒的に足りません、私は駅名の途中(かけるところまで)を記載して、問題なく検札されましたが、正しくはどう使うのがよいのでしょうか…。わかればいいんでしょうけどw
また、本来は検札時にパスポートを見せるようにと指示があります(パスポート番号が券面に記載されています)が、これも、一度も求められませんでした。
検札が終わって、暇になったのか、車掌さん(私と同い年ぐらいの、お兄さん)が戻ってきて、向かいの席に突然着席w
「Where are you from?」と聞かれたので「Japan!」と答えまして、そこからしばらく雑談をしていました。
彼は、日本が羨ましいという話をしていて、
過去に何度か日本を旅行しているそうなのですが(すごいね)、日本は、どこの地域に行っても、絶対に日本語が通じると。
だから、ベルギーよりも広い国なのに、分裂しない。
ベルギーは、言葉が通じないという理由で、南北がいがみ合っていて、Very terrible(とてもひどい)
言葉が通じれば、もっとThink together(わかりあえる?)のにな~と、そういうようなことを話していました。
これは後で調べたのですが、ベルギー国内でも南北を別の国にすべきという論争があるようで、豊かな北部フランデレン地域が、貧しい南部ワロン地域を切り離そう、という運動もしているそうなのです。
日本ではそんな話、聞いたことなかったです(池上彰あたりがテレビで解説してたりするのかな?)
ちなみに車掌さんは、英語、フラマン(オランダ)語、ワロン(フランス)語、さらにドイツ語、日本語(←これは冗談でした、スシーとオイシイイーだけw)と、(日本語はカウントせず)4言語話せるそうで、車掌になるために「かなり努力した」とのことでした。
もしかしたらベルギー国鉄の車掌さんって、超優秀じゃないとなれないのかな。
出身はワロン地域らしく、本当はワロン語で話をしたいとのこと。
ワロン地域で生まれた人間は、貧乏から脱出するために、相当努力しなければならないこと。とくに英語、オランダ語が話せなければ、ワロン地域以外では職にも就けないこと。
色々な話を聞かせていただきました。
最後に、Why you don't speak your language?と冗談っぽく言われましたが、これは、なぜ日本語を話さないのか?というよりも、日本語を誇りに思いなさいと、そういう意味だと解釈しましたが
たぶん、間違ってないと思います。
『ベネルクス国境の旅』というテーマ、当然最初はオランダやルクセンブルクという、「目に見える国境」を越えることがテーマでしたが、
この車掌さんと話してから、ベルギー国内や、その他の国の中にある“見えざる国境”にも目を向けていきたいなと、そう思ったのでした。
↑その車掌さんのアナウンスです。たぶんオランダ語
ところでこれは、余談なのですが…
私の見た範囲では、ヨーロッパの客車列車には「車掌室」というものはないようで、仕事が終わった車掌さんは(主として1等席に)どかっと腰掛けて、お客さんと雑談していたり、のんびりジュースを飲んで休憩していたりするのが通常のようです。
アナウンスも、手元のマイクから直接音声を飛ばしているような感じでした。
車掌さん関係でもう一つかくと、先の旅行記で、ヨーロッパには改札がないことを書きましたが、これがやっぱり問題なようで
1等車の車内にも、切符を持ってない人、本当は2等車に乗らないといけない人などが、結構いたりします。
車掌さんは必ず検札に来ますから、その都度小競り合いになってたり、言い争いをしていたり。
マーストリヒトからリエージュに帰る電車では、女性の車掌さんが泣いていた、なんてこともありまして。
なかなか大変なお仕事なんだなぁ…と。
さてさて、車掌さんとの思い出を乗せて、列車は順調にブリュッセルを目指します。
ICはおおむね30分に1本程度の停車、リエージュ-<30分>-ルーベン-<30分>-ブリュッセル北、中央、南-<30分>ゲント-<30分>-ブリュージュと、だいたいこんな感じでしょうか。
ルーベンから先はさらに線形が良くなり、複々線、かつ内側2線はほぼ通過線のような扱いになっているようです。
ブリュッセルが近づくと、車窓には広大なヤードが現れます。何やら古そうな機関車も停車していましたよ。
こういう景色、鉄ちゃんにはたまらないのです。
↑こちらには古そうな電車やら、ブルートレインのような客車やら。
たぶん、使われていないのでしょうね~
ブリュッセル近郊のの線路配置は面白くて、南東から北西に抜ける列車もいったん市街地をぐる~っとまわり、北駅、中央駅、南駅と連続停車して、南駅からまたぐる~っとまわって北西に抜けるという構造。
北駅は駅前に国連の機関があったりするビジネス街(でも治安悪い)、
中央駅は観光地区に一番近いメインの駅、
南駅は、イギリスからのユーロスターやフランスからのタリースが停車する、SNCB最大のターミナル(でも治安悪い)と
それぞれが大きな駅なので、乗客の利便を考えてこのように回って停車するようにしているんですね。
スカールベーク駅
ここはブリュッセルで最初に鉄道が開通した駅とのことで、駅内に「トレインワールド」という博物館もあるそうなのですが、今回は寄りません。
北駅が近づくと近代的なビル街に。
北駅です。ちょっとアンティークな雰囲気ですな。
南駅が近づくと、ビルの上に見たことのあるキャラクターが。
南駅は4年前の旅行時にちらっと見ているので、そちらを参照してくださいな。ここも一国の主要駅にしてはなんか寂れた感じの駅でした(人はたくさんいましたが)
(南駅の記事 →https://blog.goo.ne.jp/morikawa_city/e/31cff5df5764965696aa8560914f7360)
南駅でしばらく停車ののち、ICは北北西に向けて走り出します。
ブリュッセル-ゲント-ブルージュはベルギー観光のゴールデンルート。
1等車もほどほどに乗ってきました。
車両基地にて。これまた古めかしい機関車が客車をつないで待機していました。
↑車両基地が見たかった…というのと、なんとなく沿線の街並みが変化したの、わかりますかね?感覚的なものかもしれませんが。
↑ゲント駅通過後、廃車体の山!が
この状態で放置するなら、ちゃんと壊してあげてくださいw
お金ないのかな。
↑リエージュからブリュッセルはなだらかな丘陵地帯でしたが、ブリュッセルから先はひたすら平原。そろそろ見飽きてきたころに、ようやくブルージュ到着です。
ブルージュ到着。ICはこの先、港町Oostendeまで行きます。
さて、時間は午後3時。宿にこもるにはまだ早いので、荷物だけおいて、観光へいきましょう。
今日はここブルージュに宿泊です。
観光の記事はまた、別noteで書くとしまして。今回はここまでにします。
★宿泊したホテル
HOTEL t Bagientje
ブルージュ駅前広場を抜け、交差点を渡り左へ、橋をわたったらすぐ右、そうすると右手に公園、左手に建物という道に至りますが、そこの一番手前のレストランです。
ホテル、というより、レストランに宿泊できますよ、といった感じ。チェックインもウェイターさんをつかまえて行います。
なお、レストラン自体も大変人気のようなので、ディナータイムにはチェックインできません。(Check-in : 15:00~18:00)
部屋はこんな感じ。ダブルルーム一人利用でした。
でん!とベットがあって、以上!という感じ。あ、もちろんシャワーとトイレもついてますよ。公園沿いというか、公園と公園の間にあるような立地なので、緑が大変綺麗でした。
で、レストラン営業時間は従業員出入口から入室するのですが、これがごみ置き場のようなところにあり…
ハエがすごいし、下水くさい…。これにはちょっと、閉口。
あと、部屋の前の階段に電気が無く、真っ暗の中鍵穴を探すという
これ、人に見られたら、やばいんちゃう?状態が生じていました(^^;
電機は最後までつきませんでしたよ。
他に宿泊客いないのかな?と思ったら、隣の部屋にアメリカ人家族が泊っていましたね。おそらくですが、全部で4部屋しかない、こじんまりとした宿です。
とまれ、ディナーで食べた小エビのコロッケと生ガキが絶品だったので、すべてヨシ。これで1万円未満なら、安いでしょ!
本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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