”いつまでも色褪せない名盤たち”
その8まで投稿してしばらくお休みしてしまいました。その9からはプロになっていくのでへ音奏者「への」ではなく、「の」になるのでここで一旦終了。読み返してみると、紹介したアルバムは実は今日のタイトルと重なっていました。今聴いてもいいな、と思えるものをチョイスしていたのです。「いとしのレイラ」「マイソング」などなど一向に古臭く感じない音作りを感じます。投稿してきたこれらの作品について、そして他にもたくさん紹介したいと思います。時間軸は行ったり来たりですのでご了承ください。まずは50歳以上のミュージシャンなら誰もが通ったスティーリーダン。70年代に7枚のアルバムをリリース。前半は固定メンバーによるバンドサウンドでしたが、次第にドナルドフェイゲンとウォルターベッカーの二人によるプロデュース色が強まりスタジオミュージシャン起用が増えて、ついに5枚目の「ROYAL SCAM」ではほぼ二人だけになりました。あとは鉄壁のスタジオミュージシャンで固め、さらには6、7枚目では何人ものプレイヤーを呼んで半ばオーディションするようになっていきました。その結果、比類のない完成度のサウンドを世に送りました。「Aja」と「Gaucho」です。メインのメンバーはチャックレイニー(Ba)、バーナードパーディー(Dr)、スティーブガッド(Dr)、リックマロッタ(Dr)、ラリーカールトン(Gt)、トムスコット(Sax,HornArr)、他。
ぎりぎり70年代では最先端のデジタルレコーディング(テープメディア)を使用した透明感を迫力のある音像は当時も今も全く変わらず素晴らしい。昨年は3枚目の「プレッツェルロジック」をリピートしていたのですが、これもまた音がいい。クリアでしかも音が遠くなくしかも丁寧な質感。アレンジも十分に洗練されていて、この頃から彼らの手法は確立されつつあったのだと感じます。
個人的には「ROYAL SCAM」の硬質な一貫性の高い音楽性も大好きです。全曲ほぼ同じメンバーでのライブ感が素晴らしい。特に1曲目のカールトンのソロは彼の歴史でトップクラスの名演。クルセダーズの「スパイラル」と並び称されています。チャックレイニーはここでも素晴らしく、でも「Aja」では更に名演を残しています。
スティーリー・ダンの音源が今でも古臭く感じさせない要素はいくつかあると思いますが、ブルースフィーリングを基礎に流行に左右されない楽曲作りを貫いてきたことが大きいと思います。ミキシング的にも華美にならず、残響も自然で歪みも少ない。そして最後までシンセサイザーを使わなかった(ましてやデジタルシンセやサンプリング音源など)のが今でも新鮮でいられる要因かもしれません。80年代のキラキラシンセサウンドはいかにも時代を感じさせる大きな原因になっています(いい悪い、ではなく)。
スティーリー・ダンの中で1曲選ぶとしたら・・・選べないんだけど笑・・・敢えて選べば「Aja」です。ぜひ聴いてみてください。
つづく。
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