(雑談)消費税を支払う場合のふるさと納税
ふるさと納税の季節ですね。朝のニュース番組等でも盛んに取り上げられています。今さら仕組みを説明するまでもないと思いますが、とにかく節税+返礼品というのが仕組みが結構ウケているようで、自治体によってはふるさと納税で税収が大きく増えたようなところもあったりするみたいですね。
そんなふるさと納税ですが、私が聞いた事例で「言われてみればこれ注意が必要だな」というものが、消費税納税義務者(個人商店)のふるさと納税です。私もそうですが、とくに昨年インボイス制度が始まったこともあり、消費税の納税義務者はとても増えました。以前は売上が一定基準値を超えていなければ免税でいられたのですが、そうではなくなったのです。それはそれとして、気を付けなければならないのは消費税の納税義務者である場合。ふるさと納税では「消費税は減額されない」という点です。
ふるさと納税によって節税効果が得られるのは、所得税と住民税なので、消費税は対象外なんですね。なので「ふるさと納税で所得税をゼロにした結果、消費税を支払う資金の不足が生じた」というケースが昨年あたり生じていたのだそうです。たとえば極端な例ですが、売上110万円(税10%込)で経費ゼロ、利益110万円の個人事業主(消費税課税/原則)がいたとしましょう。控除は無視します。この人がたとえば110万円のふるさと納税を行ったとします。そうすると所得ゼロになり、所得税は課税されませんね。住民税もごく少額に抑えられる。しかし売上110万円に対する消費税10万円の支払義務が残るわけです。そうなると10万円分の手元資金を新たに用意する必要が出てきますね。
これは極端な例ですが、実際にたとえば消費税で簡易課税を選んでいる場合や、原則でも人件費の割合が大きいようなケースでは、利益と消費税額が必ずしも連動しないことがありますよね。そういう個人事業主がふるさと納税を頑張りすぎると、消費税を支払う際にお金がない!になってしまう可能性がある、ということです。
給与所得のみの人が余裕分でふるさと納税を楽しむとか、そういう使い方が一番安全なのかもしれませんね、ということを思いました。なお制度を批判しているとかそういう話ではないですので、念のため。見出し画像は「みんなのフォトギャラリー」からお借りしました、ありがとうございます。