マーケティングの新たなフレームワーク「SAVE」を工務店に当てはめてみた
顧客のニーズや課題に合わせた価値提供が求められるマーケティングにおいて、4Pや4Cのフレームワークに加え、新たなフレームワーク「SAVE」が注目を集めています。
SAVEとは、
■ Solution(解決策)
■ Access(アクセス)
■ Value(価値)
■ Education(教育)
この4つの頭文字をとったもので、顧客中心のアプローチを取っています。
工務店においても、このフレームワークを活用することで、顧客ニーズに応じたサービス提供や、顧客満足度の向上が可能になります。
Solution(解決策)
工務店においては、私が考える「Solution(解決策)」は主に2点。
ひとつは「顧客のニーズに合わせた設計や提案」が必要です。
例えば、家族構成やライフスタイルに応じたプランの提案や、リフォームの際のアフターフォローなどが挙げられます。
また、顧客が抱える課題や問題点に対して、工務店の専門知識を活かして解決策を提案することも重要です。
もうひとつは「顧客とのコミュニケーション」です。
施工前後のヒアリングや、工事の進捗状況の報告など、を充分にとることが顧客満足度向上のカギになります。
また、問い合わせやクレームに対しても、迅速かつ丁寧に対応して解決することが重要です。
Access(アクセス)
工務店にとって、顧客がスムーズに商品である住宅やサービスにアクセスできる環境を整備することが必要です。
例えば、顧客が工務店にアクセスしやすいウェブサイトの構築や、SNSを活用した情報発信が挙げられます。
さらには、施工前後の見積りの提出や設計プランの打ち合わせやコミュニケーションもオンラインやツールを活用しながら行うことも顧客目線のアクセスです。
顧客とのコミュニケーションを通じて、工務店の信頼性やブランド価値を高めることもできます。
Value(価値)
工務店において、顧客にとって有益な価値とは何でしょうか。
耐震性や断熱性の高い住宅を求める人もいれば、デザイン性に優れたオリジナルの住まいを求める人もいます。
価格や品質、デザインなどはもちろんですが、造作によって顧客に便利で価値のある要素を提供することができるのも工務店の魅力です。
顧客ごとに求める価値は変わります。
そこを上手く拾い上げて、ハウスメーカーではつくれない価値を提供することが大切です。
Education(教育)
工務店において、商品である住宅やサービスについて、顧客に正しい知識を提供することが必要です。
高断熱・高気密住宅では、24時間換気を止めてしまって結露が発生したとか、寒いとかクレームにつながるので、性能にあった暮らし方を伝えることも大切になってきました。
高性能住宅が普及して、SNSでは「プロ施主」といわれる人たちが、工務店を凌駕する知識を持っています。
彼らは高性能住宅の必要性に一役買っているものの、一方で独自の視点しか持ち合わせていなかったり、間違った知識を広めてしまうことも多々あります。
したがって、工務店自らが正しい知識を発信し、顧客との信頼関係をつくることが必要です。
まとめ
工務店においても、「SAVE」というフレームワークを活用することで、自社がやるべきことの整理や、顧客ニーズに合わせたサービス提供や顧客満足度の向上が可能になります。
解決策の提案やアクセス環境の整備、顧客にとって有益な価値の提供、正しい知識の提供など、それぞれの要素について工務店の特性に合わせた取り組みが必要です。