ジョジョミュージカル 4/11兵庫感想
はい。ジョジョを追いかけて兵庫までやってまいりました。たーのしー!
北海道と同じく初めて兵庫に来たんですが、三宮駅周辺の治安が新宿レベルで怖いです。
今日の回は、私が見に行く唯一の有澤さんジョジョ回。ツェペリは廣瀬さんです。
別に避けていたわけではなかったのですが、元々金曜の回のみ観に行こうとしていたところ、まさかの有澤さん回を見れないことに気がついて、急いで今日のチケットも取りました。結論、見比べができてすごく良かったです。
それでは、つらつら感想タイム。
有澤ジョジョについて
東京で彼の出演日に申し込まなかったのは、刀剣乱舞のミュージカルに出てた俳優さんだということで、人気そうだな…と思いリスクを避けた結果です。
今日も、ちらほらと刀剣乱舞の話をしていた人がいたので、きっとファンが見に来てたんでしょう。ジョジョ、楽しんでもらえたなら何より。
彼のジョジョは、
幼少期→あんま何も考えてなさそうな、元気ぼっちゃん。可愛い
大人→なんか…めっちゃ大人になったじゃん!?
って感じの第一印象でした。
声のトーンが抑えめなおかげか、割と歌声が聴きやすく、よく響く声で素敵でした。歌、上手い(それはそう)
あと、声がでかい。エリナとかディオに呼びかける声がでっかいので、すごく人懐こい印象を与えます。
松下ジョジョが
ディオっ…ーーーーー!!!!!!!!!
なのに対して、
有澤ジョジョは
ディオオオオオオーーーーー!!!!!!!!!💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢💢
くらいある。
松下ジョジョよりも紳士感は抑えめですが、爆発力という点においては素晴らしくジョナサン・ジョースターでした。
それに、人懐こさの影響なのか、ディオとも少し友情を感じてたんじゃないかなあ?という感じもありました。悲しいよな、友情を裏切られてさ…
母を想うディオ
たまに、他の方の感想で「ディオが人間を辞める時に、『母さん!』と言う時がある」と聞いてたのですが、今日はその演技プランの日でした。
父への怒りは蔑みに近く、母への愛が強かったですね。酔ったダリオがディオ母に暴力を振るうシーンも『母さん…!』と縋りついていたし、ダリオに引き剥がされる時も最後まで手を伸ばしていたし。
今日のディオは、母への想いが強かったのが残ったか?人間辞め前はちょっと情けない感じでした。
ここで気になるのは、「母の愛に縋るディオは、吸血鬼になって最悪の残虐さを発揮できるのか」ということです。
私の解釈としては、舞台ならありなのかな?というところ。理由は、吸血鬼ディオが赤子を庇う母をゾンビ化させて、我が子を喰らうところを笑うシーンがないからですね。
母子の愛を信じてたら、あの振る舞いはできんて。
いや、それでもやるんだったら、相当ゲロ以下のクソ野郎ですけども。
舞台では、ディオから父に対する恨み、蔑み、憎しみを強調しているので、その理由として母への愛も強く表現されてるのかなと思います。立ち振る舞いも母に仕込んでもらったし。
個人的には、メソメソしながら人間を辞めるよりも、辞めるぞォ〜〜〜!!!!とウキウキな方が好きですが、好みの問題と原作準拠派かどうかの話でしょう。
エリナの怒り ジョースターの女
今日はちょっと後ろの方の席だったので、客席を照らす照明がとても見やすかった(むしろちょっと眩しかった)のですが、今までで一番グッと来たのが、波紋修行に行くジョジョを見送った後のエリナの独唱です。
懸命に彼を看護したエリナですが、君を巻き込みたくないとか何とかジョジョに言われ、半ば言いくるめられる形でジョジョを見送ります。
その時のエリナの気持ちを歌った曲なので、歌詞は(うろ覚えですが)泥に掴まれた私はあなたを追いかけられない、ここで待つ、あの星を見つめている、といった内容です。
この時、客席が星空のようなライトで照らされて、エリナはそれを見つめながら歌います。今までは、暗がりの中一人で置いて行かれて悲しいが、それでも私はあなたを信じて待っている…という歌だと思っていました。でも今日は、明確にエリナの「怒り」を感じました。
そりゃそうです、ジョジョは理由も詳しく述べずに、急に現れた怪しいオッサン(ツェペリ)と、よく分からん修行に行ってしまいます。せっかく再会できたのに…
でもジョジョの、自分を守りたいと言う気持ちも分かるので、黙って彼を応援するしかありません。ディオに唇を汚された屈辱を思い出しながら。
私はどうしても、エリナの最後のシーンが省かれていることが残念だったのですが、ここが「エリナがジョジョに置いていかれても、一人でその血を守り抜く」ことの決意の表れだったのだなと思いました。
ジョナサンは、首だけのディオに殺されかけたとき、エリナに対して見知らぬ赤子を連れて逃げろと、そして幸せになれと言います。何という身勝手、美しすぎる自己犠牲。結局は、エリナの真の幸せよりも、自分の闘いを終わらせることを選んだんです。
ジョースターの男は、短命と言われています。それは、裏にディオがいて、こっそり殺しの糸を引いていたからなのですが、彼らの高潔な精神は、自己犠牲と理想の上に成り立っているばかりに、彼らは理想のためなら死を選べてしまいます。
ジョジョは勇気と受け継がれる意志の物語ですが、意志を受け継いでいるのはジョースターの女であることを忘れてはいけません。エリナは、託された赤子と、お腹に宿っていた命を育てて、次の世代にジョースターの意志を語り継ぎました。なんならジョセフのことも育てています。リサリサは、ジョセフを波紋戦士に育て上げ、柱の男たちと闘いました。スージーQやホリィは夫を失っていませんが、彼女らもまた、ジョースターを受け継ぎ、育てた者たちです。
エリナの歌は、ジョジョの背中を追い縋るものではなく、彼の身勝手な自己犠牲を受け止め、それでも愛すためのものだったんではないでしょうか。時代的に仕方ないのかもしれないですが、男の身勝手もまとめて愛してくれというのは中々酷い話です。ジョナサンジョースター、そういうとこが良くないぞ。新婚旅行で死ぬな。
ダリオの支配
今日ようやく気付いたのですが、ディ〜〜〜オ〜〜〜の地響きのような歌声と共に、ダリオがディオを苦しめるシーンが複数ありますが、ディオが頭を抑えて苦しんでいる時、ダリオは必ず片手を掲げていました。
私も専門家ではないので、それっぽいことを言うだけですが、大学の演劇サークルでやったワークショップに、以下のようなものがありました。
・2人1組になる。
・Aは、Bの顔の前に手のひらを掲げる。
・Aが手のひらを上下左右、手前や奥に動かすので、Bは手のひらと顔の位置と向きが変わらないように体を動かして着いていく。
これをやると、AはBの行動を支配しているような気持ちになって、かなり気持ちが良くなります。Bは顔の前に手を出されていて、視界がほとんどAの手のひらになりますから、ほぼAの手のひらのことしか考えられません。
つまり、何が言いたいかというと、ダリオの掲げた手はこのAの手であり、Bはディオだったんじゃないか、ということです。掲げた手は、支配、暴力、思考の占拠を示すものであり、ディオはそれにずっと苦しめられている、洗脳されたままだということです。死に瀕したダリオは、手を掲げて「お前は一番になれ」とディオを呪います。多分今まで何度も言ってきたのでしょう。その時のディオは露骨に苦しんでいます。ダリオの手のひらが、彼にとっての洗脳、苦しみのスイッチだったんではないでしょうか。
その他思ったこと
・ディオが「結果だけ残ればいい」、ジョジョが「そこに至るまでの意志と行動が大事」と言うシーン、どうしてもディアボロとブチャラティがちらつく。
・ディオが「俺の世界〜」と言うシーン、3部からの逆輸入だと思うんだけど、やっぱ「ザ ワールド」ってスタンドがディオに発現するの最高すぎる…
・ジョースターは黄金の意志を持つ一族だけど、ディオはその体と血を奪ったから、3部DIOの色は黄色なのかな?関係ないかな?と思ったり…
あー、明日でジョジョミュージカル観れるのが最後なのが悲しすぎる。
円盤と曲、どうしても出しても欲しい。頼みます。
追記:ラストシーンについて
ラストシーン大好き芸人が通りますよ〜
はいはい、通りまーす
今回…やばかった〜
何がって、有澤ジョジョがディオが伸ばした腕をガッと掴み下ろすのはこの前の変わらなかったんですけど、手を、ディオの手を、
繋いだんですよね。
いわゆる恋人繋ぎで。
あ〜〜〜〜ディオとの絆、ある〜
裏表の存在、星と泥、炎と氷、
ディオをこの世界に繋ぎ止めるボディ〜〜〜〜
はぁ〜〜〜〜
このシーン全公演分見たい