プロローグ
物星トモロウの自然科学教室の最後の生徒、山下鉄郎少年は、機械の体を求めて、銀河鉄道ドクターイエロー999で宇宙へと旅立ちました。
再び地球へと帰還した鉄郎少年は「ジャンク鉄郎(クズ鉄)」として、この宇宙のすべてを唄う事にしました。
西暦2300年に発表されたこの妄想アルバムは誰にも聴かれることなくキンドルの本棚に置かれていました。
なぜなら、当時、鉄郎はアルバムをフロッピーディスクで発売したのでした。
全曲を1.4MBに収めようとしたため、1曲は5秒程度になっており、そもそも曲が入っておらず、歌詞が数行入っているだけという想像を絶するものでした。
後のインタビューで鉄郎はこう語っています。
「僕は作家でも歌手でもギタリストでも無いし、仕事は何でも良かったんだよ。一番手っ取り早い仕事を選んだだけだよ。生活のためにね」