ラトビアのオペラ
バルト三国を旅していたとき、ラトビアでオペラをみた。
プッチーニのオペラ「La Boheme(ラ・ボエーム)」
ボヘミアンたちの何気ない些細な日常を描いたオペラ。
本当は、「蝶々夫人」とか「カルメン」とかが見られれば良かったけれど、
現地で前日にチケットを取ったので、まあ仕方ない。
後ろの方の席ではあったと思うが、400円。
圧倒的に安い。
たしかラトビア語とドイツ語と英語の3か国語で上演され(独と英は字幕)、休憩をはさんで3時間ほどあったと思う。
けっこう長い。
オペラとかミュージカルって、名作とよばれるものは有名な曲があったり、明確なクライマックスがあったりするんじゃないかと思う。
が、しかし。
ラ・ボエームは些細な日常を描いてしまっているためか、基本何も起こらない。
小さな喜びや小さな悲しみはきっとあるのだろうが、非常にわかりにくい。
この時、日本の高校時代の友達と3人で鑑賞しており、幕間にあーだこーだ見解を言い合ってみるのだが、三者三様でどういう場面なのか全く把握できない。
しかも、1人は完ぺきに英語がわかるので絶対正しく理解しているのだが、性格が優しすぎるので、「そんなこと言っとった?」とつっこむと「いや、言ってないかもしれん」と言い、収拾がつかない。
なんだろう。
100年以上の歴史を持つ古典を見ているはずなのに、まるで現代アートを見ているかのような自由な解釈。
前日、就寝前にウィキペディアであらすじを確認したけれど、正直「ミミーミミーと言って幕が閉じる」という部分しか思い出せない。
しかも、そんなこと言わずに終わった気がする。
こんなに何もわからなかったくせに、ラトビアでオペラを見たってことだけはすごく覚えている。
よくわからないオペラを3時間。
400円。
鑑賞後にレストランでご機嫌に食事をしたことも覚えている。
10年以上経つのに、バルト三国の話をするときは必ずこの話が出る。
ニューヨークのブロードウェイで「オペラ座の怪人」を見たことがあるが、それに匹敵するか、下手したらそれ以上に印象深い。
すごくきれいだったり、すごく良かった思い出よりも、すごく大変だったり、ぜんぜん上手くいかなかったことの方が覚えているってことないですか?
その部類。
またいつか、ラトビアでぜひオペラを見たい。
立派な劇場。
次回は「カルメン」希望。
オペラ鑑賞日 2013.9.11
#ラトビア #オペラ #ラ・ボエーム