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INTP的DJ論
はじめに
DJ論、それは月に一度は流れてくる謎の理論。各々が正しいと思った事をツイートすることで、お手軽にバズる事が可能な稀有なコンテンツの一つだ。だがしかし、結局内容は「現場に入ったら挨拶をきちんとしましょう」とか「セトリの提出は早くすること」のような、滅茶苦茶大事だけど実践的な繋ぎやスキルの話は特になく、「俺は、本物が欲しい」*比企谷八幡のような感情になることがしばしばある。
今回のnoteでは、友人がDJを始めるという事で実践的なセトリの組み方について重点を置き書いていこうと思う。実際、アニクラやオタク向けパーティーではDJのスキルはほぼ必要なく、いかにキーの合った曲から曲に意味や自分の思想を織り交ぜてプレイできるかが重要(というよりはそれが一番の見せ場)になっている。即ち、スキルよりもセトリの組み方で魅せる方がより効果的であり、手っ取り早く初心者でも取っ付きやすいのだ。
INTPにDJは無理
そもそも、(友人も私も含めだが)INTPはDJに向いて無さすぎると言わざるを得ない。それは、オタク向けパーティーがDJイベントの皮を被ったいわばオフ会的側面が強く、ほぼ自分から絡みにいかないと何も起こらない排他的な空間だからである。ClubAsiaのようなデカいイベントならば一人であっても問題なく楽しめるのであるが、月あかり夢てらすのような場所でS・M・L☆が流れた時、ただ1人オタ芸ができず立ち尽くす「アレ」が6時間続く地獄をオタクくん
には見せたくないから…
※アニメopでキャラが逆立ちするためオタクも逆立ちし始める。
DJオファーのほぼ99%が縁故採用のため、自ら話しかけに行かないINTPがDJとしてやっていくというのはほぼ無理だと考えてください。まず、セトリの組み方の前に社会に参入し見た目を整える方が100倍偉いということに気が付きましょう。(インセルの私が言える話ではないのですが)
DJの流行とその虚しさ
DJが近年オタクの間にここまで波及したのは、ひとえにコロナ禍におけるMU2020のようなオンラインパーティーとVRchatのお陰である事は無視できない。また、バンダイナムコにおけるアイカツANIONからの流れとなる電音部や、ブシロードのD4DJ(マジでグラビアアイドルを声優にさせるのヤバいって)の影響は計り知れない。実店舗のクラブに行かずとも、パーティーにDJとして参加できるオンラインパーティーの増加は良くも悪くもオタクをDJへと駆り立てたのであった…。
この状況は良くも悪くもあの名文を引用してこのように表現できるだろう。
オタクの人生は瞬速の光だ。女しか出ないアニメとか、女がみんなヒョロヒョロの主人公に恋をしているアニメとか、そんなのを見ていたら30歳になる。ピクシブのポルノや、erocoolの無料ポルノを読んで珍棒を撫でている。射精。すると40歳だ。
俺はそんな自分を変えたい。そう思ってDJをすることにした。DJとは、気持ち悪く、何も成していない非正規雇用のオタクでも何かを達成した気になれる。変なプレイをしてツイッターにアップロードすれば、自分が特別な体験をしていると思える。そういうものだ。だから変な顔に似合わず、オタクの間でDJは大人気のレジャーだ。その例に漏れず、俺もDJを選択した。もちろん、DJをしたことでモテモテになるはずもない。それでも、自分の何かが変わると思った。
DJの入口はもはや自己実現の手段として、何も無いオタクが努力なしに他の人間を楽しませるフリーライドとしての道具になっている。結局、ここから抜け出すには努力してdigなどを行っていかなければならない訳だが、趣味としてみると曲は無限に存在するため際限がなく、マジでこの労力何?みたいな事になりかねない。オタクのDJは『金を持て余した私立文系大学生によるインテリ趣味』の側面が非常に強い。曲も機材も買えるのはモラトリアムで金のある大学生の特権だ。
セトリの組み方
さて、オタクDJがボンボンによるインテリ趣味だと分かった時、なぜこれがオタクにウケてるか必然と理解出来るだろう。それはオタク向けDJが「受験勉強」の構造と同じだからである。では、そんな受験勉強のような環境でどうすればいいセトリが組めるのか。皆さん、大学の二次試験を思い出してください。重要なのは、そう「傾向と対策」なんです。
具体的な「傾向と対策」
何もここではアンセムはウケる、マイナーはウケない、という話をしているのではありません。例えば、まずパーティーの特性を知りましょう。第一に、過去の他のDJのプレイ履歴からどういう傾向が好まれているのか確認します。そこから自分なりにアンセムを抽出することが重要です。
[この箇所について説明が少ないので追記。
具体的にはあにげん!のブログが参照になるでしょう。
これを見て、アンセムを抽出するという行為は「プレイ回数の多い曲をただ流す」という訳ではありません。勿論それでもいいのですが、他共演者とほぼ仲良くないINTPがやっても意味不明なだけです。(それがアリな時もありますが)
今回の場合、私なら「10年代萌えアニメニンニクマシマシアブラカラメで」みたいな感じでしょう。「そんなざっくりでいいのか」と思われるでしょうが、この範囲は自分の知ってる曲の球数次第なのでそこに依存するため一旦はこれでいいのです。]
またツイプラがあるならばツイプラも全て確認します。それは、どのようなアニメアイコンのオタクがいるのか確認するためです。例えばアイマスアイコンのオタクがいたとします。自分が出演するのはアイマスに全く関係ないイベントであったとしても、アイマス曲を混ぜれば「コク」が出る気がしませんか?(dariacoreイベントでしあわせのレシピ/我那覇響を流すような感覚)←この感覚に関して注釈すると、fulucaがREADY!!のサンプリングを行っているためREADY!!みたいなアンセムを流した方がまぁウケるといえばウケるワケですが…外すことがカマしというワケです。
※勿論アイマスアイコンでもどのアイマスブランドのアイコンなのか、黛冬優子が好きなのか、樋口円香が好きなのか、杜野凛世が好きなのか、ツイート傾向はどうか、一人分析するだけでもセトリの選択は無限に存在する。ここで例に出した『しあわせのレシピ』はぷちますシリーズのキャラソンであり、レアグルーヴ的側面が強く、アイマスを好きじゃないと知っていない可能性が高いためカマしとして流すならばコレか…というチョイスである。
また、この理論を応用する事も可能です。例えば篠澤広アイコンのオタクがいるとします。この場合、光景を流すことはそれはそれとして正解ですが、長谷川白紙が好きということはMaltine recordsのような曲を流してもウケるということが分かります。さらに、篠澤広が好きな場合、『Do It Yourself!! -どぅー・いっと・ゆあせるふ-』が好きですし、その場合『ヤマノススメ』も好きでありテンダー・ファインダーを流してもウケる可能性があり(と、自分で信じられ)ます。
上記のような偏見は正解などありません、偏見なので。しかし偏見のメリットとは監督が同じや声優が同じのような事実に基づく繋ぎよりフィーリングに近いDJが手癖でできます。
結論、これは「傾向と対策的」な手法であり「俺は何がなんでもこの繋ぎがしてぇ!!!」のような情熱が無いじゃないか、のような反論があるかと思います。ですが、そのような繋ぎをどこでセトリへ挿入するかは全て「センス」と言わざるを得ません。「そこが一番肝心なんだよ!!」と言われそうですが、こればっかりは渋谷系が好きな人にEDMを勧めることが無駄なように、まるで水と油のような関係です。ですが、DJの面白いところはセンスがあればそれを乳化できる可能性があるということでしょう。 センスなる物は時代的束縛(自身の年齢や環境)と肉体的束縛(健康状態・精神状態)に左右されます。確固としたセンスなどはそもそも存在しないので、もしあなたがそれでもウケを重要視するのであれば、「傾向と対策」の手法を優先するべきでしょう。
終わりに
そもそも、INTPはDJイベントに誘われることはほぼ無いので、スキルが〜みたいな話をするのは「Vtuberで女知った」ぐらい滑稽な話です。それでも、自分にしかできないような繋ぎができた時は嬉しいもので、黙々と自分なりにセンスを磨いてくしかないのでしょう。突き詰めればこれは「受験勉強」の延長線なのですから。またこれは私が好きなDJのタイプのため、普遍的な理論でも絶対でもありません。結局、最終的には自分のアタマで考えないと人生が進まないという残酷な事実を知りましょう。