見出し画像

その時 何を思ったのだろうか

久しぶりに寝る前に瞑想をした。
久しぶりだが10分は思いのほか短かく感じた。
眼を閉じて横になっていると、初めて亡くなった父の気持ちと言うか
思いをなぜか考えていた。
私が10歳、小学5年生の夏休みのある深夜の事。
私は熟睡中で電話の呼び出し音も聞いていない。
突然、家族の誰かに起こされて病院に行くと告げられた。
1人家においておけないので連れていかれた訳だ。
真夜中、父以外の家族5人で歩いて20分位だったかな、人気のない商店街を歩いて病院へ向かう。
父はまだ帰ってきていないが、いつもの事。
病院に着くと病室に通され、そこには酸素マスクをつけて血と酒の匂いしか
覚えていないが、ベットに横たわる父がいた。
トラブルがあったのか何かよくわからないが、何かで複数人に殴られ血まみれで倒れているところを通報され救急搬送されてきたようだ。
頭部の損傷がひどく、手術が必要だが設備のない病院だったので転院すると
説明された。
翌早朝、大きな病院へ移動し手術が始まった。
生活が急変した日だった。3年半の植物人間との生活のスタートだ。

ふと、殴られ倒れ落ちる時、意識があったとしたら、何を思ったのだろうと
考えていた。家族の事を思ったのだろうか、ただ苦痛を感じただけなんだろうか。
突然の出来事が起きた時、人は何を思うのか...
何が頭の中に出てくるのか、どんな感情がわいてくるのか...

無性に切なくなってきたが、そのまま眠りに落ちてしまった。
今まで一度も考えた事もなかったのに...
犯罪被害者支援ボランティアの養成講座を受けようとか思っていたところではあったけれど、犯罪被害者家族の感情は当時子供だったのであまりない。
ただ、泣くのはやめようと思った事は覚えている。

私は死ぬ時、何を想う...


いいなと思ったら応援しよう!