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AIベンチャー5選!その⑤:プラスアルファコンサルティング

こんにちは、KARAKINGです。
今回は「タレントパレット」というキラーコンテンツで爆速成長中のプラスアルファコンサルティングです。

■業界各社比較

まずは同業界の各社比較から

2023年4月時点

売上は年率約20%で順調に成長。
特筆すべきは利益率の高さ。各社比較ではユーザーローカルに次ぐ経常利益率、金額ではAIベンチャー随一です。
後述しますが研究開発からプロダクトアウトと、プロダクトの改善が卓越していると思います。

2022.11 プラスアルファコンサルティング決算説明資料より

■プラスアルファコンサルティングの事業

創業~研究開発・業務受託フェーズ:
プラスアルファコンサルティングは2006年に設立され、当初はテキストマイニングによるデータ分析基盤とデータ分析サービスを提供しています。
テキストマイニング・自然言語処理・AI/機械学習等の提供

2008年~プロダクト提供フェーズ:
2008年、第一弾SaaS型テキストマイニング「見える化エンジン」提供開始
2011年、CDP(カスタマーデータプラットフォーム)「カスタマーリングス」提供開始

2016年~タレントパレット急成長:
2016年、タレントマネジメントシステム「タレントパレット」提供開始
→このタレントパレットが現在の飛躍的な成長に貢献しています。

各事業の売上高比率

見える化エンジン事業:21.6%
カスタマーリングス事業:18.2%
タレントパレット事業:61.4%

2022.11 プラスアルファコンサルティング決算説明資料より

■タレントパレット成功の秘訣

プラスアルファコンサルティングの成長をけん引するタレントパレットですが、その成功の秘訣を深堀りしてみました。

●HR分野には元々圧倒的なリーダー企業がいなかった。
 タレントパレットは「人事管理システム」領域のサービスですが、従来の人事管理システムと言えばERPパッケージ(奉行シリーズなど)などは人事評価や最適配置などの高度な人事管理機能は持っておらず、高額・高機能なは独SAP社やワークスアプリケーションズの「Company」など、大企業でしか導入できない高額なものでした。
→つまり、多くの企業がペイン(痛み)を感じながら、システム化が遅れた領域であり、大きなマーケットの空白地帯でした。
そこにいち早く参入し、一気に大きなシェアを獲得することが出来ました。

●データ分析~マーケティング会社であること。
 タレントパレットより前から提供している「見える化エンジン」「カスタマーリングス」もSaaSプロダクトであり、SaaSの提供・運用のノウハウがすでに社内にあったことで、ローンチから改善のPDCAを高速に回しています

●タレントパレットのサービス自体の魅力
 それまでの人事管理・人事評価は人の主観によるところが多く、人材活用や最適配置、離職の防止など、企業の人事担当者は大きなペインを感じています。
 タレントパレットは科学的人事を標榜しており、マーケティング的な考え方を取り入れています。

 マーケティングは、科学的な手法やデータ分析を利用して、製品やサービスを効果的に宣伝し、販売することを目的とした活動です。マーケティングは、市場調査、競合分析、ターゲット層の特定、広告やプロモーションの計画、製品開発や改善などの一連のプロセスを含んでいます。これらの活動は、データや分析に基づく戦略的決定を行うために、科学的な手法を利用することが一般的です。そのため、マーケティングは科学的な行いともいえます。

ChatGPTより

まとめると、プラスアルファコンサルティングのマーケティング力を生かして、膨大な市場ニーズがありながら強力なリーダーがいないHR分野に参入し、マーケティング力を生かしたサービス改善を行うことで市場の評価を獲得した、ということですね。マーケティングのセオリーに沿った素晴らしい展開だと思います。
※マーケティングの4Pにあてはめると:
 Product(製品):大きな市場ニーズのあるHR向け製品「タレントパレット」
 Place(販売チャネル):SaaS提供のためすぐに全国展開
 Price(価格):従来の高額な競合に対してサブスク&社員数に応じた月額課金であらゆる企業にリーチ
 Promotion(プロモーション):そもそもマーケティング会社なのでCDMをはじめWEBプロモーションに長けている。TVCMも投下。
 ★リリースからわずか6年で2000社に採用され、7割以上が従業員300名以上の中堅企業です。
  ライバルのSmartHRはSOHO中心に50,000社の登録あり、今後強力なライバルになると考えられます。

■プラスアルファコンサルティング 今後の成長性

プラスアルファコンサルティングの中期計画が公表されています。

2022.11 プラスアルファコンサルティング決算説明資料より

会社計画では、まだまだタレントパレットの伸びしろを中心とした事業成長を描いていますが、タレントパレットは人事領域の単一サービスだけでなく、人材紹介・採用、研修、福利厚生、ヘルスケアなど、周辺領域にもサービスを拡大する計画で、引き続きサービスの強化を狙っています。
M&Aの予定は無いようですが、潤沢なキャッシュもありM&Aを組み合わせれば一層の成長を見込めると思いますね。

■プラスアルファコンサルティング 今後の脅威

 今まで見てきた通り、タレントパレットというキラーコンテンツがまだまだ伸びしろがあり、且つ一度導入すると簡単にはスイッチが出来ないので、しばらくは安定した収益基盤であり続けると思います。
 そのうえで今後の脅威となり得るものとして、
 ・強力な競合サービスの出現
  上述した「SmartHR」は爆速成長しており、契約法人数はSOHO中心に50,000社超え、
  労務管理からタレントマネジメント領域に急速に機能強化しています。
  UI/UXの評価が非常に高く、今後最も強力なライバルになるのではと思います。
 ・データ分析、CDMはレッドオーシャン
  祖業であるデータ分析やCDMもAppierGroupやブレインパッドなどAI各社など強力なライバルが数多くひしめいています。
  すでにプロダクト提供の歴史が長く顧客基盤もありますが、ライバル企業に比べ人・資本は少な目です。


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