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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ

遂に!30年!!
待ちに待っていた映画!!!
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』
が公開された!!!!!

本当なら去年公開の映画が、コロナで一年延びて、更に一ヶ月延びて、公開!!!

この作品と初めて出会った時の事は今でも覚えている。
当時は『逆襲のシャア』も終わり、ガンダムは完結したと思われていた時代。

『ガンダムセンチネル』という模型媒体の小説が出たが、どうやらそれは『逆襲のシャア』よりも前の『ダブルゼータ』の時代らしいと。
それでも新しいガンダムに飢えていた。

中学の二年生の頃。
近所の本屋で陸上部の仲間と話してた。
『どうせ、そのうちガンダムやるやろ。ほら、これなんかガンダムそっくりやん』
と森下が指さした平積みの小説の表紙には、ガンダムっぽいロボットが描かれていた。
そして、その脇にいたハロを抱えた少年を見て俺はすぐさま理解した
『いや!これガンダムやん!!』
と手に取ると
『閃光のハサウェイ』
というタイトル。

やられた!!その手があったか!!!

アムロとシャアは居なくなっても、その狭間で生きてきたブライトの息子がいた!

全ての正統性ある続編に心がワクワクして、その本を手に取ると、開いた見開きの新ガンダムに衝撃を受けた!

「なんじゃこりゃー!」

それはまるでガンダムと呼ぶには余りに複雑でゴチャゴチャしたデザインで、もはや何がどうなっているのかよく分からなかった。
次のページのペーネローペーなんて、もう動くのこれ?と言ったレベル。

なんか、これまでのガンダムの機械的進歩を外れた様なデザインに皆んな「なんだかなー」な気分だったが、兎に角俺はそのままレジへ持っていき購入した。
「上」と書かれた小説なので、次は「下」かと思ったらやや薄い「中」がでて、「下」になった。

中学生の俺には難しい大人の心理や、政治的駆け引き、それら全てがガンダムの世界だった。

そして、衝撃のラスト。

更にはそれが映像化される事はないんだと知った時の悲しさと納得。
初めての地球連邦軍ではないガンダム。
敵が地球連邦軍。
主役はテロリスト。
宇宙へは行かない。
ガンダムが戦うのは3回。
そして初めてガンダムの側が負ける。
こんな地味で、少年向けでない作品はそりゃアニメ化されないわな。と。

でも、あの複雑なガンダムをいつの間にか好きになり、アニメ化する際に簡易的なデザインにされる事を嫌がっているのも確かだった。
あの完璧なガンダムの到達点の世界を、少しでもショボく作って欲しくなかったのだ。

すっかり忘れて、読み直した時のラストシーンは、初めて小説読みながら涙が止まらなかったほどだ。

そして、それから数多くのガンダムが作られ30年。

今の技術で完全に蘇った
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』

デザインは小説のオリジナルへと帰結され、
あの化け物のようなイビツなガンダム。
顔もイカつい。

そして観た!!!

最高!!!!!

あの完璧な世界だった小説の世界をそのまま再現してみせる、超高度なアニメクオリティ。
上映中ずっと幸せに包まれていた。

やりやすくオリジナルに走ったり、
商売っ気を出してやたらモビルスーツが戦ったりもなく。
会話もほぼそのまま使われている。
小説で表現された心理や情景もかなり再現されてて、小説読んでないと絶対に気づかないレベルだ。
パンレットの監督によると、
『小説をそのまま映画にする事を目指した』
との事。
素晴らしい!そして大正解!!

映像化を小説にしたガンダムは沢山あるが、小説の映像化は無い。
そして、この世界こそが富野由悠季監督がアニメやスポンサーに忖度して気を使わない、イメージ全開で書き上げたガンダムの真の世界なのだから。

兎に角、ガンダムだからでなく。
多分、この世界が好きで面白い。
俺が観たかったガンダムはこれなんだ!!
そしてあらためて解ったのは
今あるガンダムは全て二次創作でしか無いという事。
それはユニコーンもナラティブも。
ガンダムの劣化版で楽しいわけないのだ。

俺がターンエー以降ガンダムを好きになれなかったのは、こういう事だと解ってたけど、改めて突きつけられた。

そして、この素晴らしい映画をなるべく沢山の人に観てもらいたい。
ガンダムを知らない人に特に。

そんな映画です。

30年分の期待を超えてくれた名作に感謝!
そして何より早く続編を観せてくれ!!!!



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