【基本】小児の撓骨遠位端骨折の一連の対応

こんにちは、やまだです。

今までの、経験を整理してまとめた内容です。個人的な経験に基づくものなので、ご覧になる方は予めご理解ください。

【テーマ】
小児の撓骨遠位端骨折の一連の対応

【問題点】
・受傷から終了までの一連の流れがわからない
・どういうところに注意したほうがいいか

◆ 受傷時から終了までの流れ

大まかな流れ

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① 初診 → 評価
② 処置 → 整復・固定、応急処置・紹介
③ 後療法 → 巻きかえ、骨癒合促進、機能改善
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↓ 深堀り ↓


◇ 初診 → 評価
どんな常態か評価しどんな対処をしていくか決定する準備

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1:視診
2:問診
3:触診
4:画像評価
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外傷に携わるのであれば、1・2・3の技術は必須
さらに整復・固定に関わりたいのであれば加えて4も必須


1:視診
患者さんが、どんな姿勢で待っているか、どんな姿勢で診察してに入ってくるか、顔色、患部の腫れ・変形・可動域などをチェック

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小児の撓骨遠位端骨折の腫れの特徴

不全骨折(若木骨折など)の場合は、骨折部の局所がぽっこり腫れることが多い印象
→ 特に橈骨遠位の背側
完全骨折の場合は、変形も認め手関節が全体的に腫れる
→ 大人ほど腫れは出にくい印象
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慣れてくると雰囲気で何となく分かるようになってくる


2:問診
どうやってケガをしたか、痛むところ、気分が悪くないか、などを聞く

痛むところは一番痛むところを指差してもらうようにする
→ 触診をするときに役に立つ


3:触診
圧痛をしっかり取る

痛いところを押すのが可愛そうと思って軽く押すと、圧痛は取れない
→ しっかり骨の固さを感じるまで押す

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圧痛のとり方

問診で聞いた痛いところの周りから触っていく
骨折の圧痛は、かなりピンポイントで出る

骨折のタイプ(どれくらい細かく折れているか)によって圧痛の取れ方は変わるが、小児の場合骨折線から1cmも離れると痛みの表現の仕方が変わる気がする
→ 言いすぎかもしれない
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手首で取りたい圧痛の場所
・橈骨遠位骨端線
・橈骨遠位骨幹端
・橈骨遠位1/3
・尺骨茎状突起
・尺骨遠位骨幹端
・尺骨遠位1/3
・舟状骨


4:画像評価
整復・固定をする人にはもちろん必須だが、処置が終わった患者さんを引き継いでみることがある人にも必須
→ 何も考えず固定を外して再転位したら最悪
→ 実際にこれはよくある

レントゲン画像からわかること
・整復の方法
・固定の方法
・整復固定後の経過

画像評価は大事

◇ 処置 → 応急処置・紹介 or 整復・固定
評価の結果どんな処置をするか決める

・接骨院の場合
・整形外科の場合

で異なる


✓ 接骨院の場合
骨折が疑われた場合は、応急処置を行い紹介状を書いて病院へ
→ このときの応急処置の目的は、患者さんの痛みを軽減させること
→ 痛みの少ない肢位で固定し、三角筋で提肘

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手関節の応急固定のポイント
MP関節手前 から 前腕の遠位1/3 くらいまでを掌側から痛みの軽減する肢位で固定
→ 手関節の曲線にしっかりとフィットした固定をすると痛みが軽減する
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徒手整復・固定をするだけが外傷への関わり方ではない


✓ 整形外科の場合
保存療法が可能であれば、徒手整復・固定をする場合が多い

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保存療法が可能かそうでないかの基準
・徒手整復で転位を治すことが出来るか
・整復位が外固定で維持できるか
・患者さんのライフスタイル
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前提として上記を決めるのはドクター
→ しかし、携わるものとして知っておく必要あり

* 徒手整復・固定を成功させるコツは「レントゲン画像の評価力」
うまく出来るかはレントゲンの評価で決まる

繰り返しになりますが

レントゲン画像からわかること
・整復の方法
・固定の方法
・整復固定後の経過

読み間違えると、大変なことになる
→ とにかく数を見る


③ 後療法 → 巻きかえ、骨癒合促進、機能改善
固定期間は約3週間くらい。後療法は整復・固定の次の日から始める

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・受傷から14日まで
・14日以降
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外傷をみるときの、ベースはこれ


✓ 受傷から14日まで
かなり再転位しやすい時期(骨折のタイプにもよる)

再転位させないというのを大前提に行うことは以下

・骨癒合の促進
・固定の緩みをチェック

初期の腫れが引いたりすると、固定に緩みが出て患部が動揺しやすい
→ 再転位を起こしやすい


ー注意点ー
・固定を頻回に外さない
・自動運動は極力させない
・ギプスに割を入れすぎない
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こんな疑問がある

Q:固定を外さずに物療するにはどうしたらいいか
A:ギプスの場合は有窓にする。シーネの場合は、固定の両端だけ固定がズレない程度の包帯で固定。基本そこの包帯は外さずに、シーネをつけっぱなしにして物療。
Q:手指の運動は早くからやらせたほうがいいか
A:骨折部が不安定な場合は手指の自動・他動運動は1週間くらいは避ける。7日後くらいから他動運動。不安定でない場合は他動運動。動かしたときに骨折部に痛みが出る場合はやめる。
Q:ギプスがきついと言われた場合はそうすればいいか
A:1本だけギプスに割を入れて綿包帯を巻く。接骨院でよくわからない場合は、処置をした病院へ相談

✓ 14日以降
本格的に可動域制限の予防を始める
→ 手指は7日くらい経つと可動域制限がで始めるので、14日よりも前から注意深く観察しておく
→ とりあえず、早期の手指のROMエクササイズは自動で骨折部に痛みがない範囲で行う

例えばこんなことを行う

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・手指の他動ROMエクササイズ(DIP関節、PIP関節、MP関節すべて個別に)
・固定を外し、患部の肢位を気をつけながら軟部組織の固さを改善
→ 方法は何でもOK。徒手、物療など
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◆ 21日以降で固定除去

21日(3週間)程度で固定除去

こんな感じの流れで対応すると、固定除去時の患部の機能障害もほとんどなく、スムーズに終えることが出来る

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後療法終了の目安 = 圧痛の消失
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※ 接骨院の場合は、圧痛消失したら病院へお伺いをたてると良いかも


【まとめ】
小児撓骨遠位端骨折の大まかな流れの整理
今後、変わる可能性は大いにあり

今までの、経験を整理してまとめた内容です。個人的な経験に基づくものなので、ご覧になる方は予めご理解ください。


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