信号を待つ間、親子連れの自転車が隣に止まった。
なにを思ったのか、自転車の後部座席に座っている僕ちゃんが突然、ママの背中をクンカクンカ。
「ねぇ何しているの?」
「ママの匂い、好き!」
「やだ、何言ってるの。。」
ママと言われた女性は、恥ずかしながら、左手で前髪を耳にかけた。
照れ笑いしているようにも見えた。
そんなママにお構いなし。僕ちゃんは相変わらず、ママの背中をクンカクンカ。
信号は青になって、親子連れの自転車は去っていった。
クンカクンカで幸せを感じたヒトトキだった。
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