【小説】 紅(アカ) 別の世界とその続き 第18話
第18話
僕は持ちきれない程の食材を家まで運んだ。
「ふ〜。ちょっと贅沢し過ぎたな」
僕は冷蔵庫に押し込んで満足していた。
こんなに贅沢な食材でいっぱいになるなんてこと滅多に無いだろう。
仕事もしなくて良くて。
ああ、なんて幸せなんだ。
何日もそうして、ダラダラと僕は食材を貰いに出たり家で寛いで過ごした。
たまに外食にも出てみた。店の看板は閉店のまま、ただ気ままに過ごした。
リリーも初めの数日は家に来ていたが、しばらく休業にすると伝えると遊びにも来なくなった。
家の中も、もうかなりの物で溢れてきた。
僕は本当にダラけた生活をしていた。
ソファで寝転びながら、散らかり続ける部屋を眺めた。
……この世には法則があるらしい。前に誰かが言っていた。
——時間と共に乱雑になっていく。
勝手には元には戻らない。って。
部屋が散らかるのは、その法則。
宇宙の森羅万象は、無秩序が増大する。
法則なんだから、部屋が散らかるのはしょうがない。
ぼんやりとそんなしょうもない事を考えながら僕は部屋で寝転がっていた。