【コラム】情報カード(京大式カード)の使い方
平素より、記事の閲覧ありがとうございます。
とりとめもない情報を自分なりにまとめては記事にしておりますが、楽しんで読んでいただければ幸いです。
筆者も多少なりとも勉強はする人間でして、日常的にデータが集積しています(役に立っているとは限りませんが)。
特にメモ癖があり、勉強になってるんだかなってないんだかではありますが、記事を書くための知識のベースになっています。
今回は、普段自分が使っている『情報カード』のお話をしようかと思います。
この記事が少しでも誰かのお役に立てれば幸いです。
情報カード(Index card)
馴染がない人は今ひとつ名前を聞いてもピンとこないかもしれませんが、最近では記憶法として利用することが話題になってきているそうです。
ものとしては大したことのない、ただの紙(カードサイズ)なのですが、これを集積してデータベースや情報の整理のために使用するというものが情報カードです。
割と身近な商品であり、ダイソーでも購入することができます。
元々は研究者らがメモや論文執筆用の情報整理(KJ法)のために使われていましたが、梅棹忠夫『知的生産の技術』(1969年)でいわゆる「京大式カード」が紹介され、広く利用されるようになりました。
京大式カード
京大式カードというのは、実際にその名前で市販されています。大学によっては購買においてあることがあります。
使い方の例を書いてみました。
このようにして、1つの情報につき1枚、整理するための情報としてのメモを残します。
この京大式カードはB6サイズなのですが、実際に手にしてみるとメモにしては少々大きいように個人的には感じます。そこで、ダイソーの情報カードが役に立ちます。
ダイソーの情報カードはB6の1/3程度のサイズなので、カバンやポケットに入れやすく持ち運びに便利です。これにより、常に携帯するという項目を満たすことができます。
これは、実際に自分が作成した情報カードになります。
情報カードにも罫付のものがあり、京大式カードのような使い方ができます。
応用編
これは実際に筆者が大学で教わった手法であり、今も論文を読みながら良い論文が見つかったら作成しているカードになります。
これはある論文についてカードにまとめた例になります。
まず、表には
論文の題名
著者
所属
掲載誌
掲載年月日
ページ
を記載します。乱筆をお許し下さい。
続いて裏には、論文で特に気になった化合物の構造を書き、
ケミカルシフト(δH: 青、δC: 赤)
炭素番号(C-:緑)
COSY(赤線)
HMBC(紫線)
その他メモ(赤・緑文字)
を書き込んでいきます。
これがどうなるのかというと、
未知の物質の構造解析をする際にどのような構造でどのようなケミカルシフトになるのか、どのような構造のとき2次元相関が現れるのか、構造決定のポイントは何だったのか、このような構造のときどのような手法を用いて解析すればいいか…
など、実際に解析で行き詰まったときの擬似的な経験として情報を持つことができるようになります。
特に天然物化学の分野では、自然界に数多存在する複雑怪奇な構造の目に見えない物質の姿を明らかにするためには、過去の情報や経験の蓄積が非常に重要となってきます。
この書き方に関しては、有機合成でも役に立つものであり、反応系をメモとして持っていることでいざというときに引き出すことができる強い味方になってくれます。
まとめ
情報カードと京大式カードの使い方を、自分の経験をもとにして書いてみました。いかがだったでしょうか。
この情報が、今後だれかの役に立ってくれれば幸いです。
ご清聴ありがとうございました。
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