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妻はダサい己と踊ってる

20201018

妻が、陶器でつくった土偶の“どぐ子”に、東洋医学の古典を解説するという、謎企画をはじめた。
潔く飽きる人ではあるから、いつまで続くかはわからない。

それよりなにより、あすからしいなあと笑える。

彼女はやることなすこと、ついつい笑える感じになっちゃう。

端麗ではない。シュッとシャープに魅了する線は描けない。

『クレヨンしんちゃん』で描かれる線みたいな、にやあと口角のあがるユーモアを持ってる。

それでいて、出来不出来のボーダーをぴょんと跳びこえる。

しみじみと彼女の才能の一つだとおもう。

彼女自身は、シュッとしたいし、正統派な一本道を行きたかったりするかもだけど、まあ性に合ってるのはソッチでしょと、はたで思う。

ひちゃげたユーモアを、いろんなところで発揮するのをみてみたい。

別にいろんなところじゃなくてもいいけど、たぶん飽きちゃってるから、いろんなところにおのずとなる。

「あすかさん多才ですね」と言ってもらうことがあるそうだ。

長年隣にいる身からすると、多才って言葉に目を丸くしそうになる。よく似合う言葉は不器用だと思う。

でも納得もする。

彼女はひちゃげたユーモア、ようはダサさを受け容れてる。

ダサい自分と、本当はダサくなりたくないかもと思っている自分とを受け容れている。

多才はダサいことを受け入れた者のみに待つ。

何かをはじめるのは、ダサさしか待っていない。その先には、すこしだけ楽しさが待ってる。

そうやって彼女は不器用なままに多才さをゲトろうとしてるのかもしれない。

ダサい己と、一切リズム感のないステップで、彼女は今日も踊る。

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