2023.10

遡ること、半年前。
いつも仕事で忙しい夫がいつも通り朝方帰ってきた。今月末にオーナーへのプレゼンがあって忙しいとかいってたような。

そう。よくあることだが、なんだか胸騒ぎがする。

夫とは、2020年コロナがまだ流行る直前で、横浜港に到着したフェリーで感染者がまだ出たくらいの時に入籍をした。
出会いは大学の同じ学科、同級生で、同じ研究室になったことをきっかけに付き合い、神奈川と青森の遠距離も経て4年間付き合ったのち結婚をした。
それなりに仲が良く、いや、それなりどころか
かなり仲がよく、周りからもいつも楽しそうでいいねなんて言われるくらい、時には大親友、時には良き相棒の様に切磋琢磨しながら支え合っていた。

私としてはもうそろそろ次のステップかな。
なんて思っていた頃、朝帰ってきた夫を見て何故か胸騒ぎがした。
「今日はなんで忙しかったの?」とかいつになく言った気がする。
「今日は後輩と飲んでたんだよね」
「そうなんだ。誰と?」
「最初は佐藤と島田と3人で。」
夫の同じチームの後輩だ。夫の会社は人数こそ少ないが某有名なホテルを中心に客室やレストランのインテリアを手掛ける会社だ。
社長や社員は家族のような近さで働いていることもあり、私もよく社長に誘ってもらい、会社の飲み会やイベントなんかに顔を出していた。
最近インターン生として入ってきた島田さんはまだ会った事はないが、佐藤君はよく知っていた。

「最初はって?」
「途中で佐藤が帰ったから、最後は島田と2人で飲んでたよ」
「ふーん。
いや、別になんかあってもなくてもあなたは一応既婚者でモラル的に朝まで2人っていうのはないよね。」
「まぁ、、そっか。。確かにそうだね。何もなかったけど次からはそういうような事はないようにします。」
「そうだね。」
なんだろうか。心臓が痛い。
いや、今までだってそんな事くらいあったじゃないか。何故引っかかるんだろう。
モヤモヤモヤモヤ。

このことを引き金に、私たちは一気に引き裂かれていく。

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