しまむら:2022年2月期決算出た。ユニクロ、ZOZOと比較
こんにちは、からKINGです。
出ましたね、しまむらの2022年2月期決算!
引き続き世間はコロナ禍の中、ECで出遅れた感のあるしまむらですが、今期は売上・純利益とも過去最高という着地でした。
2019年2月期には、前の期から大幅に売上、利益を落として「大丈夫か?」と言われましたが、2020年から自社の立ち位置を認識し原点回帰して今期も素晴らし業績でした。
これを見ると、元々あった「様々なアイテムがあり宝探しをする感覚」で買い物を楽しむ店づくりが、ローコストオペレーションを更に徹底して利益重視に舵を切ったことが、かえってファンが離れてしまったのだと思います。
2020年からの改革は、しまむらが本来もっているワクワクする店づくりに原点回帰して、コロナ禍にも関わらず過去最高の実績としてファンが帰ってきたようです。
では、同業他社との業績比較してみましょう。アパレルを中心に代表的な小売業を並べてみました。
こう見ると、各社それぞれの色が出ていますね。
ユニクロのファーストリテイリングが国内では圧倒的。
10年前は9,200億円だった売上は10年で2.1兆円に爆伸中。販管費も桁違いでまだまだ攻めまくってます。いよいよZARAを超えて世界一のアパレル企業に手が届く。
そしてZOZO。
ここは小売りですが百貨店の方が業態としては近く、在庫を仕入れない委託販売=在庫はメーカーから預かり、売れた分の手数料収入なので、在庫リスクゼロ。取扱いの中小・中堅ブランドに対して優位なポジションを築いて、超高収益を実現。有り余るキャッシュで、靴・コスメへの進出やつくばでの新物流センターの建設など、こちらも攻めまくる。
ZOZOTOWNの商品取扱高は4190億円と、売上規模はほぼしまむらに並ぶ。
いや、、、こう見るとこの2社は強い!
ということでしまむらにはまだまだ頑張ってほしい。
■しまむらの強みとDX
ところで、原点回帰したしまむらの強みって何でしょうか。
【しまむらの強み】
1.強力な物流網
しまむらと言えば物流。店舗数が6点の時にすでに自社物流センターを立上げ。スピーディな在庫補充や店舗間移動など、機会ロスと廃棄のロスを無くす=ジャストインタイムな物流体制をいち早く志向。
今では国内に10カ所の物流センターで即日配送体制を構築。
2.強力な仕入れ
ユニクロやZARAのようなSPA(自社製品の委託生産)ではなく、協力メーカー・ブランドからの仕入れ。
アパレル業界の常識である委託販売ではなく全量買取りのため仕入先に優しく、しまむらとしても格安で仕入れることが可能。
(委託販売は、売れ残りを前提とした商習慣で大量廃棄にもつながる。常に最新モデルを発売し続けなければならず日本アパレルの弱体化につながっているという指摘も)
3.超ローコストオペレーション
徹底した業務の標準化とマニュアル化で、パート社員でも店舗が回る。
1店舗あたり1人の店長に6~7名のパートもお店が回る。
さらにパート社員からの改善提案は毎年1万以上寄せられ、更なる効率化に余念がない。
昨年は店舗にタブレットを設置して、社員用教育の動画配信や、店舗レイアウトの技を配信・共有するという、アナログの共有というユニークな使い方。
【しまむらのDX】
しまむらは、POSや在庫管理など、従来のIT活用は高いレベルで実現していると思われますが、ECやアプリなどはあまり目立っていません。今期のEC売上も28億円と、他社と比べると大分控え目です。
2022年度、2023年度のDX推進策として、
・EC売上28億→40億へ。
・会員向けアプリの活用で顧客情報と購入動向の分析を行う。
→商品戦略だけでなく出店戦略にも活用
・リアルタイム在庫検索と、より細かな仕入計画を行う
などとしています。今年行ってきたインフルエンサーマーケティングやデジタル販促も、一層強化されるものと思います。
とにかく、オペレーションの地力が強く、IT活用を熟知した会社なので、DXについても適切な打ち手は見えていると思われ、早い巻き返しが出来るのではないでしょうか。
ユニクロはいち早く海外に販路を広げていますが、しまむらは現在のところ台湾に40店舗のみで、他の国には進出していません。
ZOZOも海外で展開を始めていますが売上はまだまだこれから。
しまむらやZOZOの成長は、飽和した国内アパレルの中でセレクトショップやスーパーなどの量販店、百貨店からの顧客が流入しており、これからしばらくはこの流れが続きそうです。
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