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【警告】見逃し注意な手関節の外傷
こんにちは、やまだです。
これ、舟状骨-月状骨間離開してるけど気付いてた?
ここまでいくと ope になる可能性が高いから見逃しちゃダメだよ。
冷や汗をかいた瞬間でした。
上記の症例は、手関節の動作時痛がなかなか改善せず、セカンドオピニオンで外来に来院した患者さんの対応をした時の話です。
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・1年前に仕事中に転倒し手をついて受傷。
・初診時の整形外科にて、レントゲン上異常ないと言われる。
・本人曰く「少し靭帯を傷めている」と言われたということ。
・主訴は、重いものを持ったときや、手をついたときの手の痛み。
・現場仕事をしているのでこの状態をなんとかしたいという事。
・いつもの痛みの場所は遠位橈尺関節周辺。
・強い運動時痛も圧痛もはっきりしない。
・掌屈・背屈の最終可動域が悪い程度。
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「きっとこの可動域制限が痛みの原因だろう」
その当時は、恥ずかしながら S L 靭 帯 損 傷 による手根骨不安定症など知りもしなかったせいで、上記のような思考になりました。
その後の診察の結果、痛みが取れるまで固定で経過観察という指示が出たので、固定を作成し患者さんを帰らそうとしたときに、上司から
これ、舟状骨-月状骨間離開してるけど気付いてた?
ここまでいくと ope になる可能性が高いから見逃しちゃダメだよ。
との一言。
ドクターにその旨をお伝えし、手専門の外科へ紹介となりました。
ほんと、知らないって恐ろしいですね。
S L 靭 帯 損 傷 って、結構重要なことなのに、意外と教科書や参考書にもサラッとしか書かれておらず軽視しがちですが、だいぶ厄介な疾患なので知っていて損はないはずです。
そして、詳しく知れば知るほど面白い疾患です。
今回は、舟状骨-月状骨間が理解することにより、手根骨不安定症の原因にもなる「SL靭帯損傷」について深堀りしていきたいと思います。
まずは発見出来ることを目指してみましょう。
SL靭帯損傷を発見するためには、他の外傷の知識ももちろん必要です。
リアル外傷マガジン では、手関節周囲の外傷についても解説していますので、合わせてご覧ください。
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それでは、始めていきましょう。
◆ SL靭帯損傷とは ◆
SL靭帯損傷を見つけるには、まず SL靭帯について知る必要 があります。
◇ SL靭帯について ◇
scapholunate ligament = 舟状月状靭帯(以下SL靭帯)
舟状骨と月状骨をつなぐ靭帯です。
SL靭帯はC字型をしており,3つの部分に分けられます。
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