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【エースコンバット】Switch版エースコンバット7 先行体験会レポ
本日、6月30日は初代エースコンバットの発売日、シリーズとして29周年の節目の日である。
その前日にこの様なイベントが開催されたのは公式の計算だったのか、それとも運命の悪戯か。
昨日、バンダイナムコ未来研究所にてNintendo Switch版『ACE COMBAT™7: SKIES UNKNOWN DELUXE EDITION』先行体験会が開催された。
この体験会には、勿論シリーズファンである筆者も応募していた。
速攻応募した >RP
— 唐揚げ隊長X (@karaage5859) May 22, 2024
ちなみにシリーズの魅力の所にはこんな感じで書いてます。
(あくまで私が重視してる「シリーズとしての魅力」であって、特定作品の魅力、という意味では無いです) pic.twitter.com/1UCx70dqqE
とは言え筆者は元々くじ運がすこぶる悪い。
以前シャニマスをやっていた頃は担当のピックアップでほぼ毎回天井していたし、ライブのチケットは神に愛された連番者のお陰で何とか取れている様なもので、自分が応募していると落選するか、当選しても席ガチャがゴミになる。
しかも筆者は、7の発売から今日までの5年余り、7に関してアレがダメだコレを直せと好き放題言ってきたのである。
そんなこんなで、どうせ当たらんだろと軽いノリで応募し、実際に落s…
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オイオイ嘘だろ当たっちまったよ…!!
というわけで、発売前にSwitch版7をプレイできる絶好の機会を頂いたので、その様子が少しでも分かる様にレポートしていくこととする。
はじめに
シリーズ29周年の前日ということもあり、ファンの中には「試遊会で新作に関する情報が出たのでは?」とお考えの方もいるかもしれない。
先にはっきりと述べておくが、今回のイベントは『Switch版7』100%のイベントであり、開発中とされるシリーズ完全新作に関する話題は一言たりとも出て来なかった。
「ここで言えないだけで、何かしらポロリがあったんじゃないの?」と思われる方もいるかと思うが、スタッフから聞いた話の中でオフレコ指定を受けた内容は、少なくとも筆者が聞いた限りでは存在しない。本当に、「新作を匂わせる内容が全く無かった」だけなので、邪推しないようにして頂きたい。
そもそも会場にいたのはSwitch版7のプロデューサーである萩原氏のみであり、河野氏や下元氏などのACESお馴染みのスタッフは不在であったため、仮にこちらから新作について尋ねても新しい情報は出てこなかったものと思われる。
会場は、まさかのあのスタジオ…!?
ということで来る6月29日(土)昼、筆者は東京都港区にあるバンダイナムコエンターテイメント本社を訪問した。
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この時点で『筆者が想像していた』試遊会は「2〜30人くらいが広めの会議室に集まって代わる代わるに試遊、待っている間はスタッフや他の参加者と談笑しながら試遊の様子を眺めている」みたいな感じだった。
しかし、スタッフの方の案内で建物内に入り、受付を済ませたタイミングで一つの違和感を感じる。
受付名簿に記載された名前が異様に少ないのだ。
ぱっと見で7〜8人しかいない。
「え、もしかしてこれって思っていた体験会と違う・・・?」
不安と期待が入り乱れる胸中を押し殺し、案内に従ってエスカレーターを上がり、その先のロビーで待つ。
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開始時間が刻一刻と迫るが、集まったのは筆者を含めて5人ほど。
程なくして、スタッフの方の「行きましょうか」の一言と共に、とセキュリティゲートを超えてエレベータで4階へ。
この先に一体何が待っているのか。
口にはしないが他の参加者の方も思っていたに違いない。
エレベーターの扉が開き、案内に従って廊下を進む。
その先に待っていたのは、巨大なLEDが鎮座するスタジオだった。
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この特徴的なLEDディスプレイに見覚えのある方も多いのではないだろうか?
そう、エースコンバット25周年記念特番を始め、エースコンバットやアイドルマスターなどのバンナム系コンテンツの動画や生放送で度々使われている『未来研スタジオ』が試遊会の舞台だったのだ。
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筆者はエースコンバットは勿論、アイマスやラブライブも嗜んでいるバンナムに手綱を握られたオタクなので、このスタジオは見慣れていたし、だからこそエスコンのイベントでこの場所に足を踏み入れることが出来た事実に大いに昂った。こんな経験、望んでいても中々出来ない。
LEDディスプレイの前に並ぶ試遊台。その数8台。
「順番におかけになってください」という案内でようやく筆者は理解した。
これから始まる1時間半は、ここにいる我々だけのために用意された時間なのだと。
初めて触れるSwitch版7
初めて入る本物の未来研スタジオに心躍るのも束の間、席に座って試遊機のモニターに向き合う。
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ここで進行担当の方から、今回の試遊会の「お品書き」が発表される。
内容は以下の通り。(時間はうろ覚え)
キャンペーンモードのフリーミッション試遊(40分)
景品をかけて参加者全員でのオンラインマルチプレイ(10〜20分)
フォトセッション(20〜30分)
試遊の前に萩原Pからの挨拶があり、日頃からの応援に対する感謝と、「7がSwitchでも他ハードと遜色なく動作することを実際に体感してほしい」旨の話があった。
なるほど。
見せてもらおうか。Switchで動く7の性能とやらを。
ということでここからはキャンペーンモードの試遊が始まる。
試遊はフリーミッションモードを自由に遊べる形式だった。
難易度、ミッション、機体・兵装は全て解禁済みの状態だ。
とはいえ40分でできる内容は限られているため、まずは7で特に人気のM11「敵主力艦隊殲滅」をプレイする。
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実際に触れてみての体感としては、今我々がプレイしているPSやXbox、PCのエースコンバット7が『そのまま』Switchで遊べる様になった、という感じだった。
機体の挙動や性能、兵装周りも基本的に現行のものから変わっていない様に感じられた。
念の為、以下に難易度ACEにおける一部機体の性能を載せておく。(A-10CとF-22Aはパーツ引っぺがすのを忘れたので参考程度に見て頂きたい)
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特に素晴らしいと感じたのは、グラフィック面での劣化が殆ど感じられなかった点だ。
Switchのハード性能上フルHD画質にはならず、出力映像自体はどうしても粗くなってしまうのだが、3Dモデルがあからさまに劣化していたり、地上の描画範囲が大幅に縮小してしまったりといった事は無く、体感では殆ど気にならなかった。
ただし、筆者はSwitchをモニターに繋いだ状態でしかプレイしなかったため、Switchのディスプレイで見た時は違った印象になる可能性がある。
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一方、気になった部分はフレームレートと操作感で、特に操作感についてはSwitchのジョイコンだとスロットル操作(ZR/ZL)とヨー操作(R/L)がボタン・トリガーの小ささや間隔の狭さ故に干渉し、慣れるまで時間がかかりそうだと感じた。
プロコンを買えばいいのかもしれないが、携帯機として外でもプレイできるのがSwitch版の強みだと思っているので、中々難しい部分があるだろう。
ただし、VERTICAL STRIKE ENDLESS CHALLENGE(VSEC)などの類似タイトルをSwitchでプレイしている方ならそれほど問題にならないかもしれない。(VSECはワンコインで買える上、その気になれば延々遊べる高コスパゲーなので、Switch持ちで7まで手持ち無沙汰の方に是非お勧めしたい)
フレームレートは体感で基本30fps程度で、M11の洋上プラットフォーム破壊時など重い処理の発生時では、一時的に体感10fps程度まで低下する場面もあった。
とはいえ気になったのはそれくらいで、プレイに支障が出るレベルのフレームレート低下は、筆者がプレイした範囲では殆ど発生しなかった。
なお、初回は難易度を気にしていなかったため、デフォルト難易度のCASUAL EASYでプレイしたのだが、やはりこのモードは遊んでいて面白い。
「ミサイルがきちんと敵を追尾する」「残弾を気にせず戦える」「敵機がミサイル2発で落ちる」この3つが改善するだけで、同じゲームなのにプレイ体験が段違いだ。
俺、突然のマルチデビュー
40分間の試遊は、M11とM12を遊んで機体性能を確認している間に終わってしまった。
続いて行われたのは、参加者(8名)全員でオンラインマルチプレイを行い、優勝した1名に当イベント限定のオリジナルグッズ(以下)がプレゼントされるという、ファンなら誰でも熱くなるであろう企画だ。
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ここで身のうち話になってしまって大変恐縮なのだが、筆者はエースコンバット7のマルチを1秒たりともプレイしたことがない。
これは7に限らず、過去作含め、筆者は基本マルチを遊んでいない。
筆者は子供の頃から他者と一緒に遊ぶ事に楽しさを見出せない捻くれたクソガキだったため、「ゲームは己一人で孤独に向き合うもの」という歪んだ信条をずっと貫き続けた結果、深刻なPvPアレルギーに陥ってしまったのだ。
つまり、今回の対戦企画は、正真正銘、筆者にとって「はじめての7マルチ」だったのである。
対戦方式はバトルロイヤル。自分以外は全て敵。
装備は全員固定。機体はF-22A、特殊兵装はQAAM、パーツなし。
未来研スタジオでの試遊会という唯一無二の状況。
普通のマルチと違って、対戦相手の顔が見えている。
デビュー戦がこんな状況で、しかもたった一つの景品を、「もう一回」のない、負けたらそこで終わりの一発勝負。
面白い。やってやろうじゃないか。
マルチ経験0とはいえ、筆者もかれこれ20年エースコンバットを遊び続けたベテランエースパイロット。トップランカー相手とかでなければ、ガチればそれなりに戦えるはず。
優勝、狙ってやるよ・・・!!
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ちーん(死)
PvPの立ち回りが全然分からず、一方的にボコられるばかりだったが、一応終盤に一矢報いてスコア0は回避できたし、なんだかんだで楽しめた。
機会があればまたやるかもね。マルチ。
優勝された方、おめでとうございます。
俺は雑魚です。
歴代作品パネル展示や記念撮影も! 充実のフォトセッション
白熱のマルチプレイが幕を閉じ、残すところは各種展示や記念撮影が楽しめるフォトセッションのみとなった。
記念撮影は未来研スタジオが誇る巨大4面LEDディスプレイを独り占めできる豪華仕様で、事前アンケートでお気に入りと答えた機体を選択して表示させることが可能となっていた。
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筆者もこちらを利用して記念撮影を撮らせていただいた。
それがX(と称する事実上のTwitter)にも投稿したこちらの画像だ。
Switch版エースコンバット7の体験会に参加してきました!
— 唐揚げ隊長X (@karaage5859) June 29, 2024
いやまさか、バンナム系コンテンツの生放送でよく見る「例のLED部屋」に通されるとはw
試遊にオンライン対戦、フォトセッション等、充実の内容で大変楽しめました。
貴重な機会を頂きありがとうございました!
細かいレポは後程上げます。 pic.twitter.com/AWJM1fiJAM
この他にも会場内には様々な展示があり、歴代作品のパネル展示や7のキャストサイン付き台本など滅多に見れない貴重なものも多かったので、ささやかながら共有させていただく。
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Switch版7、そして「その先」も大いに期待を持てた体験会
フォトセッションの終わりに、参加者の方の提案で、本日の試遊参加者と萩原氏を含めたスタッフの方々が一堂に会し、集合で記念撮影が行われ、解散となった。
帰りの際に、参加者全員にTシャツなどの限定グッズが配布された。
ちなみに、入場時に参加者の識別のために参加者本人の希望した名前(筆者の場合はXと称する事実上のTwitterのアカウント名である「唐揚げ隊長X」)を記した名刺入りネックストラップが配布されたのだが、これもお持ち帰りOKとの事で有り難く頂戴した。
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改めて振り返ると、本当に奇跡のような、素晴らしい体験会だった。
参加者数が少なかったというものあると思うが、スタッフの皆様の体験会をより良くしたい、最後まで笑顔で過ごしてほしい、という気持ちが伝わる、とても楽しい催しだった。
元々Switch版7については、発表されてから7熱が再燃してちょくちょく遊ぶようになった程度には楽しみにしていたが、今回の体験会を経て益々楽しみになった。
先ほども述べた通り、内容的には既に他ハードで発売されている7の移植以上の何物でもなく、何か新要素が追加された訳でもないのだが、エースコンバット7が事実上の携帯機タイトルになった事は個人的にはかなり大きいと思っているし、何より元々Switch対応を想定していなかったゲームをクオリティを殆ど落とさずに移植出来ているというだけで結構とんでもない話である。
そもそも発売から5年経ったゲームを何故このタイミングでSwitchに移植しようと思ったのか、という点は割と謎ではあるのだが、シリーズ最新作を場所を選ばずに遊べるようになったこと、Switch以外の現世代ゲームハードやPCを持っていないユーザにも遊んで貰える機会ができた事はシンプルにプラス材料だろう。(しかも今回は最初からCASUAL EASYがあるため新規にも勧めやすい)
こういった、少しでもコンテンツの間口を広げたい、多くの人に遊んでほしい、という気持ちが伝わる施策は、筆者としては大いに歓迎したい。
以前の記事でも述べた事だが、面白いコンテンツが次から次へと供給される現代において、新規を取り込む努力を怠ることはコンテンツとしての死を意味する。
決して全てが上手く行っている訳ではないが、少なくとも今回の体験会からは、ファンに対する感謝や敬意、そして、現状に甘んじる事無く「貪欲」であり続けるという静かな意思を感じた。
そしてその「貪欲」さは、おそらく新作を開発しているスタッフとも共有されているものだろう。
あとはその「貪欲」さが、正しい方向で活かされることを信じるだけだ。
7や近年のProject ACESについては事あることに色々言われるし、筆者もかなり厳しい事を言っている。
それはシリーズを愛しているからこその言葉であり、恐らくそれはProject ACESの皆様も理解しているはずなのだ。
だからこそ、筆者はSwitch版の7にも、「その先」にも、大いに期待する。
例え次回作が筆者の望まない出来になったとしても、その事実と要望を粛々と伝え、時には他のファンと意見を戦わせ、またその次に期待するだろう。
エースコンバットを愛する者同士の対話は、これからも続くのだ。
言葉足らずで、その場でまともに挨拶できなかったので改めて。
筆者にこれからもエースコンバットに「貪欲」であり続けようと決意させてくれたこのイベントに、素晴らしい時間を作って頂いた全てのスタッフの皆様に、共に過ごした参加者の皆様に、心からの御礼を申し上げたい。
最後に、エースコンバットに関わる全ての方に、この言葉をお送りして、記事の締めとしたい。
エースコンバット、シリーズ29周年おめでとうございます!
30周年に向けて、盛り上がっていきましょう!