たぶん「半年後にはぶん投げて放置+後はテキトー」って流れでは? ←トランプ政権の対ウクライナ和平プラン

2025年2月15日…
トランプ政権成立からほぼ一ヶ月が立ちました。米国政治は大統領代替わりしてから最初の100日が大事で、この間に何ができたか?…でその後の四年が決まると言ってもいいくらいです。トランプ大統領も早速、大統領令を毎日乱発して内政外交といろいろと滅茶苦茶にしているようです。その内容は、どれ一つとっても長文になりそうですが、ここではウクライナ問題についてのみ考えてみます。

トランプ政権の対露・対ウクライナ紛争に対する対応は極めて重要です。最大の軍事・経済支援国である米国抜きでウクライナを守ることはできません。また政治的影響力も絶大なものがあり、米国の一挙手一投足で事態は如何様いかようにも変わります。当然、今後のロシアがどうなるか?…というロシアの未来もまたロシア本人が決めるのではなく、米国の関与と立場によって決まるのです。よってウクライナ和平の行方はトランプ新政権によって決まると言って寡言ではありません。
しかし現在のところ、トランプ政権 (というかトランプ大統領)は何故かロシアのプーチン大統領に媚るかのような言動を繰り返し、欧州抜きで米ロだけでウクライナ平和調停を強引に進めようとしているように見えます。


トランプ米大統領、プーチン・ロ大統領との合意急ぐ-欧州置き去り



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そこで、今日 (2025/2/15)までに漏れ伝わっている事を記述しておくと、プーチンに対してトランプはこんな感じのことを提案したとメディアで流れています。

①現状の追認
→ロシアの占領地 (ノヴォロシア東部)をウクライナは割譲するしかない+ウクライナはロシア領東部ドネツクから撤退すべき事

②NATO拡大の否認
→ウクライナがNATOに加盟することはトランプ政権は認めない事

③早期の停戦
→戦争をやめることを第一とする。交渉ではウクライナ抜きで米ロ主導で5月のソ連の対ナチス戦勝記念日までに和平を実現する事

…的な内容のようで、2/15日より始まったミュンヘン安全保障会議においても、米国のこの勝手な物言いに対してEUもウクライナも拒絶の意思を示し、蜂の巣をつついたような大紛糾している状況です。


戦力の枯渇と経済力の喪失に苦しみ、断末魔を迎えつつあるプーチン・ロシアに対して異常な程の「擦り寄り」を見せるトランプに対する憤激は激しいものがあるようで、インドを除けば日本や中国もこのトランプの提案を積極的に支持しているわけでもありません。ゼレンスキー大統領も「ウクライナ抜きで頭越しの交渉など受け入れない」とあっさり拒絶しており、喜んでいるのは世界中の陰謀論系ネトウヨ (親ロシア派)ばかりで米国が孤立しているというアホらしい状況です。

特にミュンヘン会議は1938年にチェコ・スロバキアのズデーテン地方を英仏独伊だけで(チェコ抜きで)ナチス・ドイツに割譲し、結果、つけあがったドイツが欧州侵略戦争を始めるきっかけとなった屈辱的な妥協の地でもあり、今回のトランプの対応を「和平勝ち取ったヽ(^o^)丿」と脳天気にはしゃいでいたチェンバレンになぞらえる言説に満ち溢れています。

後世の人たちに「あの時のアイツら、何やってたの?」とそしりを受けそうな悲惨な状況ですが、当時を生きている我々からしても「全く理解できない」のであって、この先、ウクライナそして世界はどうなっちゃうんだろ?…と漠然と不安を感じている人たちも多いと思います。

そこで、将来どうなるかを考えてみようと思います。
とはいえ相手がトランプなので考えてもしょうがないので、結論から先にいうと…


半年後くらいにはブン投げて、「あとは欧州で勝手にやれ」とそのまま放置して投げ出す


…のではないかと思っています。
第一期トランプ政権の時にもよく見られた光景で、中国に関税かけたら、後はそのままなるようになる…みたいな展開でしたし、米朝首脳会談でも金氏と仲良く会談したものの、その後はぼんやりと時間を過ごしただけで特に何かがよくなったわけでもありません(ただし日本の頭越しに弾道弾を飛ばさなくはなったし核実験もしていないのは事実ですが…)。

トランプ政権では「必ずやるぞ!」「言ったった!!」「ディールしてやったぜ!!」「じゃ、もういいや」…という、ワンマン企業のCEOみたいな、次々と言ったりやったりするが、後は部下たちに全部おまかせ…という「移り気感」ばかりだったように思います。なので今回もそうなるのではないかと思うのです。

てか、トランプ外交なんてのを真剣に考えるだけ無駄です。同盟国や他の国との調整が全くなされていないだけでなく、政権内で全く意見が統一されていません。副大統領のヴァンスは「露助がこっちの和平案を飲まないなら兵力送るぞ」と言ってはヘグセス国防長官が「いや、送らない」とメディアを通じて反対したり、ケロッグ特使が「ウクライナ抜きで和平案はない」と言ったかと思うと「EUは参加しない」と言ってみたりと支離滅裂で全然バラバラなだけでなく、当人たちも米国政府も「やっぱロシアも領土的な妥協をすべきでしょ?」みたいな、世論の反応を見ながら毎日コロコロと言うことを変えてみたりする…なんていう現状では、真面目に考えたり怒ったり喜んだりするのは疲れるだけでムダです。

  ※     ※     ※


どうもトランプの奇妙な思考構造には「米国第一主義」で、このためのツールに関税を使うという発想以外に

・人間としては「良いヒト」。義理堅い。自分からヒトを裏切ることはない
・独裁者に対する憧れor共感があるらしい
・ノーベル平和賞が欲しいので、やたらと平和や和平を好む
・飽きっぽい
・欧州嫌い
・リベラル(←我々のいうパヨク)大嫌い
・トランプの事を悪く言った奴が嫌いで許さない
・自己顕示欲はやたら強い

…という程度のヒトなのではないかと思うようになりました。
トランプが積極的な陰謀論者や悪魔崇拝者、ヒトラーのような根っからの独裁者というわけでもなく、単に年を食ってしまったので若い世代で流行っている極左系反体制リベラルの事が性に合わず、結果、極左連中や民主党が嫌いなだけ…という、実に子供じみた感覚で政治やってるような気がしてなりません。

唯一の良いところは「何でもかんでもSNSやらメディアやらでバラしまくる」という「正直さ」だけです(爆)。1938年のミュンヘン会議とは違い、密室で他国や世界の将来を決めようとする欧州の歴史ではよく見られた「交渉」という腹黒さがないことだけが救いです。

ただし、言うだけ言ってまとめる気がないという「雑さ」は致命的ですが…

なので、さしあたりウクライナでの戦闘をやめさせて一時休戦 (=平和)にして、後のことは後で考えましょう+「ワイはウクライナに平和をもたらした(キリッ)」としたいだけのトランプさんなのではないでしょうか? うまく行かなかったとしても「EUが悪い」とか「プーチンが受け入れなくて残念だ」とか「バイデンが悪い」とか他人のせいにするだけかもしれませんね。もしくは「ワイはやることはやった。皆が悪いのであって、ワイは関係ない」とか「中国ガー」みたいな感じで、飽きて次の話題に乗り換えちゃってる…みたいな感じなんじゃないんですかね??

そんなふうに思えたので、停戦させたらもう興味を失った→放置…という流れになるのかな? と漠然と考えています。
いままでがそんな感じでしたらからね…(うんざり

  ※     ※     ※

現在、ロシアは推定で20万人もの戦死者と60万人を超える戦傷者を出し、国内もいよいよカネが尽きてきたのか? 去年の下半期あたりから悪性のインフレで庶民〜特に中間から貧困層の生活必需品の高騰に苦しむようになってきました。金融制裁の抜け穴とされていた欧州へのエネルギー輸出が先細り、戦費はうなぎのぼりで勝利の可能性もないことから国力の消耗を強いられており、今日明日で力尽きることはないにしろ継戦能力を喪失しつつあることは明白になってきていました。

ロシアが軍事的に特に優位なわけでもないのに、何故、トランプが此処まで妥協するのか全くわかりません。

しかしウクライナも内心では「もう戦争やめたい」というのは本音のようですし、西側はじめ多くの国が「戦争やめてほしい」「支援疲れしている」という本心を必死になって我慢しているというのは事実と思います。しかもこのまま戦争を続けた挙句、本当に第三次世界大戦という核戦争になる可能性も残っているだけでなく、このまま戦争続けていれば本当にプーチンらが死ぬのか? この苦しい戦争の先に恒久的な平和がくるのか? …も確約できるものではありません。
しかし逆に中途半端な米ロによるウクライナ和平締結の結果、侵略戦争を仕掛けた側が得をする・核兵器を持ってる国は何やっても許される…という事が許されるのなら、世界の秩序が崩壊するでしょう。毅然とした態度が必要で、政治家に胆力が求められる時代なのですが…。

そう考えるとイタリアのメローニは見事です。ロシアに対しての一切の妥協を拒否し、選挙で強い事もあって今や欧州の要石となった傑物です。「極右」と悪意を持って嘲笑されていた時もあったほどですが、今やサッチャーに比する程の「強い女」です。
またドイツのベアボックも立派です。彼女は極左ですがロシアに対しては欧州の軍事力の強化を含めた「対決」を全面に押し出してきた勇者です。日本の「平和ボケした夢見がちな」左翼などとは全く違い、平和と自由は自らの意思と時に犠牲をもかけて勝ち取るべきものだという、まさに正統左派の鏡のような存在です。日本にはいない真のリベラリストで、いずれドイツの首相になる逸材でした。フォン・デア・ライエン女史もボロった欧州をまとめ上げ、米露に対抗する第三軸を必死になって守り抜いているプロの政治家です。

メローニ (極右)←有能
ベアボック(極左)←有能
ライエン (中道)←有能

白人の女たちは本当に凄い女が次々とでてくるものだと羨ましく思いますね。こりゃ欧州で「女性の政治参加を!」と気勢を上げるのはむべなるかなと思いましたね。サッチャーを子供の時に見た時、「(偉大な政治家が首相で)羨ましい」と素直に思ったのを思い出しましたよ。

それに比べて男どもは、バカで臆病な売国奴ばかりで…
男は本当に使い物にならない(呆れ)。てか、もう政治家は全員、女にやらせたほうが良いんじゃないですかね?

トランプ政権が今後、内政外交において成功するかどうかはまた別話数で考察するとして、まずはウクライナ和平に関しては「雑にまとめて、後で大混乱するだけorまとまらずに放置」の可能性が一番高いのではないかという内容で、いまの段階でウクライナ問題を真剣に考えるだけムダ…という内容でした。

欧州情勢は複雑怪奇…
我々日本人には出来ることはほぼ何もないので、我々こそ、しばらくは放置するしか無いでしょうね。ここが決まらないとロシアの将来も、ウクライナや我々の未来も見えてきませんから。

てか、トランプの言うことは本気にしたら「負け」なんでしょうね、きっと…(呆れ

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