住宅会社のマーケティングにおいて属人性は必要か?
住宅会社は、顧客にとって一生に一度の大きな投資であり、そのためマーケティングは非常に重要です。
しかし、住宅会社のマーケティングにおいて、属人性を出すべきかどうかは検討する必要があります。この記事は、この問題についての私の考えになります。
属人性を出すべき理由
住宅会社のマーケティングにおいて、属人性を出す理由としては、個性的な魅力をアピールできる点が挙げられます。
住宅会社は、建物の形状や素材、内装や設備など、様々な要素で個性的な特徴があるものの、住宅性能は難しい部分があったり、そもそもある程度の性能は差別化しにくい状況です。
SNSを中心に検索するお客さんは「会社発信の情報」より「〇〇さんが発信している情報」のほうが信頼する傾向が高くなっています。
「人」が発信することで親しみやすく、うまくアピールすることで、顧客の興味を引き、競合他社との差別化を図ることができます。
また、属人性を出すことで、顧客との信頼関係を構築することができるので、紹介受注などにも繋がります。
SNSなどで発信しやすくなった時代であっても、属人性を出すことはハウスメーカーでは難しいでしょう。属人性は工務店など中小の住宅会社が使える強力な「武器」のひとつです。
属人性を出すべきでない理由
一方で、住宅会社のマーケティングにおいて、属人性を出すべきでない理由としては、ブランドイメージの統一性が挙げられます。
住宅会社は、ブランドイメージを明確にすることで、顧客に安心感や信頼感を与えることができます。
しかし、属人性を出しすぎると、ブランドイメージが曖昧になり、顧客に混乱を与えることになります。
また、属人性を出しすぎると、特定の人物や思考に依存しすぎることになります。
そのため、その人物が退職や異動などで会社を去った場合、マーケティング戦略が破綻する可能性があります。
どちらが正しいか?
住宅会社のマーケティングにおいて、属人性を出すべきかどうかは、その会社の方針やブランドイメージによって異なります。
個性的な魅力をアピールすることで、顧客の興味を引き、信頼関係を築くことができる一方で、ブランドイメージの統一性を保つことも重要です。
住宅会社は、自社の状況を見極め、バランスをとったマーケティング戦略を構築することが求められます。
例えば、住宅会社が個性的な特徴を持っている場合、それをアピールすることで、顧客の興味を引き、差別化を図ることができます。
しかし、全国展開をしているような大手住宅会社の場合、ブランドイメージの統一性を保つことが重要であり、属人性を出しすぎないように注意する必要があります。
また、属人性を出すことで、顧客との信頼関係を構築することができますが、その信頼関係が特定の人物や思考に依存しすぎることにならないように、複数の担当者が顧客と接することが求められます。
この業界は「最終的に〇〇さんだから契約した」というお客さんも一定の割合でいます。
契約までは「人対人」のコミュニケーションで関係性がつくられるので、その部分に属人性が出てしまうのは致し方ないところだとは思います。
しかし、キャラクターによってブランドイメージが変わるのは良くありませんし、特に認知度(入口)の部分で属人性に頼ったマーケティングをしてしまうと、その人がいなくなることで認知度が下がったり、イメージが変わってしまいます。
最終的に業績にも影響が出るのでマーケティングの面では、属人性が高く、依存し過ぎるのは危険でしょう。
まとめ
住宅会社のマーケティングにおいて、属人性を出すべきかどうかは、その会社の状況やブランドイメージによって異なります。
個性的な特徴をアピールすることで、顧客の興味を引き、競合他社との差別化を図ることができる一方で、ブランドイメージの統一性を保つことも重要です。
住宅会社は、自社の状況を見極め、バランスをとったマーケティング戦略を構築することが求められます。