各々のイケてる
20210312
できるだけ、シュッとさせないように。イケてる感じを出さないように。
そんなことを思いながら、自分のお店と、妻の鍼灸院のホームページをつくっていた。
自分の中での、これはちょっと許容しがたいといった具合の、最低限の美意識はある。不要に不快にみえないような工夫はした。
ただその上で、イケてる感はできるだけ消えて欲しいと想いながらつくっていた。
お店のホームページをつくる以上、集客のためにつくる。
妻は鍼灸、僕は瞑想。
そもそもジャンルとしては、地味なモノと認識されているのかなと思う。
その地味さをどうにかこうにか反転させる。ヴィジュアルやトレンド、情報なりで、イケてる方向に転換する。
そういう工夫で集客をすることと、できるだけ距離を置きたかった。
イケてることで集客することを否定していません。あくまで、僕はそれをしないようにしたかった。
イケてる場所、イケてることを志向してるお店ってのは結構ある。イケてる場所に足を運べる人は、そこで大丈夫。
でも、イケてる場所に行けない人が確実にいる。
少なくとも僕はそうだし、妻もそうだと思う。
たとえば、子育て中のママパパに配慮した工夫をするってのは、そういうことだと思う(子育て中のママパパがイケてないってことではないです)。
今の社会でやりくりしてると、イケてる場所にはいられなかったり、はたまたイケてる場所から追いやられたりしてしまったりしませんかってことです(意識的か無意識のうちにかはわからないけれど)。
イケてない人に会いたいってわけでもない。
ただ、イケてることでは出逢えないナニカに、妻と僕は向き合おうとしてるんだと思う。
できるだけ多く人に届けるって意味では間口を狭くしてる。
でも、向き合おうとしてるナニカに対しては、間口を広くしてるとも言える。
マジョリティの、社会のイケてるとは別の、各々のイケてるのために。
そんな工夫を一個一個積み重ねる。