消費者庁コラボ 悪意か無能か

定期的に問題が発生するソシャゲ業界。

今回はスクエニ提供、開発gumiの「WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」(タイトル長いね、略してFFBE)で起きたガチャの有利誤認問題。

この記事が簡潔にまとめてくれてたので引用。

キャンペーンの一つ「URユニット10体確定10連召喚」ガチャを例に説明すると、このガチャでは33種類のユニットが提供されていた。このうち、31体はそれぞれ提供割合3.12500%、残る「ギルガメッシュ」などの2体は半分の1.56250%と表示されていた。

通常10連ガチャをやれば、もっとも入手困難なギルガメッシュでも理論上は複数枚出る可能性がある。しかし、このガチャではどうやってもギルガメッシュは1枚が限界だったという。

33キャラ入ったガチャで、確率は均等じゃなくて目玉の2キャラだけ他の半分の確率ってことね。
コレ自体はよくある設定。


消費者庁によると、ゲームの裏側では、次のようなことが起きていたという。

(1)あらかじめ提供割合3.12500%の31体が2回ずつ、提供割合が半分の2体は1回ずつ名前が登場する計64体の配列をつくり、これをランダムに並び替えて2つのリストを用意する

(2)ユーザーがガチャを実行すると、(1)でつくった2つのリストのうち1つが選ばれる

(3)リストの上からアクセスした順番に連続した10体が手に入る

何が問題かわかるだろうか?
(1)で作ったリストから1体だけ引く分には確率は表記通りである。
1/64 = 0.015625 = 1.56250%
2/64 = 0.03125 = 3.12500%

問題なのは(3)にあるようにリストから順に10体を選ぶということ。
これをやってしまうと確率が変わってしまうのだ。
直感でも目玉のギルガメッシュは1回の10連で1体しか手に入らないことがわかるだろう。
これはリアルにあるガチャガチャと同じで、箱の中から一つずつ取り除いて抽選をしていくことに等しい。

ソシャゲのガチャに詳しくない人からみると自然な抽選に見えるかも知れないが、箱の中から取り除いていく形式はこの界隈では一般的ではない。
(ボックスガチャと呼ばれる形式で存在はするが特別な断りが明記される)

「召喚は1回ごとに、その提供割合にもとづいて抽選をおこないます」

ガチャの詳細にもこのように表記した上で、上述した確率を表記していたとのことで、これはユーザーとしては取り除き式のガチャではない、と認識するだろう。

どうしてこのようなことが起きてしまったのだろう。

ユーザーコミュニティでは専ら悪意の元こういった実装をしていた、と囁かれている。
たしかに、例に上げたガチャでは1回の10連ではどうやったところでギルガメッシュは被らないわけだから、安易に凸させないための措置、と考えられるかも知れない。


私は少し別の視点で、元々は単ガチャ用の実装を誤った形で10連ガチャに転用してしまったのでは?と考えた。

一つのガチャ筐体の中で確率が異なるという設定を実現しようとしたとき、重み付けをした上での抽選するというロジックが一般的かと思う。

しかし、今回のように「他のキャラの半分の確率」とあらかじめ決まっているなら、重み付けをプログラムで実装せずとも、筐体にいれるキャラの数を2:1比率にした上で均等抽選するだけで実現できる。

そういう意味では手間が省ける、と言えるのかも知れない。
(毎回1から作るわけでもないだろうにホントに省けてるかは怪しい)

まあ何らかの理由で単ガチャを上記のような実装にしてて、それを10連に転用する際に、1枠ごとに抽選するのではなく、1回の抽選でそのリストの位置から10キャラ引っ張ってくる実装にしてしまったのかな、と。
元の実装の意味を把握しないまま流用してしまったケース。

仮にそうだった場合、これは仕様どおりに実装できていない、実装者が無能だったという話になる。
(まあもちろん、組織としてレビューや検証でそれを検出できる体制を整えてなかった = 誠実な体制でない = 悪意があったと言えなくもない)


果たして悪意からなのか、無能ゆえなのか。
真相を一般ユーザーが知ることはないだろう。


p.s.

上記の話題を話していたら横から、実は善意からその仕様なのでは?という案も出てきた。
10連1回のみ回す場合、ギルガメッシュが1体だけでも出てくれればいい、と考える人にとって、都度抽選方式と比べて少しだけ当たる確率が高くなるから、とのこと。

う~~ん。あってるけど苦しい言い分だ……。

いいなと思ったら応援しよう!